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ISSN 0912-5817 NUCLEAR MEDICINE IN CLINIC 臨床核医学 2014 Vol.47No.2 3 月号 17 32 頁 放射線診療研究会 1968 年創刊通算 218 号 ( 奇数月刊行 ) http : //www.meteo-intergate.com( 本誌論文検索用 ) See Page 18 [ 症例 ] 肺癌患者の遠隔転移精査の過程で判明した頭頂骨菲薄化の1 例 18 [ リレー講座 ] 診療に役立つ核医学の基本 専門医試験も見すえ 安全取り扱い 関連法規 被曝その4 20 [ リレー講座 ] 核医学技術の基礎 ガンマカメラにおけるガンマ線検出器の役割と特性 25

臨床核医学 症 例 肺癌患者の遠隔転移精査の過程で判明した頭頂骨菲薄化の 1 例 Thinning of the parietal bones found on close examination to detect distant metastasis in a patient of lung cancer 喜多保 KITA Tamotsu 林克己 HAYASHI Katsumi 小須田茂 KOSUDA Shigeru Key Words:thinning, parietal, bone はじめに 肺癌患者の遠隔転移精査の過程で頭蓋骨の骨転移を疑ったが, 頭頂骨の菲薄化であることが判明した症例を経験したので報告する 症例 患者 :80 歳代男性主訴 : 労作時呼吸困難既往歴 :ASO に対し当院心臓血管外科で経過観察中喫煙歴 :20 本 45 年 (12 年前より禁煙 ) 現病歴 : 労作時呼吸困難を自覚 A 病院の老人健診で肺気腫を指摘されていたが, 不整脈を認めたため当院循環器内科に虚血性心疾患の疑いで紹介受診 精査の結果, 心疾患は否定的であり, 肺気腫による影響と考えられたため, 呼吸器内科に紹介受診 精査の CT 検査で右肺上葉に肺癌を疑う病変, 頭蓋骨に骨転移を疑う濃度低下を認めた 入院時現症 : 両側膝窩, 足背動脈の触知弱 その他, 異常所見なし 血液検査所見 :Hb11.3g/dl の異常低値, 腫瘍マーカーでは CEA7.8ng/ml, SCC1.8ng/ml, SLX45ng/ 図 3 頭部 CT 図 4 頭部 CT:11 年前 図 5 骨シンチグラフィ SPECT 体軸断 図 1 胸部 CT 図 2 胸部 PET/CT 図 6 頭部 CT:thin slice 図 7 頭部 CT: 参考症例 防衛医科大学校放射線医学講座 359-8513 埼玉県所沢市並木 3-2 防衛医科大学校放射線医学講座 TEL. 04-2995-1689 FAX. 04-2996-5214 E-mail : octopus@ndmc.ac.jp Department of Radiology, National Defense Medical College 18

2014 Vol. 47 No.2 ml の異常高値を認めた 病理所見 : 右肺上葉の径気管支肺生検で扁平上皮癌が強く疑われる所見であった 画像所見 : [ 胸部 CT]( 図 1) 右肺上葉に長径 3cm 大の不整形陰影を認める 両肺に気腫性変化も認める [ 胸部 PET/CT]( 図 2) 右肺上葉の不整形陰影に一致した異常集積を認める [ 頭部 CT]( 図 3) 右頭頂骨に転移による溶骨性変化を疑う濃度低下を認める (5mm スライス厚 ) [ 頭部 CT]( 図 4) 図 3とほぼ同レベルで11 年前に撮像された断面 右頭頂骨に明らかな濃度低下の異常域はみられない (8mm スライス厚 ) [ 骨シンチグラフィSPECT 体軸断 ]( 図 5) 両側頭頂骨で軽度右側優位だが, ほぼ左右対称性に集積低下を認める [ 頭部 CT]( 図 6) 図 3と同一データを thin slice で表示したもの 両側頭頂骨で右側でより顕著だが, ほぼ左右対称性に骨の菲薄化を認める (0.5mmスライス厚) 考察 頭蓋骨の菲薄化が, 頭部 CT の thick slice では, 部分容積効果によって骨転移を示唆する溶骨性変化にみえたが,thin slice で菲薄化であることが判明した症例である 頭蓋骨の厚みの異常は, 図 7の80 歳台女性の参考症例に示す hyperostosis frontalis interna が有名であるが, これと位置や現象が対称的にみられるのが本症例である Hyperostosis frontalis interna は前頭骨で頭蓋骨内板が内側に肥厚していくが, 本症例では, 頭頂骨で頭蓋骨板間層が外板側から菲薄化していく Hypoostosis parietalis externa とでも呼べる現象であるが, こうした用語は調べた限りでは存在しない 頭頂骨の菲薄化は, 先天的な頭蓋骨板間層の異形成ではなく, 中高年でみられる緩徐に進行する現象で,hyperostosis frontalis interna と同様に女性により多く ( 男性の1.9 倍 ) みられると報告されている 1) 頭頂骨の菲薄化については, 本症例と同様の骨シンチグラフィ所見を示した例など, いくつか報告されている 2) 6) おわりに 肺癌の頭蓋骨転移を疑ったが, 頭部 CT 画像の所見と骨シンチグラフィの所見との不一致から, thin sliceで頭部 CT 画像を見直した結果, 頭頂骨の菲薄化が判明した症例である Hyperostosis frontalis interna とは対称的な現象がみられ, 興味深いと思われたので報告した 参考文献 1 )Cederlund C G, Adnren L, Olivecrona H. Progressive bilateral thinning of the parietal bones. Skeletal Radiol 1982 ;8: 29-33. 