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30 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 総説 看護アセスメント能力の概念分析 * 足利大学看護学部 * 川島美佐子 ** 岡美智代 ** 群馬大学大学院保健学科研究科 *** 上星浩子 *** 群馬ハ ース大学保健科学部看護学科 Concept Analysis of Nursing Assessment Competency Misako Kawashima * Michiyo Oka ** Joboshi Hiroko *** * Ashikaga University,Faculty of Nursing ** Gunma University,Graduate School of Health Sciences *** Gunma Paz University,School of Nursing,Faculty of Health Science Abstract [Object] The aim of the research is to analyze the concept of nursing assessment competency. [Methods] To examine the recognition and use of the concept of nursing assessment competency in Japan,we conducted web searches using the Ichushi Web database,only targeting Japanese research papers. We narrowed our searches by limiting targets to original articles,but we did not limit the year of publication. With the keyword nursing assessment competency,9 papers were identified,1 of which did not contain descriptions of assessment. With nursing assessment and nurses and skills,350 papers were identified. Excluding those containing the term nursing students or physical assessment in their titles, we reviewed the abstracts of the remaining papers,and finally included 48 papers containing descriptions of nursing assessment. We examined these papers through concept analysis,adopting Rodgers approach to classify descriptions representing attributes,antecedents,consequences,and related concepts using a coding sheet. [Results] The following components were identified as demonstrative of nursing assessment ability. Antecedent: Wealth of knowledge and meaningful experience possessed by nurses,attributes: Skills to validate information through the process of nursing, Skills to collect information in a systematic, constant,and effective way, Skills to repeatedly check and assess whether the information is useful, Skills to identify clues and make inferences, Skills to express inferences,consequences: appropriate nursing practice, appropriate nursing diagnosis, Ripple effects on Nurses. [Conclusions] From the results of the above analysis,nursing assessment competency was defined as skills to validate,collect,and repeatedly check and assess information through the nursing process,and express thoughts resulting in inferences,effectively using expertise and past experiences. Based on the obtained results,interviews will be conducted involving clinical nurses to analyze their nursing assessment competency using a qualitative approach. 要旨 本研究の目的は, 看護アセスメント能力を Rodgers 法により概念分析することである 方法は, わが国における看護アセスメント能力という概念がどのように認識され, 活用されているかを分析するため和文献のみとした 医中誌 Web で検索しキーワードは 看護アセスメント能力 として, 原著論文を検索した その結果, 9 件のみがヒットしたが, そのうち1 件はアセスメントの意味内容の記述がなかった 続いて, 看護アセスメント and 看護師 and 能力 として, 原著論文を検索した結果,350 件がヒットした 論文タイトルに 看護学生 フィジカルアセスメント があげられている文献を除外し, 抄録を精読し, 看護アセスメントの意味内容の記述されていた文献 48 件を対象とした 結果, 属性 プロセスのなかで検証していく力がある 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながら見きわめる

