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特集 高等学校新学習指導要領 数学 について 数研出版編集部 0. はじめに 2018 年 3 月 30 日, 文部科学省より 高等学校学習指導要領 が告示され, 数学 においても, 各科目で取り扱う内容が示されました また, 各科目の学習内容が 知識及び技能 と 思考力 判断力 表現力等 に分けて整理されたことは, 新学習指導要領のポイントとしてあげられます 以下では, 新学習指導要領 数学 について, 現行課程からの変更点を中心に取り上げます 1. 高等学校新学習指導要領 数学 の概要 2. 高等学校 数学 における各科目の変更点 3. 中学校 数学 における各学年の変更点資料. 高等学校 理数 における各科目の目標と内容 1. 高等学校新学習指導要領 数学 の概要 1. 科目構成高等学校新学習指導要領 数学 の科目構成は, 次の通りです 標準単位数科目新課程現行課程数学 Ⅰ 3 3 数学 Ⅱ 4 4 数学 Ⅲ 3 5 数学 A 2 2 数学 B 2 2 数学 C 2 計 16 16 新課程では, 科目 数学 C が新設されました また, 現行課程の 数学活用 は, 科目としてはなくなりました ただし, 現行課程の 数学活用 に示されていた学習内容は, 数学 A 数学 B 数学 C に分割して引き継がれる形となりました 2. 数学 A, 数学 B, 数学 Cの履修形式 科目 数学 A 数学 B 数学 C については, 内容の取扱い として, 次のように示されていま す この科目は, 内容の⑴から⑶までの中から適宜 選択させるものとする 内容を選択して履修する形式で, 現行課程の 数 学 A 数学 B と同じ位置付けです なお, それぞ れの科目で示された内容 ⑴⑵⑶は, 次の通りです 数学 A ⑴ 図形の性質 ⑵ 場合の数と確率 ⑶ 数学と人間の活動 数学 B ⑴ 数列 ⑵ 統計的な推測 ⑶ 数学と社会生活 数学 C ⑴ ベクトル ⑵ 平面上の曲線と複素数平面 ⑶ 数学的な表現の工夫 3. 課題学習現行課程では, 数学 Ⅰ 数学 A に 課題学習 が設定されていました この 課題学習 が, 新課程では 数学 Ⅰ 数学 Ⅱ 数学 Ⅲ に設定されました 課題学習 ⑴から⑷までの内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどした課題を設け, 生徒の主体的な学習を促し, 数学のよさを認識させ, 学習意欲を含めた数学的に考える資質 能力を高めるようにする 新学習指導要領 数学 Ⅰ より ⑴ ⑷は 数と式, 図形と計量, 二次関数, データの分析 5

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2. 高等学校 数学 における各科目の変更点先にも述べたように, 新学習指導要領では, 各科目の学習内容が 知識及び技能 と 思考力 判断力 表現力等 に分けて整理されたことが, ポイントの 1 つとしてあげられます 以下に, 新学習指導要領の 数学 について, 第 1 款目標 と 第 2 款各科目 の 第 1 数学 Ⅰ の原文を転載し, 併せて現行課程からの主な変更点を付記しました 高等学校学習指導要領 数学 の原文 教科の目標, 数学 Ⅰ 第 1 款目標数学的な見方 考え方を働かせ, 数学的活動を通して, 数学的に考える資質 能力を次のとおり育成することを目指す ⑴ 数学における基本的な概念や原理 法則を体系的に理解するとともに, 事象を数学化したり, 数学的に解釈したり, 数学的に表現 処理したりする技能を身に付けるようにする ⑵ 数学を活用して事象を論理的に考察する力, 事象の本質や他の事象との関係を認識し統合的 発展的に考察する力, 数学的な表現を用いて事象を簡潔 明瞭 的確に表現する力を養う ⑶ 数学のよさを認識し積極的に数学を活用しようとする態度, 粘り強く考え数学的論拠に基づいて判断しようとする態度, 問題解決の過程を振り返って考察を深めたり, 評価 改善したりしようとする態度や創造性の基礎を養う 補足 ( 文科省の解説 ) 従来は 数学的な見方や考え方は学習を通して身に付ける ということを基本にしていたが, 今回の 数学的な見方 考え方 は 知識 技能 思考力 判断力 表現力 学びに向かう力や人間性等 を身に付けるときに働かせるもので, 従来と大筋は一緒だがニュアンスが少し異なる 第 2 款各科目第 1 数学 Ⅰ 1 目標数学的な見方 考え方を働かせ, 数学的活動を通して, 数学的に考える資質 能力を次のとおり育成することを目指す ⑴ 数と式, 図形と計量, 二次関数及びデータの分析についての基本的な概念や原理 法則を体系的に理解するとともに, 事象を数学化したり, 数学的に解釈したり, 数学的に表現 処理したりする技能を身に付けるようにする ⑵ 命題の条件や結論に着目し, 数や式を多面的にみたり目的に応じて適切に変形したりする力, 図形の構成要素間の関係に着目し, 図形の性質や計量について論理的に考察し表現する力, 関数関係に着目し, 事象を的確に表現してその特徴を表, 式, グラフを相互に関連付けて考察する力, 社会の事象などから設定した問題について, データの散らばりや変量間の関係などに着目し, 適切な手法を選択して分析を行い, 問題を解決したり, 解決の過程や結果を批判的に考察し判断したりする力を養う ⑶ 数学のよさを認識し数学を活用しようとする態度, 粘り強く考え数学的論拠に基づいて判断しようとする態度, 問題解決の過程を振り返って考察を深めたり, 評価 改善したりしようとする態度や創造性の基礎を養う 7