2 )Dutta Pratap C. Bilateral parietal thinning in bronze age skull. Br Med J 1969 ;1: 55. 3 )Tsutsumi Satoshi, Yasumoto Yukimasa, Ito Masanori. Idiopathic calvarial thinning. Neurol Med Chir(Tokyo)2008 ; 48 : 275-278. 4 )Durward Archibald. A note on symmetrical thinning of the parietal bones. J Anat 1929 ; 63 : 356-362. 5 )Lim Seok Tae, Sohn Myung-Hee. Bilateral symmetric photon defects in the parietal bones on Tc- 9 9 m MDP bone scintigraphy. Clin Nucl Med 2001 ; 26 : 570-571. 6 )Yiu Luk S, Fai Shum JS, Wai Chan JK. Bilateral thinning of the parietal bones. Pan Afr Med J 2010 ; 4 : 7. 19

臨床核医学 リレー講座 診療に役立つ核医学の基本 - 専門医試験も見すえ 安全取り扱い 関連法規 被曝その 4 本田 憲業 HONDA Norinari 前号に引き続き過去に出題された核医学専門医認定試験の解説をする 5) 法令に関する試験問題問 次の記述で正しいのはどれか (2004 年試験第 18 問 ) (1)4GBq の密封線源を装備した照射機器は診療用放射線装置と想定される (2) 固体状放射性廃棄物は減衰保管すれば, 一般廃棄物として廃棄してよい (3) 病院における診療用放射性同位元素または放射性同位元素によって汚染された物の焼却は認められていない (4) 診療用放射性同位元素により治療を受けている患者を放射線治療病室以外の病室に入院させてはならない (5) 病院の管理者は病院内の病室に入院している患者の被曝する放射線 ( 診療により被曝する放射線を除く ) の実効線量が 3 月間に 1.3 ミリシーベルトを超えないようにしなければならない a.(1),(2) b.(1),(5) c.(2),(3) d.(3),(4) e.(4),(5) 解答 :e 選択肢 (1): 誤り 密封線源を装備した診療用の器具は, 線源の放射能により, 以下の様に区分されている 診療用放射線照射装置 : 放射性同位元素の下限量の 1000 倍を越えるもの 診療用放射線照射器具 : 放射性同位元素の下限量の 1000 倍以下のもの 放射性同位元素装備診療機器 : 厚生労働大臣が定める 現時点では, 骨塩分析装置, ガスクロ, グラフィ用エレクトロンキャプチャディテクタ, 輸血用血液照射装置, のみ 診療用放射線装置という名称のものはないので, 誤りとする 密封された放射性同位元素の下限量は,3.7MBq であるので, 選択肢 (1) は診療用放射線照射装置である 医療法施行規則 (http://law.e-gov.go.jp/ htmldata/s23/s23f03601000050.html) にも同様の規定がある 選択肢 (2): 誤り PET 診療用放射性同位元素については, 平成 16 年 7 月に, 原子の数が 1 を下回ることが確実な期間として厚生労働大臣が定める期間 を超えれば, 通常の医療廃棄物になる この期間は封をしてから 7 日間と告示されている 出題当時はまだこの規定は無かった 選択肢 (3): 誤り 但し, 医療法施行規則第三十条の十一の四で, 医療用放射性汚染物の焼却は認められている 我が国では, 廃棄は日本アイソトープ協会に廃棄を委嘱しているのが現実である 同協会以外に廃棄を委託できる機関はない 選択肢 (4): 正しい 医療法施行規則第三十条の十五に規定されている 選択肢 (5): 正しい 告示第十条 2 の二, 医療法施行規則第三十条の十九に規定されている 問次の記述で正しいのはどれか (2006 年試験第 17 問 ) (1) 診療用放射性同位元素の廃棄施設の外側における実効線量は 1 ヶ月につき 1 ミリシーベルト以下になるように遮蔽する (2) 管理区域の外部放射線の線量については, 実効線量が 1.3mSv/3 月である (3) 診療用放射性同位元素により治療を受けている患者を入院させる病室の隔壁の外側の実効線量は 1 週間につき 1 ミリシーベルト以下でなければならない (4) 放射性同位元素による汚染に関する記録は 3 年間保存されなければならない (5) 放射性輸送物の 標識 の 三葉マーク には赤字を使用してもよい a.(1),(2) b.(1),(5) c.(2),(3) d.(3),(4) e.(4),(5) 解答 :c 選択肢 (1): 誤り 1mSv/week である 選択肢 (2): 正しい 選択肢 (3): 正しい 管理区域の境界では 1.3mSv/3 月である 選択肢 (4): 誤り 5 年間である 選択肢 (5): 誤り 黒と決められている h t t p : / / w w w. j r i a s. o r. j p / p r o d u c t s / p d f / yusoguido_201304.pdf 埼玉医科大学総合医療センター ( 画像診断 核医学科 ) 350-8550 埼玉県川越市鴨田 1981 TEL. 049-228-3439 FAX. 049-228-3753 E-mail:norihnd@saitama-med.ac.jp 20