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 31 力がある 手がかり情報を特定し, 推論する力がある 推論したことを表現する力がある, 先行要件 看護者の豊富な知識と意味のある経験, 帰結 適切な看護実践 適切な看護診断 看護者への波及効果 が抽出された 看護アセスメント能力の定義は, 専門的知識や過去の経験を有効活用しながら 対象の情報をプロセスの中で繰り返し, 収集し, 見きわめ, 推論したことを表現する能力である とした キーワード概念分析看護アセスメント能力看護実践 concept analysis nursing assessment competency nursing practice Ⅰ. 序論 目標を達成するための科学的な問題解決技法を応用 アセスメントという言葉は看護で頻繁に使用して おり, 広辞苑によれば 評価 査定 見積もり と意味されている しかし, アセスメントという言葉は看護以外でも使用しており, 代表的な関連用語には 環境アセスメント がある 環境アセスメントは, 大規模開発事業等による環境への影響を, ある一定期間, 法令や環境基準に基づいた客観的な事実判断により予測 査定することをさす 看護領域におけるアセスメントは, 問題解決アプローチによる看護過程の構成要素のひとつとして看護教育 看護実践のなかで広く用いられてきた概念である 患者を査定する と表現するよりも, 患者をアセスメントする と用いた方が看護者にとって, しっくりと定着した外来語といえよう 看護アセスメント能力を論じる前に看護アセスメントの定義について整理する アメリカ看護協会は, Standards of Clinical Nursing Practice 1) の中で, 看護実践の範囲と基準の冒頭でアセスメントについて 看護師は, 患者の健康あるいは状況に関連する総合的なデータを収集する と定義している また, 日本看護科学学会看護学学術用語検討委員会の 看護学を構成する重要な用語集 2) によれば, アセスメントは, 看護過程の最初の段階と位置づけられ 情報の収集 分析 集約 解釈のプロセスであり, 看護の対象となる人々に最適な看護を提供する上で 2) 重要な段階である としている さらに看護過程とは 看護の知識体系と経験に基づいて, 人々の健 した思考の筋道 と述べられている すなわち, 看護領域におけるアセスメントは, 看護過程の構成要素と対人的援助関係の思考の筋道という 2 つの要素を前提とした概念であることがわかる 看護アセスメントが看護過程の最初の段階として位置づけられているものの, 看護過程は看護者が対象となる人々への看護を実践する道具にすぎないという点を強調しておきたい 現代の医療は効率化を推進するために, コンピュータシステムが導入され, 看護診断サポートシステムの併用 3) も行われている クリティカルハ スや標準看護計画の活用がしやすくなった反面, 看護アセスメントが十分に機能しなくても看護過程が展開される現実も否めない 看護過程という思考の道具の良し悪しではなく, 実践を軸とする看護においては質の高い創造的な看護実践を成し遂げられるかが重要である アセスメントには, 現象を客観的にとらえる能力, 知識や経験を活用しながらその意味 原因を探求する能力 予測する能力, 統合する能力などが必要である 2) とされ 能力が必要であることが強調されている 臨床で繰り広げられる複雑で不確かな流動性のある状況を見極め, 査定しながら実践を展開する看護アセスメントには, 能力 についても合わせて考える必要があるといえる したがって, 看護アセスメント能力の概念を明らかにすることは, 今後の看護教育や看護実践の質の基準を明らかにすることにつながると考える 康上の問題を見極め, 最適かつ個別的な看護を提供 するための組織的 系統的な看護実践の一つ であり, 対人的援助関係の過程を基盤として, 看護の Ⅱ. 目的本研究の目的は, 臨床看護に関する先行研究をも

32 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 とに 概念分析の手法を用いて 看護アセスメント能力の構成要素ならびに定義を明らかにすることである Ⅲ. 研究方法わが国の看護領域における概念分析のアプローチ方法は,Walker & Avant と Rodgers 4) が代表的である 濱田 5) は,Walker & Avant と Rodgers のアプローチ方法の類似点は, 概念を選択し, 選択した概念の属性や特性, 先行要件や帰結, モデルケースを明らかにする点であると述べている しかし,Walker & Avant は, 辞書やシソーランス, 文献等のできるだけ多くの異なる例を調べていく中で概念を定義づけていく特徴がある 一方,Rodgers は, 生きた世界における概念に類似した例と経験に適応でき得る 本当の (real) 定義に言及するという違いがある さらに Rodgers は, 概念は開発されるものであり, 時代, 社会において, 用いる者 場所 状況によって常に差異 変化 拡大し, 時間の経過のなかで使われ, 適用され, 再評価され, 洗練される 6) と述べている 分析方法は,1 関心のある概念を明らかにする 2どの分野での概念分析のためのデータ収集をするのが適切なのか明らかにし分野を選択する 3データを収集する 4 概念を分析する ( 概念の定義, 先行要件, 帰結, 関連する用語 )5 概念の用いられ方の典型例を示すことである また, 概念がすでに知られ, 定義, 明確化は行われているが, 次のレベルの開発にすすめるために分析を必要としている場合に用いられるという特徴がある 本研究においても, 実践という流動性のなかで実存する看護アセスメント能力の概念を明らかし, 将来的には測定用具の開発を目指している したがって, その前段階となる概念分析のアプローチに Rodgers の手法を用いることが妥当であると判断した 1. データの収集方法本研究では, わが国の臨床において看護アセスメント能力という概念がどのように認識され, 活用されているかを分析するため和文献のみを対象とする 検索ツールは, 医学中央雑誌 Web を活用し, キーワードは, 看護アセスメント能力 として 原著論文を検索した 発行年の指定はしなかった その結果 9 件のみがヒットしたが そのうち 1 件はアセスメントの意味内容の記述がなかった 8 件では文献が少ないため, 続いて 看護アセスメント and 看護師 and 能力 で原著論文を検索した結果, 350 件がヒットした 論文タイトルに 看護学生 フィジカルアセスメント が挙げられている文献を除外し, 抄録を精読し, 看護アセスメントの意味内容が記述されていた文献 48 件を分析対象とした 2. データの分析対象となる文献を精読し,Rodgers の概念分析アプローチ法により, 属性, 先行要件, 帰結, 関連概念の意味内容をコーディングシートにまとめ, それぞれを抽出した 抽出した内容は 3 名の研究者が独立して確認し, 妥当性の担保に努めた Ⅳ. 