2 内 容 ⑴ 数と式 数と式について, 数学的活動を通して, 次の事項を身に付けること ができるよう指導する ア 次のような知識及び技能を身に付けること 数を実数まで拡張する意義を理解し, 簡単な無理数の四則計 算をすること 集合と命題に関する基本的な概念を理解すること 二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深めること 不等式の解の意味や不等式の性質について理解し, 一次不等 式の解を求めること イ 次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 集合の考えを用いて論理的に考察し, 簡単な命題を証明する こと 問題を解決する際に, 既に学習した計算の方法と関連付けて, 式を多面的に捉えたり目的に応じて適切に変形したりすること 不等式の性質を基に一次不等式を解く方法を考察すること 日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え, 一次不等式を問題解決に活用すること ⑵ 図形と計量図形と計量について, 数学的活動を通して, その有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する 新学習指導要領では, 大項目ご とに, 学習内容が ア知識及び技能 と イ思考力 判断力 表現力等 に分けて整理して示されている 現行の学習指導要領では, 例え ば, 数学 Ⅰの⑴の内容は, 次のように示されていた ⑴ 数と集合ア数と式 実数 集合 イ 式 式の展開と因数分解 一次不等式 新学習指導要領では, 日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え 等の文言が, 各所に示されている ア次のような知識及び技能を身に付けること 鋭角の三角比の意味と相互関係について理解すること 三角比を鈍角まで拡張する意義を理解し, 鋭角の三角比の値を用いて鈍角の三角比の値を求める方法を理解すること 正弦定理や余弦定理について三角形の決定条件や三平方の定理と関連付けて理解し, 三角形の辺の長さや角の大きさなどを求めること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 図形の構成要素間の関係を三角比を用いて表現するとともに, 定理や公式として導くこと 図形の構成要素間の関係に着目し, 日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え, 問題を解決したり, 解決の過程を振り返って事象の数学的な特徴や他の事象との関係を考察したりすること [ 用語 記号 ] 正弦,sin, 余弦,cos, 正接,tan 8