2014 Vol. 47 No.2 問被曝の線量限度ついて正しいのはどれか (2006 年試験第 18 問 ) (1) 医療従事者の眼の水晶体は 150mSv/ 年である (2) 医療従事者の皮膚は 500mSv/ 年である (3) 医療従事者の実効線量限度は 100mSv/5 年間である (4) 女性医療従事者の実効線量限度は 3mSv/ 3 月である (5) 公衆被曝の線量限度は 2mSv/ 年である a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c.(1),(4),(5) d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5) 解答 :a 選択肢 (1): 正しい 選択肢 (2): 正しい 選択肢 (3): 正しい 選択肢 (4): 誤り 5mSv/3 月である 選択肢 (5): 誤り 1mSv/ 年である 問放射線診療従事者 ( 以下従事者 ) の被ばく管理に関する以下の記述の中で正しいのはどれか (2006 年試験第 19 問 ) a. 妊娠を申告してから出産までの全期間で実効線量は 10mSv である b. 妊娠する可能性がある女性は, 個人線量計を腹部表面に装着する c. 従事者の内部被ばくと外部被ばくで, 別々に実効線量限度を定めている d. 手および足の等価線量限度と, 水晶体の等価線量限度は等しい e. 実効線量が 5mSv/ 年以下の場合は, 健康診断が免除される 解答 :b 選択肢 a : 誤り 2mSv である 選択肢 b: 正しい 選択肢 c: 誤り 選択肢 d: 誤り 500 と 150mSv/ 年である 選択肢 e: 誤り 実効線量が 5mSv/ 年以下の場合で, 当該年度もこれを越えるおそれがなく, 医師が必要と認めない場合に, 省略できる ( 電離則, 人事院規則 ) 問放射線業務従事者にかかわる被ばく線量限度について正しいのはどれか (2007 年試験第 14 問 ) (1) 実効線量限度 100mSv/5 年 (2) 妊娠中の女子の腹部表面の等価線量限度 管理者が妊娠と知った時から出産まで 5mSv (3) 眼水晶体の等価線量限度 50mSv/ 年 (4) 女子放射線業務従事者の実効線量限度 5mSv/3 月 (5) 皮膚の等価線量限度 500mSv/ 年 a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c.(1),(4),(5) d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5) 解答 :c 選択肢 (1): 正しい どの一年も 50mSv を越えないことも要求される 選択肢 (2): 誤り 腹部 2 msv これにより胎児 ( 一般公衆と見る ) は 1 msv/year が確保される 選択肢 (3): 誤り 150mSv/year 選択肢 (4): 正しい 5 12/3 =20 で結局年 20mSv 以下と同じだが 1 年より短い期間でチエックすることになる 選択肢 (5): 正しい 問放射線業務に関する線量限度について正しいのはどれか (2008 年試験第 19 問 ) (1) 管理区域において外部放射線に係る線量限度は 5mSv/3 月である (2) 女子の実効線量限度は 5mSv/3 月である (3) 眼の水晶体の等価線量限度は 150mSv/ 年である (4) 皮膚の等価線量限度は 250mSv/ 年である (5) 妊娠中の腹部表面の等価線量限度は妊娠の事実を知ったときから出産まで 1mSv である a.(1),(2) b.(1),(5) c.(2),(3) d.(3),(4) e.(4),(5) 解答 :c 選択肢 (1): 誤り 女子放射線業務従事者の場合のみ 選択肢 (2): 正しい 選択肢 (3): 正しい 選択肢 (4): 誤り 500mSv である 選択肢 (5): 誤り 2mSv である 問放射線診療従事者の被ばく防止に関する次の記載のうち誤っているのはどれか (2010 年試験第 16 問 ) a. 実効線量限度 5 年間 100mSv かつ 1 年間 20mSv b. 女子の実効線量限度 3 ヶ月間 5mSv c. 妊娠中である女子の内部被ばく 1mSv d. 水晶体の等価線量限度 1 年間 150mSv e. 皮膚の等価線量限度 1 年間 500mSv 解答 :a 選択肢 a : 誤り 後半は 1 年間 50mSv が正しい 選択肢 b : 正しい 選択肢 c: 正しい 内部被曝 と書いているところがみそ 誤り 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 正しい 問サイクロトロンおよび化学的方法による不純物を除去する機能を備えた合成装置により製造された陽電子断層撮影診療用放射性同位元素 (PET 検査薬 ) の廃棄物に関する以下の記述のうち, 正しいのはどれか (2006 年試験第 20 問 ) a. PET 検査薬の廃棄に際しては, 放射線障害防止法上の許可を得ていれば, 医療法上の届出は不要である b. PET 検査薬を投与した患者の, 投与後 8 時間までの排泄物は, 管理区域内での保管廃棄の対象となる c. 実験用動物に投与した PET 検査薬が医薬品の場合は, 医療法の規制による動物廃棄が必要となる d. PET 検査薬のうちで, 適切な対応により RI 廃棄物として扱うことを要しない核種は, 11 C, 13 N, 15 O, 18 F の 4 核種に限定されている e. 市販されている PET 検査薬の廃棄に際しては, 購入日の翌日から,RI 廃棄物として扱う必要はない 21