結果分析の結果,5つの属性,1 つの先行要件,2 つの帰結が明らかとなった 以下, カテゴリは, サブカテゴリ, コード で示し説明する 1. 定義看護アセスメント能力について定義されていた論文は 5 件であった 定義は, その患者にとって看護上必要な情報を選択できること, また, 情報を分析して看護問題を判断し抽出できる力 7)8)9), 対象の生理的, 心理 社会的全体から, 看護上必要な情報を収集し, その情報を分析し判断して, 看護診断を導くプロセスであり, 介入に結びつく 10), 看護の問題を抽出する能力で, 知的, 対人的, 手技的, 認知的技能とあいまいさに対する耐性の統合された能力 11) であった 2. 概念分析 (1) 属性 ( 表 1) 1) プロセスのなかで検証していく力がある このカテゴリは, 時間的経過, 患者 看護者関係, 看護者の思考といったプロセスにおける看護者の看護実践と同時に行われる認識を表していた 時間的経過を視野にいれた知的作業 は, 繰り返す 12)14)15), 継続する, 時間的経過のなか経時的に行う 12)17)18) との記述から抽出された 実践のプロセスに則した知的作業 は, 日常的

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 33 プロセスのなかで検証していく力がある 表 1 看護アセスメント能力の属性 カテゴリサブカテゴリコード文献繰り返す高橋ら 12), 小林ら 14), 押木ら 15) 時間的経過を 継続する視野にいれた知的作業高橋ら 12),, 山﨑 藤森 17), 時間的経過のなか経時的に行う照屋ら 18) 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある 実践のプロセスに即した知的作業 看護者の思考における知的作業 必要な基礎情報を収集する 情報を包括的に収集する 必要情報を継続的に収集する 目的意識をもって情報を収集する 日常的看護実践のなかで行う, 野田ら 22) 患者が訴えやすい余裕のある態度をもつ, 野田ら 22) 看護実践と同時に行われる思考のプロセスを踏む 高橋ら 12), 照屋ら 18) 決定 棄却 保留 中断のプロセスを 19) 倉島踏む 思考のステップを丁寧に踏む 大島ら 7), 大島ら 8) 見通しをもって今を判断していく 20) 田島 山田 患者の身体的 精神的 社会的側面 黒坂 9), 高橋ら 12), 渡邉, 貝久 24) 保 経済状態 野田ら 22) セルフケア能力 20) 田嶋, 山田 疾患 生活への患者の認識 田嶋 山田 23), 久米 真鍋 患者の希望 家族関係 照屋ら 18), 渡邉, 野田ら 22) 倫理面 21) 渡邉 既存のデータベースやアセスメントツールを活用するガイドラインを活用する 17), 山﨑 藤森 21) 渡邉 看護の枠組みを活用する 松本, 高橋, 佐伯ら 26), 米重 35) 森 全人的, 多角的, 全体的に情報を得る 大島ら 8), 黒坂ら 9),, 福良ら 25), 佐伯, 主観的データ, 客観的データを収集する 佐伯ら 26) 看護歴, データベースやアセスメントツールを活用する, 佐伯ら 26), 大木ら 27), 近 28) 藤 プロトコルを活用する 照屋ら 18) 見落とすことなく, スクリーニングをする患者の状態を頭の先から足先まで順に把握する始業後できるだけ早く行うモニターや機器を使い, 優先性の高い身体的情報の経過をみる意図的に情報を収集する知識に基づき患者の表情や話しぶり, 目の動き等の反応と行動をみる発達や理解度に応じた収集の方法を使い分けるモニターや記録から得た情報を過信することなく五感を使って観察する出現頻度の高い症状や徴候を選択し観察する 17) 山﨑 藤森, 照屋ら 18) 19) 倉島 33) 富川, 渡邉 21), 大木ら 27)

34 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 カテゴリ サブカテゴリ コード 文献 日々の患者とのコミュニケーションを深める 野田ら 22) 患者の思いや不安を傾聴する野田ら 22) 情報を得るために患者に向患者の内面に目を向ける上原ら 34) き合う 患者のことを何とかしたいと思う 20) 田嶋, 山田 患者に関心を寄せる 林ら 39) 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながら見きわめる力がある 患者の変化に気づく 問題となる情報を確認する 情報の不足はないか確認する 矛盾するデータの意味を探る 情報を取捨選択する 患者の自立を拡大したいと願う林ら 39) 患者の微妙な非言語的サインを察知する今までとは違う 通常とは違う感覚を見逃さない患者の変化に目を向ける普段とちがう患者に生じる違和感を大事にする何か変だ, 何かおかしいとキャッチする異変を推測する異常を判断する身体的要因だけでなく, 患者の背景や家族問題, 経済問題の検討を十分に行ういまの患者像を頭の中で描きながら, 普段の患者像と比較しながら確認する問題となる情報はどれか確認しながら考える断片的な情報から重要性を判断する情報の不足はないか考えを巡らす追加の情報を得るスクリーニングした内容を再度, 確認するどのような兆候や症状があるかを再確認する患者の訴えや徴候を裏付けるために患者の行動に着眼する患者と家族の認識や希望のズレはないか確認する検査結果とその症状を照合する医師の記録を読みとる 長谷川 亀井 13), 長谷川 亀井 13), 照屋ら 18) 鈴木 城丸 38), 倉橋ら 40) 照屋ら 18) 41), 中野 川村 照屋ら 18), 大木ら 27) 51), 袴田 大木ら 27) 41), 中野 川村, 岩田ら 42) 野田ら 22) 32), 歳森 勝木 照屋ら 18) 福良ら 25) 42) 岩田 福良ら 25), 月田 49), 硯川ら 50) 高橋 12), 中野, 川村 41) 49), 月田 押木ら 15) 渡邉 21), 大木ら 27) 照屋ら 18) 21) 渡邉 17) 山﨑, 藤森 急変の可能性を補強する 照屋ら 18) 自分の直感と経験的知識を照らし合わせる 照屋ら 18) 病態生理学, 疾患にかかわる知識を補完するために調べる困ることの段階にすすむことで矛盾するデータの存在を知る 大島ら 7) 類似したハ ターンを見きわめる 岩田ら 42) 情報をふるい分け, 取捨選択する 黒坂ら 9), 石塚ら 43) あらゆる生活場面から患者の能力を推測する 林ら 39) 看護介入につながるか確認する 小林ら 14)

