医学部付属病 院 に つ い て １３ 呼吸器 甲状腺外科 １ 診療体制と患者構成 1 診療科スタッフ 近藤 晴彦 教授 診療科長 平野 浩一 臨床教授 武井 秀史 准教授 田中 良太 講師 長島 鎮 学内講師 医療の質 自己評価 2 常勤医師 非常勤医師 常勤医師数 13名 非常勤医師 2名 3

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1 １３ 呼吸器 甲状腺外科 １ 診療体制と患者構成 スタッフ 近藤 晴彦 教授 長 平野 浩一 臨床教授 武井 秀史 准教授 田中 良太 講師 長島 鎮 学内講師 常勤医師 非常勤医師 常勤医師数 名 非常勤医師 指導医数 専門医 認定医数 日本外科学会専門医 名 外科学会指導医 日本肺癌学会評議員 日本呼吸器外科学会 評議員 5 名 呼 吸 器 外 科 専 門 医 7名 日本呼吸器内視鏡学会 評議員 名 指導医 ４ 名 専門医 7 名 日本癌治療学会 評議員 5 名 名 がん治療認定医 名 日本肺癌CT検診認定医 日本気胸 嚢胞性疾患学会 理事 名 日 本 臨 床 外 科 学 会 評議員 名 日本内視鏡外科学会 評議員 名 日 本 臨 床 細 胞 学 会 専門医 名 外来診療の実績 専門外来の種類 疾患別の専門外来として独立しており. 呼吸器外科外来. 甲状腺外来をそれぞ れ専任医が担当している 外来患者 年度 年度 度 度 度 呼 吸 器 外 科 7, 8 7, 7 7, 7, 8, 8 甲 状 腺 外 科 7 7, 7, 5 入院診療の実績 新規入院患者数 呼吸器外科 57名 甲状腺外科 名 死亡患者数 呼吸器外科 例 甲状腺外科 例 剖検数 例 平均在院日数 呼吸器外科. 日 甲状腺外科 年間呼吸器外科手術数 8 年間甲状腺外科手術数 8 8. 日

2 術後日以内. 7% / 例の死因 間質性肺炎 肺癌術後合併症. % 5/ 肺炎5 不整脈 肺瘻 乳糜胸 膿胸+胸膜炎 5 呼吸不全 5 無気肺 肺血栓塞栓症 反回神経麻痺 間質性肺炎 創出血 先進的医療への取り組み ① 当科で行っている各疾患別の手術症例数を表 に示す 主要疾患である肺癌 気胸 縦隔腫瘍 転移 肺癌術後死亡 術後日以内 % / 性肺腫瘍 甲状腺疾患以外にも膿胸 肺良性疾患や確定診断目的の肺生検 リンパ節生検 胸膜生 検 胸膜腫瘍 胸壁腫瘍 気管腫瘍 気道狭窄に対する気管ステント留置など幅広く手術を行ってい る 原発性肺癌の術式別の手術数を表 に示す 標準手術である葉が多いが 近年は非浸潤癌と考え られる肺癌も多く見つかるようになり 区域や部分といった縮小手術も行われている 原発 性肺癌の過去年 5年 の手術症例は例 8年の手術治療成績は 5 年生存 率が8 である IA期の成績は 5 年生存率で85 IB期は%である Fig. Fig. 年 8年の 5 年間に手術した症例の各病理別の手術治療成績を国内最新の数値である 年の全国集計と比較して表 に示した 成績は全国肺癌登録合同委員会の報告と遜色ない値であ る 手術は胸腔鏡を併用した低侵襲手術を行っているが 気管支形成を伴うもの 他臓器浸潤を伴う 肺癌などの進行癌に対しては標準開胸による拡大手術も積極的に行っている ③ ② 転移性肺腫瘍の原発臓器別の手術症例数は表 に示す 最も頻度が高いのは大腸癌の肺転移である が 他にも様々な原発臓器がある 複数個の肺転移症例であっても症例によっては積極的に手術を 行っている ④ 自然気胸の再発は手術治療によって大幅に減少させることができる 再発予防の観点から通常のブラ 己血散布などを症例に応じて適応している 術式別の手術数を表 5 に示す また 当科では低侵襲に 胸腔鏡を用いた手術を積極的に施行している 若年者の自然気胸の症例では術後平均 日で退院が可 肺嚢胞 処理に加えて 人工シートによる臓側胸膜被覆 壁側胸膜による被覆 胸膜テント 自 能である ⑤ 甲状腺 副甲状腺疾患の治療にも力を入れている 甲状腺がんの手術では声に関わる神経 反回神 経 上喉頭神経 が甲状腺と接して存在しているため慎重に操作する必要がある 神経が腫瘍に巻き 込まれている場合には合併するが 当科においては 声の変化を最小限に抑えるため 形成外科 と協力し 断した部位の神経を縫合したり 神経移植を行っている また 喉頭形成術という声を よくする手術も行っている また 縦隔まで進展した場合には呼吸器外科と協力して摘出する事が可能である 手術症例数 表 年 気胸 転移性肺腫瘍 縦隔腫瘍 7 甲状腺 生検 肺 胸膜など 膿胸 肺良性疾患 呼吸器その他 7 5 年 肺癌