臨床核医学 解答 :d 選択肢 a : 誤り 院内調剤した PET 検査薬は放射線障害防止法の適用を受けない ただし, これを製造するための原料は放射線障害防止法の適用対象である 従ってこの選択肢の前半は誤り 後半も誤り 選択肢 b: 誤り 選択肢 c: 誤り 医療でないので, 医療法は適応されない 選択肢 d: 正しい 厚生労働省告示第 306 号で定められている 適切な対応とは, これら以外の放射性同位元素が混入, 付着しないようにして, 封をした日から7 日間管理区域内に置いた場合である 選択肢 e: 誤り 7 日間保存せねばだめである 問放射性医薬品に関する次の記述のうち, 正しいのはどれか (2007 年試験第 9 問 ) (1) 放射性医薬品は, 一般の医薬品とは異なり, 薬事法の規制を受けない (2) 尿や血液を試料としてラジオイムノアッセイなどの測定に用いる放射性医薬品はインビトロ放射性医薬品と呼ばれる (3) インビボ治療用放射性医薬品に用いられる核種には 131 I や 90 Y があり, いずれも放出ベータ線を利用する (4) がん治療に用いるイリジウム密封線源は放射性医薬品である (5) 放射性医薬品は, 放出する放射線と本来医薬品として持っている薬理作用の両面から診断 治療を行う a.(1),(2) b.(1),(5) c.(2),(3) d.(3),(4) e.(4),(5) 解答 :c 選択肢 (1): 誤り 薬事法の対象である 選択肢 (2): 正しい 体外診断用放射性医薬品といわれる 選択肢 (3): 正しい アルファ線放出核種も遠くない将来, 導入されるだろうがまだ無いので正しい 選択肢 (4): 誤り 診療用放射線照射器具である 選択肢 (5): 誤り 薬理作用は期待されない 薬剤の体内分布とその機序が重要である 問院内製造された 18 F-FDG の保険診療での使用に関する次の記述について正しいのはどれか (2007 年試験第 12 問,2008 年試験第 14 問はこれの小変更版 ) (1) 製造に際して放射線障害防止法の規制を受けない (2) 合成装置は医療用具である必要はない (3) サイクロトロンは医療用具である必要はない (4) 核医学会が作成したガイドラインに従って使用するのが望ましい (5) 使用に際しては医療法, 薬事法の規制を受けない a.(1),(2) b.(1),(5) c.(2),(3) d.(3),(4) e.(4),(5) 解答 :d 選択肢 (1): 誤り 原材料やサイクロトロンは放射線障害防止法の規制を受ける 生成された FDG は放射線障害防止法の規制を受けない 選択肢 (2): 誤り 薬事承認品, すなわち, 医療用具を用いる 選択肢 (3): 正しい 選択肢 (4): 正しい 選択肢 (5): 誤り 医療法, 薬事法の規制を受ける 問院内製造された 18 F-FDG の保険診療での使用に関する次の記述について正しいのはどれか (2008 年試験第 14 問 ) (1) 製造に際して放射線障害防止法の規制を受けない (2) サイクロトロンは医療用具でなければならない (3) 合成装置は医療用具でなければならない (4) 核医学会が作成したガイドラインに従って使用するのが望ましい (5) 使用に際しては医療法, 薬事法の規制を受けない a.(1),(3) b.(2),(4) c.(1),(5) d.(3),(4) e.(2),(5) 解答 :d 選択肢 (1): 誤り 受ける 選択肢 (2): 誤り 理化学機器でよい 選択肢 (3): 正しい 選択肢 (4): 正しい 選択肢 (5): 誤り 問放射線業務従事者に対する健康診断について正しいのはどれか (2008 年試験第 18 問 ) (1) 健康診断は初めて管理区域に立ち入る前に行う (2) 管理区域に立ち入った後健康診断は 3 ヶ月を超えない期間ごとに行う (3) 血液検査項目は, 末梢血液中の血色素量またはヘマトクリット値, 赤血球数, 白血球数である (4) 放射線業務従事者になる予定で健康診断を受診した者は, 実際に管理区域に立ち入らなければ放射線業務従事者とはならない (5) 健康診断の記録は 5 年間保存しなければならない a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c.(1),(4),(5) d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5) 解答 :c 選択肢 (1): 正しい 選択肢 (2): 誤り 電離則, 人事院規則では 6 月を越えない期間ごと 障防法は 1 年を越えない期間ごと 選択肢 (3): 誤り 白血球百分率がぬけている 選択肢 (4): 正しい 管理区域に立ち入らなければ, 放射線業務従事者ではないため 選択肢 (5): 正しい 問核医学診療従事者の放射線健康診断について誤っているのはどれか 2 つ選べ (2010 年試験第 20 問 ) a. 健康診断の実施期間は放射線障害防止法と労働安全衛生法で同じである b. 問診は省略できない c. 管理区域に入る前あるいは雇入れ時の健康診断は省略できない d. 医療法には健康診断の規定はない 22

