横浜市立大学講演会 横浜市立大学の紹介 日本の大学入試の行方 横浜市立大学の入試について ~ 海外帰国生入試を中心に ~ 横浜市立大学アト ミッションセンター出光直樹 +81-45-787-2055 idemitsu@yokohama-cu.ac.jp http://www.idemitsu.info
横浜市立大学のキャンパス < 大学案内裏表紙 > 金沢八景キャンパス 国際総合科学部 データサイエンス学部 医学部 (1 年次 ) 鶴見キャンパス 生命医科学研究科 舞岡キャンパス 木原生物学研究所 福浦キャンパス 医学部 (2 年次 ~) 附属市民総合医療センター ( 浦舟のセンター病院 )
国際総合科学部の概要 2005( 平成 17) 年国際文化学部 商学部 理学部を統合して発足 国際教養 国際都市 経営科学 理学 4 つの学系区分で募集し 2 年進級時に 12 のコースに進級 希望者が所定の人数以内であれば どの学系からでも任意のコースに進級可能 (1 年次の条件科目あり ) 特定のコースの希望者が上限人数を超えた場合は 成績等により選抜 学年定員 650 名に対し 12 コースの上限人数の合計は 780 名と余裕がある
データサイエンス学部の概要 2018 年 4 月より新設 文理融合型の学部 文 理どちらの受験生でも受験可能 入学定員は 60 名 共通教養は既存学部と同様に履修 4 年間金沢八景キャンパス
医学部の概要 医学科 (6 年制 ) 看護学科 (4 年制で保健師は選択制 ) 共に 1 年次は 主として金沢八景キャンパスで 共通教養科目を履修 2 年次より 福浦キャンパスに基盤を移して 専門教育を受ける 2 つの附属病院を持つ 潤沢な実習環境
全体的な特色 1 文 理 融合 (DS) 医療の幅広い分野を有する総合大学であるが 学部学生数 4 千名程度と 比較的小規模でアットホーム 他大学を比較すると ; 横浜国立大学 : 約 7 千 早稲田大学 : 約 4 万 2 千 慶応義塾大学 : 約 2 万 9 千 上智大学 : 約 1 万 3 千
全体的な特色 2 地元のみならず 全国から学生が集まり 自宅生 自宅外生の割合は半々 海外帰国生の人数も 日本の大学の中で上位 ただし医学科は 地元率 7 割くらい 首都圏の多くの大学は 自宅生が 7 割程度 国立大学などでは 自宅外生が 7 割程度
全体的な特色 3 低廉な学費 年間の授業料等は約 60 万円弱で 学部間の差はわずか 国公立大学はほぼ同じ 私立大学の場合 文系約 100 万円 理工 医療系で約 180 万円 医学科だと約 500 万円! なぜ安いの? 横浜市から年間約 100 憶円の運営交付金
日本大学の学部 学科 ~ 横浜市立大学を例にして ~ 学部 学科が基本あるものの 最近は 学群 学系 学類 といった組織名称も登場 こうした名称を持つ課程は 柔軟なカリキュラムを持つ場合が多い 文系 理系の違いだけではなく 特定の職業進路と結びついているかどうかの違いも 学部 学科の性格を大きく分ける 対人職業に結び付いた学科では面接が重視されるなど 入試の違いにも現れたりします
対称的な 2 つの学部 国際総合科学部 名前が長い ~ 数文字 + 学部 ~ 日本で最長は 駒澤大学の グローバル メディア スタディーズ学部 入学後に様々な分野が選択可能で 卒業後の進路も多様な傾向 ただし理系は大学院に進学して技術系の仕事に進む者が多い 日本では最近になって増えたタイプ アメリカの大学では昔から一般的なスタイル 名称は教養学部とか文理学部が一般的 医学部 名前が短い ~ 1 文字 + 学部 ~ 他にも 文学部 法学部 商学部 理学部 農学部 工学部とか 特定の専門分野を学ぶ 医学部などでは 卒業後の進路も特定の職業に就くことを想定している 日本の大学では伝統的だった形式 アメリカの大学では 医学や法律などの専門職教育は 大学卒業後の大学院段階で学ぶ
世界の大学入試 1 中等教育修了資格試験型 まず中等教育 ( 高校 ) の修了資格試験が国家 ( 州 ) レベルで制度化され それが大学入試の機能も兼ねている国や地域 ヨーロッパ諸国やその影響を受けている旧植民地諸国などに多くみられる 国際バカロレア (IB) もこれと同じ制度設計 中等教育修了の水準が比較的高めで 日本の高校卒業生が大学入学を希望する場合に 1 年間の進学予備課程 (Foundation Course) の修学を求められる国 ( 英国など ) も多い
世界の大学入試 2 統一試験スタイル 国家レベルの統一試験が実施されるタイプ 中国 韓国 台湾などの東アジア圏で多く見られる 日本は部分的に統一試験 ( 大学入試センター試験 ) を実施活用するが 基本的には各大学が独自の試験を実施する 世界的に見て独特なスタイル 一般入試 推薦入試 AO 入試 留学生入試 帰国生入試 社会人入試などなど 日本の大学入試は 他国に例を見ないほど多様
世界の大学入試 3 アメリカ型 Admissions Office による書類審査が基本 日本の AO 入試は ここから名前を取っているが かなり日本的にアレンジされているもの 書類審査の材料として 様々な材料を用いる 標準テスト (SAT ACT) TOEFL エッセイ ( 志望理由 今までの成長体験 etc) 高等学校の成績 (AP や IB なども高く評価 ) 推薦状 面接記録 以上のような様々な資料を統合して総合的に審査 入学の許可だけでなく 奨学金の有無も合わせて判断する多い Affirmative action ( 積極的差別是正策 ) や Legacy admission( 卒業生の子弟優遇 ) なども!