⑶ 二次関数二次関数について, 数学的活動を通して, その有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 二次関数の値の変化やグラフの特徴について理解すること 二次関数の最大値や最小値を求めること 二次方程式の解と二次関数のグラフとの関係について理解すること また, 二次不等式の解と二次関数のグラフとの関係について理解し, 二次関数のグラフを用いて二次不等式の解を求めること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 二次関数の式とグラフとの関係について, コンピュータなどの情報機器を用いてグラフをかくなどして多面的に考察すること 二つの数量の関係に着目し, 日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え, 問題を解決したり, 解決の過程を振り返って事象の数学的な特徴や他の事象との関係を考察したりすること 新学習指導要領では, コンピュータなどの情報機器の活用 について, 各所に示されている ⑷ データの分析データの分析について, 数学的活動を通して, その有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 分散, 標準偏差, 散布図及び相関係数の意味やその用い方を理解すること コンピュータなどの情報機器を用いるなどして, データを表やグラフに整理したり, 分散や標準偏差などの基本的な統計量を求めたりすること 具体的な事象において仮説検定の考え方を理解すること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること データの散らばり具合や傾向を数値化する方法を考察すること 目的に応じて複数の種類のデータを収集し, 適切な統計量やグラフ, 手法などを選択して分析を行い, データの傾向を把握して事象の特徴を表現すること 不確実な事象の起こりやすさに着目し, 主張の妥当性について, 実験などを通して判断したり, 批判的に考察したりすること 四分位範囲 箱ひげ図 は, 新課程では中学 2 年に移行した ⑷のアの で示された 仮説検定の考え方 は, 新課程で新しく追加された [ 用語 記号 ] 外れ値 新課程では,[ 用語 記号 ] とし て, 外れ値 が指定された 9

課題学習 ⑴から⑷までの内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどした課題を設け, 生徒の主体的な学習を促し, 数学のよさを認識させ, 学習意欲を含めた数学的に考える資質 能力を高めるようにする 新課程では, 課題学習 が数学 Ⅰ,Ⅱ,Ⅲに設定された 3 内容の取扱い ⑴ 内容の⑴から⑷までについては, 中学校数学科との関連を十分に考慮するものとする ⑵ 内容の⑴のアの については, 分数が有限小数や循環小数で表される仕組みを扱うものとする ⑶ 内容の⑵のアの については, 関連して 0,90,180 の三角比を扱うものとする ⑷ 課題学習については, それぞれの内容との関連を踏まえ, 学習効果を高めるよう指導計画に適切に位置付けるものとする 数学 Ⅰの内容 ⑴⑵⑶⑷は, 中学の学習領域 A 数と式 B 図形 C 関数 D データの活用 とも対応している 内容の取扱い⑵に示された内容は, 現行課程の数学 A 整数の性質 に示されていた内容の一部である 10

新学習指導要領では, 数学 Ⅰ 以外の科目についても, その学習内容は, 知識及び技能 と 思考力 判断力 表現力等 に分けて整理した形で示されています 以下では, 新学習指導要領の各科目の内容 ( 大項目 ) と, 現行課程からの主な変更点についてまとめました 数学 Ⅰ ( 標準単位 3) ⑴ 数と式 ⑵ 図形と計量 ⑶ 二次関数 ⑷ データの分析 課題学習 大項目 ⑴⑵⑶⑷は, 現行課程の数学 Ⅰと同じ ⑴において, 分数が有限小数や循環小数で表される仕組みを扱うものとする と示されている 現行課程では, 数学 A 整数の性質 で扱うこととされていた内容が移行した ⑷について, 四分位範囲 箱ひげ図 は中学 2 年に移行した ⑷において, 具体的な事象において仮説検定の考え方を理解すること と示されている ⑷の[ 用語 記号 ] として, 外れ値 が追加された 数学 Ⅱ ( 標準単位 4) ⑴ いろいろな式 ⑵ 図形と方程式 ⑶ 指数関数 対数関数 ⑷ 三角関数 ⑸ 微分 積分の考え 課題学習 大項目 ⑴⑵⑶⑷⑸は, 現行課程の数学 Ⅱと同じ [ 用語 記号 ] として,⑴に 二項定理,⑶ に 常用対数 が追加された ただし, 二項定理, 常用対数は現行課程でも扱う内容として指定されていたため, 大きな変更点ではない 数学 Ⅱに 課題学習 が設定された 数学 Ⅲ ( 標準単位 3) ⑴ 極限 ⑵ 微分法 ⑶ 積分法 課題学習 現行課程の数学 Ⅲから 平面上の曲線と複素数平面 ( 式と曲線, 複素数平面 ) を除いた内容で構成されている 分数関数や無理関数やそのグラフも, 現行通り数学 Ⅲで扱われる 現行課程の数学 Ⅲの 平面上の曲線と複素数平面 は, 数学 Cへ移行した ⑵において,[ 用語 記号 ] から 第二次導関数 が削除された ただし, 扱う内容には第二次導関数も示されており, 大きな変更点ではない 数学 Ⅲに 課題学習 が設定された 11