2014 Vol. 47 No.2 e. 健康診断の記録の保存期間は, 放射線障害防止法, 労働安全衛生法いずれも 5 年間である 解答 :a,e 選択肢 a : 誤り 選択肢 b: 正しい 選択肢 c: 誤り? 雇い入れ時の健康診断は定められていない 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 誤り 期限の規定はない 業務者で無くなるか,5 年以上経てば, 指定機関に外部委託できることになっている 問放射線障害防止法の規制を受けるのはどれか 2 つ選べ (2010 年試験第 17 問 ) a. 放射性医薬品 b. 患者に刺入されたあとの 125 I シード c. 定義数量 ( 免除レベル ) 以下の校正用線源 d. サイクロトロン e. PET カメラの吸収補正線源解答 :d,e 選択肢 a : 受けない 薬事法の管轄である 選択肢 b : 受けない 医療法で管理される 挿入後 1 年以内の死亡時には, 解剖して前立腺ごと取り出す 保管廃棄する 日本アイソトープ協会に廃棄を委託するには, シードのみを取り出し, 血液等を洗浄し滅菌したあとでのみ可能である 選択肢 c : 受けない 選択肢 d: 受ける 選択肢 e: 受ける 問放射性ヨウ素 131 内服治療患者の退出に際して正しいのはどれか (2004 年試験第 20 問 ) (1) ある患者の体表面から 1 メートルにおける線量率が 20µSv/h であったので退院させた (2) 退出を認めた場合の必要記録項目は, 退出した日時, 退出時に測定した線量率である (3) 退院後の第三者に対する不必要な被曝をできるだけ避けるための注意を口頭のみで行った (4) 介護者の線量拘束値を一行為あたり 5 msv として算出している (5) 体内残留放射能量 500MBq を保有する患者が大部屋に帰室した場合, 至近ベッド患者の被曝線量は公衆被曝線量限度の約 2 倍である a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c.(1),(4),(5) d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5) 解答 :c 日本核医学会腫瘍免疫核医学研究会の I-131 内用療法適正使用マニュアル (http://oncology.jsnm. org/files/pdf/2013/i-131_manual_2013.07.10.pdf) を参照する 選択肢 (1): 正しい 30µSv/h 以下であれば退出可能である 選択肢 (2): 誤り 投与量, 退出した日時, 退出時の線量率, 授乳中の母親では, 注意 指導した内容, の記録が必要である すなわち, 投与量と授乳中の母親の場合の注意 指導した内容の記録が, 抜けている 選択肢 (3): 誤り 書面および口頭の両方が必要である 選択肢 (4): 正しい 選択肢 (5): 正しい 上記マニュアルでは以下の様に計算している 退出基準はクリヤしているので, 帰室時の線量率 30µSv/h である 入院患者なので,24 時間同室とし,2m の距離, 半減期を物理学的半減期とすると,2.1mSv となる 但し, 同マニュアルでは, もっと少ない被曝の計算も書いている 選択肢の表現としては, 同室期間の長さが記載されていないので, 解答に困る場合もあると思われる 問正しいのはどれか 2 つ選べ (2010 年試験第 19 問 ) a. 1 3 1 I 投与患者の体内残留放射能濃度が 500MBq まで下がったので退院させた b. PET 用核種により汚染された廃棄物は, 日本アイソトープ協会に引き取ってもらわなければならない c. 一般病室に空きがなく, 放射線治療病室の放射能を測定し問題がなかったので, 一般患者を放射線治療病室に入院させた d. 99m Tc で汚染した廃棄物だけを個別に保管管理し, その放射能が 10MBq を下回る場合には一般廃棄物として廃棄することが許される e. 排水および排気に関わる汚染状況の記録は 5 年間保管しなければならない 解答 :a,e 選択肢 a : 正しい 選択肢 b: 誤り 他の RI の混入, 汚染を防ぎ, 封をして 7 日間保管で,RI 汚染物では無くなる 選択肢 c: 誤り 選択肢 d: 誤り 選択肢 e: 正しい 問核医学診療に従事する男性医師の場合, 法令で定める正しい実効線量限度はどれか 1 つ選べ (2011 年試験第 17 問 ) a.3 か月間に 5mSv b.1 年間に 10mSv c.5 年間に 10mSv d.1 年間に 100mSv e.5 年間に 100mSv 解答 :e 法令を正しく理解しているかが問われている 正解は e である 5 年間につき 100mSv を超えず, かつ,1 年間につき 50mSv を超えないようにしなければならない 問 PET 施設に従事する医師や歯科医師の少なくとも 1 名に, 法令上求められるものとして誤っているのはどれか 1 つ選べ (2011 年試験第 18 問 ) a. 当該の病院の常勤職員であること b.pet 診療の安全管理の責任者であること c. 核医学診断の経験を 3 年以上有していること d. PET 装置の性能点検を含む所定の研修をうけていること e. PET による腫瘍診断に関する研修をうけていること 解答 :e 選択肢 a : 正しい 選択肢 b: 正しい 選択肢 c: 23

