VOL.7 ABSTRACT BOOK The 19th Annual Meeting テーマ : 原点回眠 睡眠歯学, 医科 歯科連携診療の原点を再考する 会期 :1 ライブ配信 / 2020 年 11 月 21 日 ( 土 )~ 22 日 ( 日 ) 2 オンデマンド配信 / 2020 年 11

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1 VOL.7 ABSTRACT BOOK The 19th Annual Meeting テーマ : 原点回眠 睡眠歯学, 医科 歯科連携診療の原点を再考する 会期 :1 ライブ配信 / 2020 年 11 月 21 日 ( 土 )~ 22 日 ( 日 ) 2 オンデマンド配信 / 2020 年 11 月 23 日 ( 月 )~ 12 月 12 日 ( 土 ) 会場 :Web 開催 大会長 : 秀島雅之 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来診療科長 ) 後援 : 公益社団法人東京都歯科医師会

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4 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 実行委員一覧 大会長 秀島雅之 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 準備委員長 中村周平 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 実行委員長 会計 石山裕之 東京医科歯科大学歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野, 歯学部附属病院顎関節治療部 実行委員 鈴木 達 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 Web 開催運営アドバイザー 和達重郎 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科総合診療部 学術大会企画運営委員長 佐々生康宏 ささお歯科クリニック口腔機能センター 学術大会企画運営委員 田賀 仁 JR 東京総合病院歯科口腔外科 藤巻弘太郎 ぶばいオハナ歯科 学術大会賞審査委員長 飯田知里 飯田歯科医院, 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 学術大会賞審査委員 姉川絵美子 久留米大学医学部歯科口腔医療センター 有坂岳大 帝京大学医学部形成 口腔顎顔面外科学講座 犬飼周佑 犬飼歯科医院 岩永賢司 近畿大学医学部内科学教室呼吸器 アレルギー内科部門 角谷 寛 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 川上哲司 奈良県立医科大学口腔外科学講座 幸塚裕也 昭和大学歯学部全身管理歯科学講座歯科麻酔科学部門 坂本由紀 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 佐藤一道 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科学 佐藤貴子 日本大学歯学部口腔外科学第 1 講座 鈴木善貴 徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野 田上隆一郎 久留米大学医学部歯科口腔医療センター 對木 悟 公益財団法人神経研究所研究部睡眠学研究室 林 俊成 所沢呼吸器科クリニック 古橋明文 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 槙原絵理 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 柳本惣市 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 葭澤秀一郎 睡眠歯科リサーチセンター東京 2

5 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 後援 協賛企業一覧 後援 公益社団法人東京都歯科医師会 シンポジウム セミナー共催 PRSS.JAPAN 株式会社カボデンタルシステムズ株式会社株式会社スマートプラクティスジャパン 広告掲載( 抄録集,Web バナー ) カボデンタルシステムズ株式会社株式会社スマートプラクティスジャパン株式会社モリタソムノメッドジャパン株式会社デンツプライシロナ株式会社株式会社羊土社株式会社小池メディカル株式会社杏友会株式会社日本歯科工業社株式会社ジーシーフクダライフテック東京株式会社株式会社タングラボ ジャパン株式会社 MAGnet ジェイメック株式会社一般財団法人和同会 助成 寄付金 医療法人社団慶友慶友銀座クリニック 一般財団法人和同会 ( 順不同 敬称略 ) 本学術集会を開催するにあたり, 上記の企業, 団体の方々をはじめとして皆様の多大な るご協力およびご厚情を賜りました. この場をお借りして深く感謝申し上げます. 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会 大会長秀島雅之 3

6 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 目次 実行委員一覧 2 後援 協賛企業一覧 3 理事長挨拶外木守雄 6 大会長挨拶秀島雅之 7 総会 学術集会開催地ならびに大会長 8 学会日程表 9 参加者へのご案内 11 プログラム 第 1 日目 11 月 21 日 ( 土 ) 16 プログラム 第 2 日目 11 月 22 日 ( 日 ) 17 睡眠歯科医学基礎講座 ( 臨床編 ) 金子泰之 26 睡眠歯科医学基礎講座 ( 臨床編 ) 古畑 升 26 睡眠歯科医学基礎講座 ( 臨床編 ) 川上哲司 26 睡眠歯科医学基礎講座 ( 研究編 ) 角谷 寛 27 睡眠歯科医学基礎講座 ( 研究編 ) 西山 暁 27 睡眠歯科医学基礎講座 ( 研究編 ) 古橋明文 27 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科衛生士編 ) 清水清恵 28 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科技工士編 ) 鈴木 達 28 認定医取得のためのセミナー 飯田知里 29 特別講演 葛西隆敏 32 教育講演 小野卓史 33 国際講演 AudreyYoon 34 シンポジウム 1 1 柳本惣市 35 シンポジウム 1 2 佐々生康宏 36 シンポジウム 1 3 岩崎智憲 37 シンポジウム 2 1 古橋明文 38 シンポジウム 2 2 奥野健太郎 39 シンポジウム 2 3 鈴木浩司 40 臨床セミナー 1 玉岡明洋 41 臨床セミナー 2 高木俊輔 42 臨床セミナー 3 中村周平 43 ランチョンセミナー 古畑 梓 44 臨床スキルアップセミナー 入江道文 45 新規保険収載セミナー 鈴木善貴 46 4