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 35 カテゴリ サブカテゴリ コード 文献 点である情報が後に有力情報となることを念頭におく 高橋ら 12) 表面に見えないものを感じとる 倉橋ら 40) 手がかり情報を特定し 推論する力がある 推論したことを表現する力がある 手がかり情報を俯瞰する 手がかりを特定し焦点化する 看護の大まかな方向性を表現する 同僚やチームと討議する 視野を広げる 倉橋ら 40) ひとりよがりではないか確認する 48) 嘉藤, 原 自分の判断結果が独断にならないように再考する, 佐伯ら 26) 中間的な判断をする黒坂 9) 47), 井手 手がかり情報を確認する患者の強みや長所を加味する 患者の問題点あるいは看護診断につながる仮説をたてる手がかりの原因 関連要因を明らかにする手がかりを強調する推理する意図をもち解釈する解釈は関連知識と照合する焦点化する推論する 45) 本田 田島 山田 20), 上原ら 34) 19) 倉島 大島ら 8), 大島 19) 倉島 45) 本田 10), 長谷川 亀井 13), 小林 14), 富川 33), 井手 47) 49), 月田歳森, 勝木 32) 41), 中野 川村 看護問題を抽出する 大島ら 7), 大島ら 8), 黒坂ら 9), 月 44) 田 看護診断を明確にする 大島, 高橋ら 12), 歳森, 勝木, 井手 53), 栗原 具体的で合理的に記録する 秋山ら 29) ディスカッションで方向性を確認する同僚や先輩からのアドバイスをうける他の保健医療チームメンバーと討議する短時間で効果的なカンファレンスをするチームで考える 高橋 山本 44) 54), 高橋咲 38), 鈴木, 城丸 54), 高橋咲 野田ら 22) 48) 嘉藤 原

36 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 看護者の豊富な知識と意味のある経験 表 2 看護アセスメント能力の先行要件 カテゴリ サブカテゴリ コード 文献 看護学, 医学, 薬学, 行動科学系の知, 田嶋 山田, 富川, 高橋 知識を十分に 識をもつ 山本, 月田, 袴田, 栗原ら 53) 兼ね備える 経験したことを振り返り活かす 知識の獲得にとどまるのではなく, 活用できるスキルを身につける 単に経験年数を重ねるのではない 学会, 研修会, トレーニングが有効である先輩看護師からのフィードバックを受ける 35) 米重 森 大島 7), 松本 11), 福良ら 25), 鈴木 城丸 38) 54), 高橋咲松本 11), 押木 15), 貝久保ら 24), 上原 34), 月田 49), 硯川ら 50) 53), 栗原 小林ら 14) 理論的知識と実践的知識を駆使する芝田ら 46) 看護実践のなかで行う 22), 患者が訴えやすい余裕のある態度をもつ 22), 看護実践と同時進行で行われる思考のプロセスを踏む 12)18) との記述から抽出された 看護者の思考における知的作業 は, 決定 棄却 保留 中断のプロセスを踏む 19), 思考のステップを丁寧に踏む 7)8), 見通しをもって今を判断していく 20) との記述から抽出された 2 ) 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある このカテゴリは, 情報収集の内容と方法を表していた 必要な基礎情報を収集する は, 患者の身体的 精神的 社会的側面 9)12)21)24), 経済状態 22), セルフケア能力 20) 疾患 生活への患者の認識, 20)23), 患者の希望 家族関係 18)21)22) 倫理面, 21) 既存のデー, タベースやアセスメントツールを活用する 17), ガイドラインを活用する 21) との記述から抽出された 情報を包括的に収集する は, 看護の枠組みを活用する 11)12)26)35), 全人的, 多角的, 全体的に情報を得る 8)9)25)26), 主観的データ, 客観的データを収集する 26), 看護歴, データベースやアセスメントツールを活用する 26)27)28), プロトコルを活用する 18), 見落とすことなく, スクリーニングをする 17), 患者の状態を頭の先から足先まで順に把握する 18) との記述から抽出された 必要情報を継続的に収集する は, 始業後できるだけ早く行う, モニターや機器を使い, 優先性の高い身体的情報の経過をみる との記述から 抽出された 目的意識をもって情報を収集する は, 意図的に情報を収集する 19), 知識に基づき患者の表情や話しぶり, 目の動き等の反応と行動をみる, 発達や理解度に応じた収集の方法を使い分ける 33), モニターや記録から得た情報を過信することなく五感を使って観察する, 出現頻度の高い症状や徴候を選択し観察する 21)27) との記述から抽出された 情報を得るために患者と向き合う は, 日々の患者とのコミュニケーションを深める 22), 患者の思いや不安を傾聴する 22), 患者の内面に目を向ける 34), さらに, 患者のことを何とかしたいと思う 20), 患者に関心を寄せる 39), 患者の自立を拡大したいと願う 39) との記述から抽出された 患者の変化に気づく は, 患者の微妙な非言語的サインを察知する 13), 今までとは違う 通常とは違う感覚を見逃さない 13)18), 患者の変化に目を向ける 38)40), 普段とちがう患者に生じる違和感を大事にする 18)41), 何か変だ, 何かおかしいとキャッチする 18)27)51), 異変を推測する 27)41), 異常を判断する 42) との記述から抽出された 3 ) 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながら見きわめる力がある このカテゴリは, 患者にとって有効な情報かどうかを吟味し, 見きわめるといった看護者の認識と行動を表していた 問題となる情報を確認する は, 身体的要因だけでなく, 患者の背景や家族問題, 経済問題の検討