数学 A ( 標準単位 2) 内容の⑶は学習指導要領の原文 ⑴ 図形の性質 ⑵ 場合の数と確率 ⑶ 数学と人間の活動数学と人間の活動について, 数学的活動を通して, それらを数理的に考察することの有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 数量や図形に関する概念などと人間の活動との関わりについて理解すること 数学史的な話題, 数理的なゲームやパズルなどを通して, 数学と文化との関わりについての理解を深めること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 数量や図形に関する概念などを, 関心に基づいて発展させ考察すること パズルなどに数学的な要素を見いだし, 目的に応じて数学を活用して考察すること 数学 Aは, 内容の⑴から⑶までの中から適宜選択して履修させる科目 整数の性質 は大項目としては扱われなくなった ただし, 数学 Ⅰの⑴において, 分数が有限小数や循環小数で表される仕組みを扱うものとする と示されている また, 数学 Aの⑶のアにおいて, 整数の約数や倍数, ユークリッドの互除法や二進法などについても扱うものとする と示されている ⑵において, 期待値 を扱うこととなった ⑵において, 論理的な確率及び頻度確率を扱うものとする と示されている ⑶は, 現行課程の数学活用に示されていた内容 ( の一部 ) を引き継いでいる ⑶のアにおいて, 平面や空間において点の位置を表す座標の考え方などについても扱うものとする と示されている 数学 B ( 標準単位 2) 内容の⑶は学習指導要領の原文 ⑴ 数列 ⑵ 統計的な推測 ⑶ 数学と社会生活数学と社会生活について, 数学的活動を通して, それらを数理的に考察することの有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 社会生活などにおける問題を, 数学を活用して解決する意義について理解すること 日常の事象や社会の事象などを数学化し, 数理的に問題を解決する方法を知ること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 日常の事象や社会の事象において, 数 量 形やそれらの関係に着目し, 理想化したり単純化したりして, 問題を数学的に表現すること 数学化した問題の特徴を見いだし, 解決すること 問題解決の過程や結果の妥当性について批判的に考察すること 解決過程を振り返り, そこで用いた方法を一般化して, 他の事象に活用すること 数学 B は, 内容の⑴から⑶までの中から適宜選択して履修させる科目 現行課程の数学 B の ベクトル は, 数学 C へ移行した ⑵において, 正規分布を用いた区間推定及び仮説検定の方法を理解すること と示されている 12

⑵の[ 用語 記号 ] として, 信頼区間 有意水準 が追加された なお, 信頼区間は現行課程の教科書でも扱われている内容である ⑶は, 現行課程の数学活用に示されていた内容 ( の一部 ) を引き継いでいる ⑶のアにおいて, 散布図に表したデータを関数とみなして処理することも扱うものとする と示されている 数学 C ( 標準単位 2) 内容の⑶は学習指導要領の原文 ⑴ ベクトル ⑵ 平面上の曲線と複素数平面 ⑶ 数学的な表現の工夫数学的な表現の工夫について, 数学的活動を通して, その有用性を認識するとともに, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 日常の事象や社会の事象などを, 図, 表, 統計グラフなどを用いて工夫して表現することの意義を理解すること 日常の事象や社会の事象などを, 離散グラフや行列を用いて工夫して表現することの意義を理解すること イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 図, 表, 統計グラフ, 離散グラフ及び行列などを用いて, 日常の事象や社会の事象などを数学的に表現し, 考察すること 数学 Cは, 内容の⑴から⑶までの中から適宜選択して履修させる科目 現行課程の数学 B の ベクトル, 現行課程の数学 Ⅲの 平面上の曲線と複素数平面 ( 式と曲線, 複素数平面 ) が, 数学 Cへ移行した ⑶は, 現行課程の 数学活用 に示されていた内容 ( の一部 ) を引き継いでいる 13