臨床核医学 正しい 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 誤り 問放射線防護の原則に関して, 正しいのはどれか 2 つ選べ a. リスク ベネフィット (risk-benefit) の原則に従う b. ALARA(as low as reasonably achievable) の原則は経済的, 社会的要因を考慮しない c. ICRP( 国際放射線防護委員会 ) が勧告する限度を超えてはならない d. 職業人の線量限度には, 医療被ばくと自然放射線による被ばくを含める e. 一般人の線量限度は職業人と同じである 解答 :a,c 選択肢 a : 正しい 選択肢 b: 誤り 経済的, 社会的要因を考慮する 選択肢 c: 正しい 選択肢 d: 誤り 医療被ばくと自然放射線による被ばくを含めない 選択肢 e: 誤り 問院内製造された 18 F-FDG の保険診療での使用に関する次の記述について正しいのはどれか 2 つ選べ (2012 年試験第 17 問 ) a. 製造に際して放射線障害防止法の規制を受けない b. サイクロトロンは医療用具でなければならない c. 合成装置は医療用具でなければならない d. 核医学会が作成したガイドラインに従って使用するのが望ましい e. 使用に際しては医療法, 薬事法の規制を受けない 解答 :c,d 選択肢 a : 誤り 放射線障害防止法の規制を受ける 選択肢 b : 誤り 選択肢 c: 正しい 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 誤り 医療法, 薬事法の規制を受ける 選択肢 a : 誤り 外部放射線, 空気中の濃度, 表面密度も管理区域の設定に関与する 選択肢 b : 誤り 許可使用者は放射性同位元素を使用施設で使用する 届出使用者は, 密封されている放射性同位元素を使用場所で使用する 密封されていない放射性同位元素は作業室で使用する 汚染物の詰替えは廃棄物詰替施設で行う 選択肢 c : 正しい 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 誤り 問放射線診療従事者等の被ばく防止について, 誤っているのはどれか 2 つ選べ (2012 年試験第 22 問 ) a. 外部被ばくによる線量は, 頭部について測定する b. 女子では外部被ばくによる線量測定は腹部について測定する c. 外部被ばくによる線量測定は, 管理区域に立ち入っている間, 継続して行う d. 内部被ばくによる線量の測定は, 放射性同位元素を吸入 経口摂取した場合にはそのつど行う e. 内部被ばくによる線量の測定は, 放射性同位元素を吸入 経口摂取するおそれのある場所に立ち入る場合には 1 年間を超えない期間ごとに一回行う 解答 :a,e 選択肢 a: 誤り 胸部, または腹部で行う 選択肢 b: 正しい 選択肢 c: 正しい 選択肢 d: 正しい 選択肢 e: 誤り 3 月 ( 妊婦は 1 月 ) を超えない期間ごとに一回, 測定する 問次の記述で正しいのはどれか 2 つ選べ (2012 年試験第 21 問 ) a. 管理区域は, 外部放射線に係る線量が厚生労働大臣が定める線量を超えるおそれのある場所を指す b. 密封されている放射性同位元素を使用し, 又は放射性同位元素によって汚染された物で密封されていないものの詰替をする部屋を作業室と呼ぶ c. 放射性同位元素等又は放射線発生装置の取扱い, 管理又はこれに付随する業務に従事するものであって, 管理区域に立ち入るものを放射線業務従事者という d. 管理区域には, 人がみだりに立ち入らないような措置を講じ, 放射線業務従事者以外の者が立ち入る時は, 放射線業務従事者の指示に従わせる e. 放射性同位元素によって汚染された物で, その表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度を超えているものは, ただちに廃棄保管する 解答 :c,d 24

2014 Vol. 47 No.2 リレー講座 核医学技術の基礎 ガンマカメラにおけるガンマ線検出器の役割と特性 尾川 浩一 OGAWA Koichi はじめに ガンマ線を検出するためには, コリメータの孔を通過して検出器に入射してくるガンマ線のエネルギーを電気信号に変換する必要がある この変換の方式には2 種類有り, 一つは入射したガンマ線のエネルギーを一旦, 光の信号に変え, この光を電気的な信号に変えるもの ( 間接検出法と呼ばれる ) と, 入射したガンマ線のエネルギーを直接, 電気信号に変えるもの ( 直接検出法と呼ばれる ) である 前者の検出器を代表するものが NaI(Tl) シンチレーション検出器であり, 後者のタイプを代表するものが, 近年使われ始めた常温で使用することが可能な CdTe 半導体検出器または CdZnTe 半導体検出器である ここでは,NaI(Tl) シンチレータを用いた検出器を中心に述べる ガンマ線検出の仕組み ガンマ線の検出を行うためには, ガンマ線と検図 1 ガンマ線検出の方式 出器を構成する原子との間で何らかの相互作用を起こさせる必要がある 図 1は典型的なガンマ線検出の方法を示している (A) がガンマカメラで一般的に用いられている検出方式であり,NaI (Tl) シンチレータに入射したガンマ線がシンチレータを構成する原子と相互作用して検出が行なわれる 核医学検査において使用する比較的低いエネルギーのガンマ線と原子の相互作用では, 光電効果, コンプトン散乱がその主なものとなっている これらの相互作用の確率は, 原子番号が大きい ( 光電効果の確率が高い ), 密度が高い ( コンプトン散乱の確率が高い ) ことによって大きくなる したがって, 放射性医薬品から放出される60 ~300keV の X 線, ガンマ線に対して, 相互作用が起こりやすい