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 37 を十分に行う 22)32), いまの患者像を頭の中で描きながら, 普段の患者像と比較しながら確認する 18) との記述から抽出された 情報の不足はないか確認する は, 問題となる情報はどれか確認しながら考える 25), 断片的な情報から重要性を判断する 42), 情報の不足はないか考えを巡らす 25)49)50), 追加の情報を得る 12)41)49), スクリーニングした内容を再度, 確認する 15), との記述から抽出された 矛盾するデータの意味を探る は, どのような兆候や症状があるかを再確認する 21)27), 患者の訴えや徴候を裏付けるために患者の行動に着眼する 18), 患者と家族の認識や希望のズレはないか確認する 21), 検査結果とその症状を照合する, 医師の記録を読みとる 17), 急変の可能性を補強する 18), 自分の直感と経験的知識を照らし合わせる 18), 病態生理学, 疾患にかかわる知識を補完するために調べる, 困ることの段階にすすむことで矛盾するデータの存在を知る 7), 類似したハ ターンを見きわめる 42) との記述から抽出された 情報を取捨選択する は, 情報をふるい分け, 取捨選択する 9)43), あらゆる生活場面から患者の能力を推測する 39), 看護介入につながるか確認する 14) との記述から抽出された 4) 手がかり情報を特定し 推論する力がある このカテゴリは, 手がかりとなる情報を特定するために, 知識や患者の思い, 強みを強調し, 次のケアにつなげていく看護者の認識を表していた 手がかり情報を俯瞰する は, 点である情報が後に有力情報となることを念頭におく 12), 表面に見えないものを感じとる 40), 視野を広げる 40), ひとりよがりではないか確認する 48), 自分の判断結果が独断にならないように再考する 26), 中間的な判断をする 9)47) との記述から抽出された 手がかりを特定し焦点化する は, 手がかり情報を確認する 45), 患者の強みや長所を加味する 20)34), 患者の問題点あるいは看護診断につながる仮説をたてる 19), 手がかりの原因 関連要因を明らかにする 8)10)13)19), 手がかりを強調する 45), 推理する意図をもち解釈する 14), 解釈は関連知識と照合する 33)47)49), 焦点化する 32)41), 推論 する との記述から抽出された 5) 推論したことを表現する力がある このカテゴリは, 推論したことを言語化し, 記録する, 同僚と討議するといった看護者の行動を表していた 看護の大まかな方向性を表現する は, 看護問題を抽出する 7)8)9)44), 看護診断を明確にする 10)12)32)47)53), 具体的で合理的に記録する 29), ディスカッションで方向性を確認する 44)54) との記述から抽出された 同僚やチームと討議する は, 同僚や先輩からのアドバイスをうける 38), 他の保健医療チームメンバーと討議する 54), 短時間で効果的なカンファレンスをする 22), チームで考える 48) との記述から抽出された (2) 先行要件 ( 表 2) 看護アセスメント能力の先行要件は, 看護者の豊富な知識と意味のある経験 であった 1) 看護者の豊富な知識と意味のある経験 このカテゴリは, 看護の十分な知識と経験を持ち合わせ, それらを活用 向上できるといった素養を表していた 知識を十分に兼ね備える は, 看護学, 医学, 薬学, 行動科学系の知識をもつ 20)33)44)49)51)53), 知識の獲得にとどまるのではなく, 活用できるスキルを身につける 35) との記述から抽出された 経験したことを振り返り活かす は, 単に経験年数を重ねるのではない 7)11)25)38)54), 学会, 研修会, トレーニングが有効である 11)15)24)34)49)50)53), 先輩看護師からのフィードバックをうける 14), 理論的知識と実践的知識を駆使する 46) との記述から抽出された (3) 帰結 ( 表 3) 看護アセスメント能力の帰結は, 適切な看護実践 適切な看護診断 看護者への波及効果 の 3つであった 1) 適切な看護実践 緊急事態や優先性への対応 は, 生命危機 17), 救急 18)32)41)42), 手術室 44)52), 優先順位を判断する 9) との記述から抽出された 複雑で個別性を要求される状況への対応 は,

38 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 表 3 看護アセスメント能力の帰結 カテゴリ サブカテゴリ コード 文献 生命危機 17) 山﨑, 藤森, 照屋ら 18), 歳森 勝木緊急事態や優救急中野 川村, 岩田ら 42) 先性への対応手術室高橋 山本 52), 濱中 優先順位を判断する 黒坂, せん妄 長谷川 亀井, 大木ら 27), 黒田ら 31), 鈴木 城丸, 袴田ら 51) 身体拘束 近藤 36), 高柳 泉 適切な看護田嶋 山田, 久米 真鍋, 上実践精神疾患原ら 34), 倉橋ら 40) 47), 井手 複雑で個別性 子どもの痛みや対処能力 佐藤ら 30) 33), 富川 を要求される高齢者高柳 泉, 柳瀬ら 37), 林ら 39) 状況への対応 48) 認知機能障害嘉藤, 原 嚥下障害 栗原ら 53) 適切な看護診断 看護者への波及効果 現にある, 予測される適切な看護診断 看護者の判断力の向上 看護者の自信獲得や成長 褥瘡 秋山ら 29) 終末期 21) 渡邉 退院支援 押木ら 15) 22), 野田 大島ら 7), 大島ら 8), 黒坂ら 9), 大 適切な看護問題 診断 島, 高橋, 倉島, 米重, 森 現にある, また予測される患者の健康問題 石塚ら 43) 判断の基準の統一 柳瀬ら 37) 確実で合理的な判断の強化 大木ら 27) 結果に対する見通し 大木ら 27) 問題志向に偏らない患者のとらえ方 上原ら 34) ニーズを実感し仕事への満足が高まる 佐伯ら 26) 感性, 探求心, 表現力が身につく 秋山ら 29) 49), 月田 自信 プライド 安定性をもてる 大木ら 27), 硯川ら 50) 32), 35), せん妄 13)27)31)38)51), 身体拘束 28)36), 精神疾患 20)23)34)40)47), 子どもの痛みや対処能力 30)33), 高齢者 36)37)39), 認知機能障害 48), 嚥下障害 53), 褥瘡 29), 終末期 21), 退院支援 15)22) との記述から抽出された 2) 適切な看護診断 現にある, 予測される適切な看護診断 は, 適切な看護問題 診断 7)8)9)10)12)19)35)43), 現にある, また予測される患者の健康問題 との記述から抽出された 3) 看護者への波及効果 看護者の判断力の向上 は, 判断の基準の統一 37), 確実で合理的な判断の強化 27), 結果に対する見通し 27), 問題志向に偏らない患者のとらえ 方 34) との記述から抽出された 看護者の自信獲得や成長 は, ニーズを実感し仕事への満足が高まる 26), 感性, 探求心, 表現力が身につく 29)49), 自信 プライド 安定性をもてる 27)50) との記述から抽出された 3. モデルケース本研究の看護アセスメント能力の概念の検証を, 臨床で実践する看護者の語りで示す 看護者 A: 朝, 電子カルテから情報を収集し, 気になった情報を確認するために患者の病室に行きます カルテに記載されていた気がかりに思ったことに関係することを患者に問いかけながら確認します 患者の返答を待つ瞬間に, 顔色や表情を注意して見ます 加えて, ベッド周りの環境も漠然と見み