日本の大学入試の全体像 大まかな種類 AO 入試 推薦入試 特別入試 一般入試 特徴時期併願 やり方に様々なバリエーションがあるが 基本的に 自己推薦型 の入試 国公立大学ではセンター試験を課すものもある 海外帰国生の選抜も ここに位置付けているケースも多い 指定校制 志願 合格 入学が前提 公募制 小論文 + 面接での競争試験が多いが 国公立大学ではセンター試験を課すものもある 外国の学校出身の場合 日本の教育制度に準じた在外教育施設の場合は対象となる事が多い 帰国生 留学生 社会人などの特別な属性の者を対象にした入試 筆記試験 + 面接が多い 基本的に学力試験のみが主で 一部に面接や実技試験など 国公立大学は必ずセンター試験を利用する 8 月以降 概ね 11 月以降 比較的 が多い が多い 様々ほぼ全て 概ね 2 月以降
多様な日本の AO 入試 書類審査 (1 次 ) 面接 (2 次 ) 2 段階型 選抜性の高い大学に多い 横浜市立大学はこのタイプ 元祖は慶応義塾大学 (SFCの新学部:1990 年度 ) 小論文 課題 体験セミナー型 講義の聴講 図書館を使ってのレポート作成 etc 面談型 中堅の私立大学や短大では主流
日本の大学入試の行方 諸外国のような仕組みが不十分な中での暗中模索 大学入試センター試験に代わって 2021 年に実施される予定の 新テスト では 記述式問題の導入などが予定されているが 中途半端な改変に終わるか? 英語 4 技能資格試験バブル? 普通の日本の高校生には過剰な負担が懸念されるものの 海外で学んだ皆さんには当然期待されます 国際バカロレア (IB) の波 多くの学校に普及する事はないが それなりの存在感に IB の他にも 英国の A レベルやカナダ BC 州の教育課程などを取り入れる学校も
横浜市大の入試の全体像 1 海外帰国生入試等の有る学部 国際総合科学部 指定校推薦 AO 入試 特別入試 ( 帰国生 IB 留学生等 ) センター利用の公募推薦 & 一般選抜 ( 前期日程 ) センター 7 科目 75% ( 文系一般では 3 科目 85% も ) データサイエンス学部 指定校推薦 特別入試 ( 帰国生 IB 留学生等 ) センター利用の AO 入試 & 一般選抜 ( 前期 + 後期日程 ) 新設なので???
横浜市大の入試の全体像 2 海外帰国生入試等の無い学部 医学部医学科 一般選抜 ( 前期日程 ) センター 7 科目 90% 特別推薦 ( 神奈川県内の特定高校出身者対象 ) 医学部看護学科 指定校推薦 一般選抜 ( 前期日程 ) センター 6 科目 75% なぜ多様な入試を展開しにくいのか?
横浜市立大学の海外帰国生 IB 入試の特徴 筆記試験 (90 分 )100 点 面接 100 点 英語資格の加点 10 点の合計 210 点を審査基準として合否判定 高校の成績 IB の成績などは 直接は反映しない 英語の資格試験で一定の英語力 ( その他の学力も間接的に ) 担保し 日本語で行う筆記試験および面接で 学系 学科への適性や日本語力を判断している 例年 最終的な入学者は他区分を含めて若干名の範疇におさまるので 人数ありきではなく 入学者としてふさわしいかどうかの絶対的な感覚で合否を決めています
海外帰国生受験者の印象 4 技能での英語試験 (TOEFL-iBT IELTS) のスコアが高い人は 日本語による筆記試験の成績も良い傾向 書く力に裏打ちされた言語能力や思考力の重要性 入学後の大学での成績は 一般選抜の入学者に比べて良い傾向 普通の学生には負担となる必修英語科目 (TOEFL-ITP500 が要件 ) が ほぼ免除になることのメリット