NaI(Tl) の単結晶シンチレータ ( 密度が高く, 原子番号が大きい ) が用いられる 入射したガンマ線は光電効果によってエネルギーを失い消滅する 一方, 光電効果の際に放出された光電子はシンチレータを構成する物質に対してエネルギーを与えながら, 最後にその運動エネルギーを失って静止する この際に付与されたエネルギーはシンチレータを構成する原子の価電子帯の電子を励起し, 電子はアクチベータ (activator) のエネルギー準位まで押し上げられる NaI(Tl) シンチレータでは Tl が不純物として混合されており, これがアクチベータの働きをし, 励起された電子の居場所となる アクチベータによって形成されたエネルギー準位は,NaI 結晶の伝導帯のエネルギー準位 法政大学理工学部応用情報工学科 184-8584 小金井市梶野町 3-7-2 TEL FAX 042-387-6189 e-mail : ogawa@hosei.ac.jp Dept. of Applied Informatics, Faculty of Science and Engineering, Hosei Univ. 25

臨床核医学 よりも低いので, 励起された電子はそのエネルギー準位にトラップされ, 一方, 価電子帯では電子がなくなった場所が正孔として出現することになる 不安定なアクチベータの準位にいる電子は, エネルギーを蛍光 ( シンチレーション ) と呼ばれる光の形態で放出して価電子帯の正孔と再結合し安定状態に戻る これがシンチレーション発光のメカニズムである この蛍光は透明なシンチレータ内を通過し, 光電子増倍管 (photomultiplier tube:pmt) の光電陰極面に到達する このときに, 光電面の原子と相互作用を行い光電効果が起きる このときも光電子が放出されるが, 今度は真空中を加速しながら正の電位のダイノードに衝突する この際,2 次電子が複数個発生し, これらはそのダイノードよりももっと大きな正の電圧のかかっているダイノードに向かって加速する このような, ダイノード面への衝突,2 次電子の放出と加速が各段で行われ, 最後の陽極 ( アノード ) に至るときには, 100 万倍以上の電子数となり, 信号が計測される (B) はシンチレータとフォトダイオードを用いた放射線計測の形を表しているが,X 線 CT などは原理的にこのような形態でX 線の計測が行われる この図では発生した蛍光がフォトダイオード内に入って, そこでエネルギーを与え電子 正孔対が発生し, この電気信号を計測することでガンマ線の検出が行われる (C) は半導体検出器の場合を示すが, この場合は入射したガンマ線が素子内で光電効果を起こし, そのときに発生した光電子が近傍の結晶素子にエネルギーを与え, 電子 正孔対が発生する この電荷 ( キャリア ) を素子の両面のピクセル電極に集めて信号の計測が行われる ガンマカメラで用いられる NaI(Tl) 結晶は, さらに残光特性として減衰時間が短いこと, 発光特性として波長が光電子増倍管の感度に一致していること, 大型化が可能であるなどの長所を合わせ持っているのでイメージングに大変都合がよい 実際には, 厚さが9mm 程度で, 形状が長方形 (40 55cm 程度 ) のものが一般に用いられている 光子を検出する際の空間分解能はこの厚さが薄くなるほど高くなるが, 厚さが薄くなると入射したガンマ線が相互作用を起こさずに透過してしまうという確率が増加し, 検出感度は逆に低下してしまう そのため, 感度と空間分解能の兼ね合いから決めた9mm 程度の厚さの結晶が用いられている 図 2 表 1 シンチレータ シンチレータ LaBr 3 と (b) 半導体検出器 (CZT) による Co-57 のエネルギースペクトル 図 3 レーザ加工による空間分解能の改善 また, 現在, よく用いられているシンチレータのエネルギー分解能は9% 程度 (140keV) である NaI(Tl) シンチレータのエネルギー分解能は, 対象となるガンマ線のエネルギーが低くなると若干低下する このため,Tc-99m のイメージングよりも Tl-201のイメージング時には少しエネルギーウィンドウを広くしてデータを収集することが行われている 前述した半導体検出器を搭載したガンマカメラはだいたい 5 ~ 6 % FWHM (@140keV) であるが, シンチレータの場合にはガンマ線のエネルギーがいったん光に変換されて, さらにその光が光電子増倍管によって電気信号になるため, 変換時の統計的揺らぎやエネルギー損失が大きく, エネルギー分解能を低下させる原因となっている このエネルギ- 分解能の低さは NaI(Tl) シンチレータの大きな問題点であり, 複数の核種を用いて検査を行うと, 各々の核種の光電ピークが十分に弁別できなかったり, コンプト 26