3. 中学校 数学 における各学年の変更点 1. 内容の移行中学校数学科の学習内容は, 以下のように移行します なお, 各学年の単位数に増減はありません 中学校の各学年は, 4 つの領域 A 数と式 B 図形 C 関数 D データの活用 で構成されている 中学 1 年 A 数と式 小学 5 年から, 素数に関する記述が削除され, 素数 という用語は中学 1 年で取り扱うことになった 素因数分解 が中学 3 年から中学 1 年に移行した ただし, 因数 という用語は中学 3 年のままになっている D データの活用 代表値 の内容が中学 1 年から小学 6 年に移行した 関連して, 平均値, 中央値, 最頻値, 階級 という 4 つの用語が小学 6 年に移行した 累積度数 という用語が中学 1 年に新しく追加された 統計的確率 ( 多数の観察や多数回の試行によって得られる確率 ) が中学 2 年から中学 1 年に移行した 誤差や近似値,a 10 の形の表現 が中学 1 年から中学 3 年に移行した 中学 2 年 B 図形 主に高等学校数学 Ⅰで学んでいた 反例 という用語を中学 2 年で取り扱うことになった D データの活用 四分位範囲, 箱ひげ図 が高等学校数学 Ⅰから中学 2 年に移行した 統計的確率 ( 多数の観察や多数回の試行によって得られる確率 ) が中学 2 年から中学 1 年に移行した 中学 3 年 A 数と式 素因数分解 が中学 3 年から中学 1 年に移行した D データの活用 誤差や近似値,a 10 の形の表現 が中学 1 年から中学 3 年に移行した 14

資料. 高等学校 理数 における各科目の目標と内容 1. 理数探究基礎 1 1. 目標様々な事象に関わり, 数学的な見方 考え方や理科の見方 考え方を組み合わせるなどして働かせ, 探究の過程を通して, 課題を解決するために必要な基本的な資質 能力を次のとおり育成することを目指す ⑴ 探究するために必要な基本的な知識及び技能を身に付けるようにする ⑵ 多角的, 複合的に事象を捉え, 課題を解決するための基本的な力を養う ⑶ 様々な事象や課題に知的好奇心をもって向き合い, 粘り強く考え行動し, 課題の解決に向けて挑戦しようとする態度を養う 1 2. 内容様々な事象についての探究の過程を通して, 次の事項を身に付けることができるよう指導する ア次のような知識及び技能を身に付けること 探究の意義についての理解 探究の過程についての理解 研究倫理についての理解 観察, 実験, 調査等についての基本的な技能 事象を分析するための基本的な技能 探究した結果をまとめ, 発表するための基本的な技能イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 課題を設定するための基礎的な力 数学的な手法や科学的な手法などを用いて, 探究の過程を遂行する力 探究した結果をまとめ, 適切に表現する力 2. 理数探究 2 1. 目標 様々な事象に関わり, 数学的な見方 考え方や理 科の見方 考え方を組み合わせるなどして働かせ, 探究の過程を通して, 課題を解決するために必要な 資質 能力を次のとおり育成することを目指す ⑴ ⑵ ⑶ 対象とする事象について探究するために必要な 知識及び技能を身に付けるようにする 多角的, 複合的に事象を捉え, 数学や理科など に関する課題を設定して探究し, 課題を解決する力を養うとともに創造的な力を高める 様々な事象や課題に主体的に向き合い, 粘り強 く考え行動し, 課題の解決や新たな価値の創造に向けて積極的に挑戦しようとする態度, 探究の過程を振り返って評価 改善しようとする態度及び倫理的な態度を養う 2 2. 内容 様々な事象について, 主体的に課題を設定し探究 の過程を通して, 次の事項を身に付けることができ るよう指導する ア 次のような知識及び技能を身に付けること 探究の意義についての理解 探究の過程についての理解 研究倫理についての理解 観察, 実験, 調査等についての技能 事象を分析するための技能 探究の成果などをまとめ, 発表するための技能イ次のような思考力, 判断力, 表現力等を身に付けること 多角的, 複合的に事象を捉え, 課題を設定する力 数学的な手法や科学的な手法などを用いて, 探究の過程を遂行する力 探究の過程を整理し, 成果などを適切に表現する力 授業時数等に関して ( 総則より ): 理数の 理数探究基礎 又は 理数探究 の履修により, 総合的な探究の時間の履修と同様の成果が期待できる場合においては, 理数探究基礎 又は 理数探究 の履修をもって総合的な探究の時間の履修の一部又は全部に替えることができる 15