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 39 ながら, 夜間の時間帯の様子を想像しながら情報を収集します 患者の訴えが, 自分が想像していた通りの時もあれば, 電子カルテの記載からイメージして考えたことより, 結構, 大丈夫そうだな と判断することもあります それでも, やっぱり気になると思えば, ハ ートナー ( シップ制 ) の同僚と確認します 同僚に患者の状況を確認し合っている時は, 自分はアセスメントをしていると思います 患者の状況を これは大丈夫だね でも, この症状は心配だから, もう少し時間をおいて確認しようか と伝え, 同僚から足りない情報を提案されることもあります その後, 他の患者の状況もざっと確認して, 医師に報告しなければならないこと, すぐにケアすること, その日のうちにケアすればいいことといったケアの優先順位を決めています 同僚と確認している時は, ゆっくりとお互いに, 色々なこと ( 情報や判断 ) を出しあいながら, 情報を振り分け, 消していく感じがします 今の, この患者にとって, この情報は必要, この情報は, 今は必要ないと考えて, じゃあ, こうしよう! と決めていく感じが, アセスメントができているということだと思います 以上の語りには, プロセスのなかで検証していく力がある 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながら見きわめる力がある 推論したことを表現する力がある が存在していた しかし 手がかり情報を特定し, 推論する力がある は含まれていなかった Ⅴ. 考察 1. 看護アセスメント能力の定義看護アセスメント能力は, 専門的知識や過去の経験を有効活用しながら 対象の情報をプロセスのなかで繰り返し, 収集し, 見きわめ, 推論したことを表現する能力である 2. 看護アセスメント能力の概念モデル概念分析により, 図 1の概念モデルが導かれた 属性は, 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながら見きわめる力がある 手がかり情報を特定し推論する力がある といった情報収集と分析に関するものである この情報収集と分析について 推 図 1 看護アセスメント能力の概念モデル

40 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 論したことを表現する力がある といった行動も属性に含まれる しかし, これらの構成要素は, 単体では有機的に機能しない そのため, 情報収集と分析する力と表現する力が, 行きつ戻りつするための基盤となるのが, プロセスの中で検証していく力 である この属性は, 属性のなかでも本概念の土台として位置づけた これらの構成要素の間で, 行きつ戻りつするアセスメントの連鎖を半円形の矢印で表現した 3. 看護アセスメント能力の特徴看護アセスメント能力には, 看護者の豊富な知識と意味のある経験 という素養を発揮し, 情報を系統的 継続的 効果的に収集する力がある, 有効な情報かどうかの確認を繰り返しながらみきわめる力がある, 手がかり情報を特定し, 推論する力がある といった看護者の認識と 推論したことを表現する力がある といった行動を内包する特徴がある 対象の生命に直結する危険や異常, 体験している苦痛や困難, その人らしい生活を保障できているかという視点で, 実践の プロセスの中で検証していく力がある という知的作業の連鎖が繰り広げられる 今回, 提示したモデルケースによる看護者の語りからは, 事前に把握した気がかりな情報を患者のベッドサイドで, 患者に問いかけながら確認を繰り返し, 患者の平時の状態を頭に描き見比べ, 重要か重要でないかを判断していた 加えて看護者は, 同僚に判断したことを言語化して共有していた 注目するべきは, 対人援助関係の過程を基盤とした看護アセスメント能力を活かし, 情報を取捨選択していたといえよう Peplau は, 看護とは有意義な, 治療的な, 対人的プロセスである 55) とし, 患者のニーズは, はっきりとした要求として表現されることもあれば, 微妙でとらえにくい要求として表現されることもあり, 看護婦 患者の関係が治療的であろうとするならば, 自己洞察力が一つの基本的な手段や点検の基準として働かなければならない 55) とも提言している 看護アセスメント能力には, 看護者が目の前にいる患者に熱意をもって主体的に情報を得るために, 患者に向き合い, 患者の認識や期待といった反応を確認する実践と知的作業の連鎖が必要 であると考える 4. 看護者の継続教育のための看護アセスメント能力の概念の活用可能性と課題看護のプロフェッショナルとしての価値は, 患者の複雑で, 不確実で, 刻々と変化する解決困難な状況のなかで, 患者の思いや希望, 信条や価値を確認しながら実践することである 塚本は プロフェッショナルは, そのままでは意味を成さない不確かな状況に一定の意味を与えていくことを期待される 56) と述べ, さらに西村は 看護は, 患者という他者を志向する実践である 57) とも述べている 看護者が経験を積み重ねながら自らの能力を高めていく継続教育には, 無意識的に実践することを意識化することが重要である 今回は, 研究文献の分析から看護アセスメント能力の構成要素の大半が, モデルケースに含まれていることを論証したが十分とはいえない 今後は, 看護者が患者とのかかわりのなかで認識される看護アセスメント能力についてインタビューを行い, 質的帰納的に検討をする必要がある Ⅵ. 研究の限界本研究では, わが国の臨床看護における先行研究から概念を明らかにすることを目的としたため海外文献を含めなかった したがって, 今回, 明らかになった概念が国際的な看護教育や看護実践に適応できるとは限らないと考える Ⅶ. 結論今回 看護アセスメント能力の構成要素と定義を明らかにするために 48 の和文献について検討を行った その結果 5つの属性 1つの先行要件, 3つの帰結が抽出された また 看護アセスメント能力の定義は, 専門的知識や過去の経験を有効活用しながら 対象の情報をプロセスのなかで繰り返し, 収集し, 見きわめ, 推論したことを表現する能力である と結論づけた 謝辞 : 本研究にご協力頂きました全ての皆様に感謝申し上げます なお, 本研究は, 平成 28 ~ 令和元年度科学研究費基金基盤研究 (C)( 課題番号 : 16K11960, 研究代表者川島美佐子 ) の助成を受けて