3 肺癌 術式別 手術症例数 表 全 葉 摘 7 区 域 部 分 5 7 総 数 ５ 年生存率 表 肺癌手術症例 当科 年 8年 全国平均 年例 ＩＡ ＩＢ. 7. ⅡＡ 7.. ⅡＢ ⅢＡ 全 体 8.. Fig. １ 肺癌の手術成績 年 8年 85例 Fig. Ｉ期 肺癌の手術成績 年 8年度8例

4 手術症例数 表 大腸 8 骨軟部 7 泌尿器 腎 尿管 精巣など 女性器 子宮 卵巣など 頭頸部 咽喉頭 甲状腺など 5 胃 肝胆膵 その他 手術症例数 表 5 ブラのみ 7 ブラ 人工物被覆 5 8 ブラ 胸膜テント その他 5 75 気胸 術式別 転移性肺腫瘍 原発巣別 ３ 低侵襲医療の施行項目と施行症例数 ている 従来は全身麻酔下の縦隔鏡下で生検を要した症例も内視鏡下に生検できるようになった ま た 末梢の小型肺病変に対して年度よりEBUS-GS法 超音波下気管支鏡下肺生検 を導入し 7年より開始した超音波下経気管支鏡下縦隔リンパ節生検 EBUS-TBNA は年間約例に施行し 年間約5例に施行している また BF navigation CT画像をもとに仮想気管支鏡画像を作成し 実 際の気管支鏡検査に応用する を利用したものもあった これにより 末梢小型肺病変に対する診断 率が向上した 気管支鏡治療 気道狭窄に対する気管ステント留置 肺瘻などの瘻孔に対する気管支 充填 も行っている ４ 地域への貢献 城西画像研究会 回 ヶ月 三鷹医師会検診委員会胸部レントゲン読影 回 月 武蔵野市市民健診胸部エックス線写真読影 回 月 ５ 特色と課題 当科では指導医 専門医による気管支鏡下生検 透視下肺針生検による確定診断を行い 肺癌症例 においては術前 術中 胸腔鏡検査 胸腔内洗浄細胞診断を施行し より確実な診断と的確なの 決定を行って治療を行っている 気管支鏡検査時には臨床細胞学会専門医により 検体の迅速診断の 導入を開始し 検査時間の短縮 苦痛の軽減を志している 7年よりEBUS-TBNAを開始し 従来 は全身麻酔下の縦隔鏡下で生検を要した症例も内視鏡下に生検できるようになった また 末梢の小 型肺病変に対しても年度よりEBUS-GS法を導入し診断率が向上した 根治術可能な肺癌 縦隔 腫瘍に対して内視鏡 胸腔鏡 補助下手術を多く経験し 低侵襲でかつ良好な結果を得ている 手術治療のみならず 手術適応以外の小細胞肺癌 不能進行非小細胞肺癌に対しては呼吸器内 科や放射線治療部 病理部と連携して治療にあたっている 化学療法病棟や外来化学療法室が稼動 し 短期間の入院および通院による化学療法が増加し患者のQOL向上につながっている 7

5 医学部付属病院についてさらに終末期の患者に対する緩和医療も丁寧に実行している 年度からは週 回の在宅医療推進外来の設置し 近隣の医療機関 在宅医療クリニックとの連携体制も充実している 近年 社会は高齢化に傾き 患者の年齢層も変化している 5 年の肺癌手術患者の内 7. % が 8 歳以上であった 全国統計の資料では約. % である また手術患者の. 5% は高血圧をはじめ 糖尿病 虚血性心疾患 脳血管障害など手術時にリスクとなる併存疾患を持っている 高齢者や併存疾患をかかえる患者に対しても大学病院での利点を活かし 他科の専門医との連携により安全にベストな治療法を行っている JCOG(Japan clinical oncology group) に所属し アメリカ ヨーロッパと同等の多施設共同研究に参加している 学会活動も積極的に行っている 予防医学の観点からは肺癌の早期発見のために多摩地区を中心に健診で活動している 8