2014 Vol. 47 No.2 図 4 前面から見た光電子増倍管 (3インチ) 図 5 側面から見た光電子増倍管 ( 信号増幅部 ) ン散乱した光子がプライマリ光子のエネルギーウィンドウに入るため, プライマリ光子のみによる映像化ができないということが起きる 散乱線の補正やクロストーク補正が必要となるのはこのためである また, シンチレータの欠点は空間分解能において限界があることである これはガンマカメラが, もともとガンマ線との相互作用の際に発生した蛍光を検出して, それをガンマ線の入射位置と見なしている点にある すなわち, 入射したガンマ線がたまたま光電子増倍管に近い結晶内の位置で相互作用を起こせば, その光が拡散する範囲が狭くなり光電子増倍管には大きな信号が発生し空間分解能が高くなる これに対し, 光電子増倍管からもっとも遠い, すなわちコリメータに近い結晶内の部分で相互作用が起これば, その光が拡散する範囲は広くなり, 位置検出演算の精度が若干低下し, その結果空間分解能が低下することになる シンチレーション検出器の性能改善 表 1にはさまざまなシンチレータの物理的特性を示したが, 前述したように NaI(Tl) シンチレータのエネルギー分解能はそれほど良くない 近年では, このようなエネルギー分解能の低さを改善することを目的として LaBr3(Ce) などの新しいシンチレータも開発されている このシンチレータのエネルギー分解能は6%FWHM(@140keV) 程度であり, 半導体検出器のそれに匹敵するので実用化に向けての研究もさかんに行われている 図 2 左には LaBr3(Ce) で計測した Co-57のエネルギースペクトルを示し, 右には CdZnTe 半導体検出器で測定したものを示す シンチレータであっても半導体検出器と同等の良いエネルギー分解能が得られていることがわかる また, 固有空間分解能が低いことにより,PET 装置のような高分解能の機能イメージング画像を得ることができないのも欠点の一つである 近年では空間分解の向上を目指して, シンチレータの結晶内に細かなクラック ( ひび, 割れめ ) をレーザを用いて作り, ひとつの単結晶でありながらも, その蛍光の拡散する範囲を限定し, あたかも人工的なピクセルを生成することも行われている ( 図 3 参照 ) 蛍光はこのクラックの部分で反射や散乱をするために, 発光は限定的な範囲にとどまり, 空間分解能の向上に寄与することになる このようなシンチレータのことを構造化シンチレータ ( structured scintillator) と呼んでいる これらの様々な改善によって, 高いエネルギー分解能, 空間分解能も実現しつつある 光電子増倍管と位置検出 シンチレータでガンマ線のエネルギーが光に変換された後, その光を電気信号に変換するのが光電子増倍管であり, 通常フォトマルと呼ばれている 図 4の光電子増倍管はシンチレータで発生した光子を, 前面の光電面で光電子に変え, これを図 5に示した多数段のダイノードで2 次電子増幅するものである 光電面としては Cs-Sb, あるいは Cs-K-Sb が用いられ, この感度特性はシンチレータの発光スペクトルに適合した値 (400~ 370nm) で最大となっている 通常は電子 1 個の入射に対してダイノード1 段当り3~6 個の2 次電子が発生し,10 段のダイノードを持つ場合, 全体で10 6 ~10 7 個程度の電子が発生する この複数 27

臨床核医学 の光電子増倍管からの信号を用いて位置検出が行われ, ガンマ線の入射位置が特定されることになる 通常, ガンマカメラ全体では40~80 本の光電子増倍管 ( 直径 50~75mm) が用いられているので, 各々の光電子増倍管の感度特性のずれがガンマ線の入射位置の決定や均一性に大きな影響を与える このため LED などの基準発光源を用いて光電子増倍管の性能を常時安定させることができるようになっている 光電子増倍管は, 光電子を増幅する一種の真空管であり,PET 装置にも用いられているものであるが,MRI 装置と組み合わせた SPECT/MRI や PET/MRI などでは静磁場の影響を受け使用することができない そこで開発されたのが SiPM( シリコンフォトマル ) あるいは MPPC(multi-pixel photon counter) と呼ばれる半導体技術を用いた光電変換素子である これら は光電子増倍管と同様の増幅率をもちながら, 磁場の影響を受けないので近年, ハイブリッドシステムの領域では注目を浴びている まとめ NaI(Tl) シンチレータは入射したガンマ線を, 一旦, 光の信号にして, 後段の光検出, 増幅器である光電子増倍管で入射ガンマ線の位置とエネルギーを知るために不可欠な要素となっている このシンチレータの使用は60 年以上も核医学のガンマカメラで用いられ続けており成熟した技術になっているが, 新しいシンチレータの開発やより高い空間分解能を目指したピクセル化技術, ならびに新しい光電変換増幅装置の開発も盛んに行われており, より進化つつある 28

2014 Vol. 47 No.2 核医学装置QC用線源 装置のデータ精度に心配ありませんか ガンマカメラ検出器 精度管理用線源 57Co 370MBq PET検出器用校正線源 68Ge お問合せ ご注文は ドーズキャリブレータ用 チェック線源 68Ge 37MBq 製品輸入元 113 8941 東京都文京区本駒込2 28 45 医薬品 アイソトープ部 放射線源課 TEL:03 5395 8031 FAX:03 5395 8055 アイソトープ営業部 29 113 8681 東京都文京区湯島1 7 12 千代田御茶の水ビル TEl:03 3816 5273 FAX:03 5803 1938 URL:http://www.c technol.co.jp

放射線診療研究会会長 小須田茂 研究会事務 林 克己 359-8513 埼玉県所沢市並木 3-2 防衛医科大学校 放射線医学講座 臨床核医学編集委員長 小泉潔 ( 発行者, 投稿先 ) 193-0998 東京都八王子市館町 1163 東京医科大学八王子医療センター放射線科 TEL. 042-665-5611 FAX. 042-665-1796 E-mail:kkoi@tokyo-med.ac.jp 臨床核医学編集委員 百瀬満 ( 副編集委員長 ), 汲田伸一郎, 小須田 茂, 戸川貴史, 本田憲業, 百瀬敏光 2014 年 3 月 20 日発行