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 41 行った研究の一部である 利益相反 : 本研究における利益相反は存在しない 文献 1) 日本看護協会 : アメリカ看護師協会 看護実践の範囲と基準 全訳, インターナショナルレビュー,29(3):21-27,2006 2) 日本看護科学学会看護学学術用語検討委員会 : 看護学を構成する重要な用語集,2011 3) 内田雅子, 小長谷百絵, 木下幸代, 森田夏実, 段ノ上秀雄, 黒江ゆり子 : 事例を用いた看護師育成の組織的な方策の意義, 高知県立大学紀要看護学部編,67:1-17,2017 4) Rodgers BT, Knafl KA: Concept development in nursing: Foundations, techniques and applications, Second Edition, SAUNDERS, 1993/2000 5) 濱田真由美 :Beth L Rodgers の概念分析について 哲学的基盤に基づく目的と結果の再考, 日本赤十字看護学会誌,17(1):45-52, 2017 6) 上村朋子, 本田多美枝 : 概念分析の手法についての検討 概念分析の主な手法とその背景, 日本赤十字九州国際看護大学 Intramural Research Report, 3:194-207, 2005 7) 大島弓子, 土岐初恵, 黒坂知子, 高嶋敬子, 岡部幸枝, 鈴木萬壽子, 沖壽子 : 看護婦の看護アセスメント能力の実態 ⑵ 紙上患者を用いた調査から ( その2), 看護展望,20(3):366-375,1995 8) 大島弓子, 土岐初恵, 黒坂知子, 高嶋敬子, 岡部幸枝, 鈴木萬壽子, 沖壽子 : 看護婦の看護アセスメント能力の実態 ⑴ 紙上患者を用いた調査から ( その1), 看護展望,20(1):74-83, 1995 9) 黒坂知子, 大島弓子, 岡部幸枝, 高嶋敬子, 鈴木萬壽子, 土岐初恵 : 臨床 2 年目看護婦の看護アセスメント能力の検討 臨床領域の相違に焦点をあてて, 日本看護学会看護管理論文集, 229-231,1998 10) 大島弓子 : 看護の質を保証する適切なアセスメント, そして看護診断, 看護診断,12(1):52-58,2007 11) 松本喜代子 : 看護職員の看護アセスメント能力の実態および集合教育の影響に関する研究, 日本看護学会論文集看護管理,32:195-197, 2001 12) 高橋美穂, 榎田めぐみ, 宮城智賀子, 遠藤英子 : 看護診断に影響を及ぼす要因の分析 ( 第 2 報 ) アセスメントの過程から 看護診断,11(2): 196-197,2006 13) 長谷川真澄, 亀井智子 : 急性期高齢患者のせん妄発生の予測に関する看護師のアセスメントの構造, 聖路加看護学会誌,10(1):1-10,2006 14) 小林久美子, 岡浩輝, 内田まゆみ, 島内やなぎ, 北島紀子, 青木雅代, 小池久美 : 新人看護師のアセスメント能力向上を目指して 患者のアセスメントフィードバックを行って, 日本看護学会論文集看護教育,45:242-245,2015 15) 押木香織, 今西涼香, 行方實幸, 田中美央 : 外科病棟に勤務する看護師の退院支援に対する認識について 退院支援アセスメントシート活用と勉強会前後の評価, 日本看護学会論文集急性期看護,45:270-273,2015 明子 : 的確なアセスメントに向けた ICU 看護師の実践, 群馬県立健康科学大学紀要, 10:67-78,2015 17) 山﨑孝枝, 藤森まり子 : 看護師による入院時誤嚥 窒息ハイリスク患者スクリーニング 知識と経験による相違, 嚥下医学,217-225,2017 18) 照屋理奈, 金城芳秀, 池田明子 : 救急初療の場における看護師の初期アセスメントに関する研究 K 病院における中堅看護師のインタビューから, 沖縄県立看護大学紀要,10:45-53, 2009 19) 倉島幸子 : 臨床看護師の看護診断における仮説検証過程 診断指標と関連因子の分類を通して, 看護診断,11(1):5-17,2006 20) 田嶋長子, 山田覚 : 精神科看護師の Clinical Competency と影響要因の構造, 日本精神保健看護学会誌,23(1):9-18,2014

42 川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 21) 渡邉千春 : 終末期がん患者への輸液療法に対する看護の実態調査 看護師の観察 アセスメントに焦点を当て ( 第 1 報 ), 新潟医学会雑誌, 129(3):113-123,2015 22) 野田明美, 小田夕紀, 中村麻美, 山崎麻菜実, 佐藤涼子, 大塚央子, 有馬裕子 : 看護師の退院調整に関するアセスメント能力の向上を目指して 退院調整シートの修正と退院調整アセスメントシートの導入, 旭川医療センター医学雑誌,1:66-71,2015 23) 久米緑, 真鍋理絵 : 精神科領域における服薬自己管理開始時のアセスメント項目の明確化, 日本精神科看護学術集会,55(1):124-125,2012 24) 貝久保浩子, 野中みぎわ, 尾崎成子, 名倉桂古, 新村君枝, 高橋淳子 : 外来における NDNDA 看護診断導入の取り組み 情報収集からアセスメントまでのトレーニング, 看護診断,11(2): 166-167,2006 25) 福良薫, 久賀久美子, 笹尾あゆみ, 関口史絵, 大津山優葵, 浅田孝章, 大橋とも子 : 看護師のアセスメント能力向上にむけた院内研修の取り組み アクションリサーチ法を用いた院内研修の有用性, 北海道科学大学研究紀要,41: 1-8,2016 26) 佐伯和子, 和泉比佐子, 加藤欣子, 平野憲子 : 保健活動における地域の看護アセスメントの課題 保健婦の認識をとおして, 日本地域看護学会誌,3(1):142-149,2001 27) 大木友美, 松下年子 : 看護師による術後せん妄の判断過程に関する研究 ⑴ 術後せん妄の予知とアセスメント, 昭和大学保健医療学雑誌, 12:100-107,2014 28) 近藤よし美 : 身体拘束を解除する際の看護師の観察の視点 身体拘束解除のためのアセスメントツール に基づくカンファレンスでの実践と有用性の検討, 日本看護学会論文集精神看護,45:51-54,2015 29) 秋山由美子, 生明直子, 小西宏明 : アセスメント能力向上のために褥創発生リスク表を活用して, 日本手術医学会誌,30(1):50-52,2009 30) 佐藤志保, 佐藤幸子, 三上千佳子 : 採血を受け る子どもの対処能力をアセスメントするアセスメント アルゴリズムの作成, 日本小児看護学会誌,23(2):10-17,2014 31) 黒田真吾, 宮本むつみ, 杉村知子, 有馬由佳, 野村典子, 長岡早苗 : 整形外科病棟における術後せん妄ケアに対するスタッフの意識の変化 教育的介入後のせん妄アセスメントツールの活用を通して, 東邦看護学会誌,11:21-29, 2014 32) 歳森千明, 勝木純子 :A 病院 ICU 看護師の心理社会的側面の情報収集に関する課題 : 日本クリティカルケア看護学会誌,10(1):63-68,2014 33) 富川将史 : 子どものがん性疼痛アセスメントに関する看護師の知識の実態調査, 天使大学紀要, 14(1):1-18,2013 34) 上原勝子, 池田明子, 當山冨士子 : 精神科急性期治療病棟における看護師の患者の捉え方の変化 患者の 長所 強み に焦点を当てたアセスメント検討会を通して, 沖縄県立看護大学紀要,15:33-42,2014 35) 米重寛子, 森真由美 : スタッフの看護過程能力アップと育成法看護理論に支えられた看護アセスメント能力の育成, ナースマネージャー, 5(8):38-44,2003 36) 高柳智子, 泉キヨ子 : 脳卒中患者の移乗時 見守り解除 における看護師の臨床判断 中堅看護師を対象としたフォーカス グループ インタビューを通して, 日本看護研究学会雑誌, 36(2):69-77,2013 37) 柳瀬真弓, 井好昭博, 日高洋子, 佐藤仁美 : 段階的な内服の自己管理に向けた看護師の判断基準統一を目指して 内服薬管理アセスメントシートの作成 活用, 日本看護学会論文集急性期看護,46:282-285,2016 38) 鈴木ゆか, 城丸瑞恵 : 看護師の所属病棟 経験年数 リーダー経験の有無による せん妄 に対する判断とケアの実態, 札幌保健科学雑誌, 2:81-86,2013 39) 林健司, 梶谷みゆき, 上田純子, 玉川廣美, 恒松美輪子 : 脳血管障害による運動機能障害のある患者のトランスファーに関する看護師の臨床

川島 岡 上星 / 日本保健医療行動科学会雑誌 35(1),2020 30-43 43 判断の特徴, 日本医学看護学教育学会誌,21: 34-38,2012 40) 倉橋祐衣, 上岡奈美, 長尾一樹, 中川健太, 坂川和希, 野田翔平, 河野さつき, 黒髪恵, 山﨑智美 : 精神科病棟に勤務する看護師の自殺予防アセスメント能力の構成要素, 日本看護学会論文集看護管理,46:341-344,2016 41) 中野康子, 川村佐和子 : 緊急電話受信時, 訪問看護師が看護アセスメントに用いた情報の分析, 日本在宅看護学会誌,4(2):41-51,2016 42) 岩田幸枝, 國清恭子, 千明政好, 星野悦子, 鶴田晴美, 荒井真紀子, 齋藤やよい : 異常を判断した ICU 看護師の思考ハ ターンの分析, 群馬保健学紀要,26:11-18,2005 43) 石塚博子, 足立美由紀, 三つ野悦子, 足立康宏, 西安愛子, 藤村博之, 看護支援システムの変更が及ぼす卒一年目看護師のアセスメント能力への影響, 看護情報研究会論文集,6:115-117, 2005 44) 高橋明子, 山本千恵 : 手術室看護師のアセスメント能力向上への取り組み アセスメントシートを取り入れた学習方法, 手術医学,36(3): 283-286,2015 45) 本田裕美 : 看護診断 不安 における看護師の心理社会的アセスメントの解釈構造, 看護診断, 11(2):156-157,2006 46) 芝田里花, 竹内京子, 坂本百合子, 武田典子, 楠間由理, 木村佐多子 : 看護師の臨床判断能力の向上に有効な指導方法の検討, 日本看護学会集録看護教育,27:124-126,1996 47) 井手径子, 安藤光子, 井手敬昭, 山本みな子, 島田あずみ : 精神科および一般科のみの臨床経験では看護師のアセスメントはどのように異なるのか, 日本看護学会論文集精神看護,45: 203-206,2015 48) 嘉藤育子, 原祥子 : 一般病棟における認知症高齢者の転倒の危険性に対する看護師の判断, 島根大学医学部紀要,37:51-59,2014 49) 月田千鶴, 広瀬浩子, 久保田美智子, 西出久子, 卒後 2 年目看護婦の意欲の経時的変化 看護アセスメント能力育成の教育介入を実施して, 日本看護学会論文集看護教育,32:185-187, 2001 50) 硯川経子, 岩崎恵梨子, 城戸千賀子, 山下幸子, 松尾亜朱紗, 和田和代, 草野ひとみ : 通信教育前後における看護師の自己教育力およびアセスメント内容の変化, 日本看護学会論文集看護総合,38:457-459,2007 51) 袴田真由美, 三橋薫, 淡路将大 : せん妄の前兆を把握するための取り組み あやしい の分類と睡眠チェックシートを活用した A 病院の取り組み, 日本看護学会論文集慢性期看護, 45:195-198,2015 52) 濱中利恵 : 手術室における新人教育の指導内容の検討 アセスメント能力を高めるという視点から, 日本手術医学会誌,25(1):75-76,2004 53) 栗原浩子, 日下部加奈子, 河合美加, 杉浦浩子 : 看護師の嚥下アセスメント能力向上に向けた学習会と嚥下機能評価表の作成 活用の成果 看護計画でのアセスメント能力の比較, 日本看護学会論文集成人看護 Ⅰ,43:135-138,2013 54) 髙橋咲紀, 出口由佳, 坂本直美 :SBAR を活用したシミュレーション学習が看護師の臨床判断にあたえる影響, 日本看護学会論文集急性期看護,45:313-316,2015 55) Hildegard E Peplau: Interpersonal relations in nursing: A conceptual frame of reference psychodynamic nursing,g P Putnam s Sons, New York, 1952( 稲田八重子, 小林冨美栄, 武山満智子, 都留伸子, 外間邦江訳 : ペプロウ人間関係の看護論精神力学的看護の概念枠, 医学書院, 東京,1973) 56) 塚本尚子, 舩木由香 : 看護におけるクリティカルシンキングの重要性, 看護教育,54(6):462-468,2013 57) 西村ユミ : 看護実践の語り言葉にならない営みを言葉にする, 新曜社, 東京,2016