7 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 目次 一般口演 O 01 中村周平 48 一般口演 O 02 宮地舞 49 一般口演 O 03 山本裕明 50 一般口演 O 04 真砂彩子 51 一般口演 O 05 松﨑悟士 52 一般口演 O 06 澤ありさ 53 一般口演 O 07 西尾佳朋 54 一般口演 O 08 中村則夫 55 一般口演 O 09 柳沢治之 56 一般口演 O 10 北村雄樹 57 一般口演 O 11 三好太郎 58 一般口演 O 12 宇納弓恵 59 ポスター P 01 長谷部大地 60 ポスター P 02 大楠弘通 61 ポスター P 03 吉田佳史 62 ポスター P 04 大元秀一 63 ポスター P 05 阿崎宏昭 64 ポスター P 06 渡邉崇 65 ポスター P 07 小松万純 66 ポスター P 08 平賀智豊 67 ポスター P 09 荻澤翔平 68 ポスター P 10 石井友季子 69 ポスター P 11 坂本由紀 70 ポスター P 12 伊藤邦弘 71 ポスター P 13 石山裕之 72 ポスター P 14 古畑梓 73 報告発表 CR 01 アブデルマジッドベラター 74 報告発表 CR 02 齋藤七海 75 報告発表 CR 03 瀬戸一恵 76 5

8 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 理事長挨拶 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会 開催のご挨拶 特定非営利活動法人日本睡眠歯科学会日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座主任教授 理事長 外木守雄 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会が, 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来診療科長秀島雅之先生のもと開催されます. 準備委員長の中村周平先生, ならびに東京医科歯科大学快眠歯科外来の関係皆様, および, 本学会実行委員, プログラム委員各位など関係された方々に深く感謝申し上げます. 今回のテーマは 原点回眠 です. 原点回帰のための快眠を得ることは, 人の生活を豊かにするためには大変重要なものと考えます. まさに睡眠医療の原点に戻り, 快眠を得ることを探究するという作業が本学会の目的であると考えます. 皆様もご存知のように秀島大会長はいつも柔和で優しいお人柄で, 誠実にお仕事をされる方です. このテーマを選ばれた秀島大会長の見識の深さが伺えるものと思います. なお, 今回は,COVID-19 感染拡大による現在の社会状況を鑑み, 会期 (WEB 配信期間 ):2020 年 11 月 21 日 ( 土 )~ 12 月 12 日 ( 土 ) の WEB 配信システムにて開催することになりました. WEB 配信という新たな方法は, これまでの学会のあり方を変え, 今後, この WEB を交えたハイブリッド形式が主流となってくると考えます. 新しい試みにご尽力くださった秀島先生はじめ教室員の方々に改めて深く感謝申し上げます. 私は, 常日頃, 日本における睡眠歯学がさらに飛躍して定着してゆくためには,1 睡眠歯科医療関係者が適切な情報を発信していくこと,2 先見性を持った学識の集約を続けてゆくことが大切であると考えております. その意味でも今回の学術集会の内容は会員皆様の期待に沿えるものであると確信しております. 講演内容は, 教育講演には, 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野の小野卓史教授に 舌, 呼吸と成長発育一臨床医の原点快眠 をお願いしています. 小野教授の研究テーマは 舌 であり, 舌は呼吸器である と明言をいわれています. まさに, 顎外科 ( 睡眠外科 ) 手術の原点も舌の改良であり, 快眠のために真理は, 舌にあると思います. 特別講演には, 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科 心血管睡眠呼吸医学講座准教授葛西隆敏先生から 睡眠呼吸障害の診断と治療の最前線 国際講演には, 連携学会である Korean academy dental sleep medicine のメンバーより貴重なお話がうかがえるものと期待しております. また, 各種セミナーも充実し, シンポジウム 1 歯科タイトレーション OA 療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して 臨床セミナー 医歯連携 東京医科歯科大学快眠センター 快眠歯科の連携診療 臨床スキルアップセミナー 上下分離型 OA 臨床の実際 ランチョンセミナー 歯科におけるボツリヌス療法の有用性 ~ 筋電計による咬合力コントロールと OA 治療の離脱防止へ.120 症例からの展望 ~ が予定され, 多彩なプログラムを策定いただきましたプログラム委員の皆様に重ねて感謝申し上げる次第です. 本会は, いつも学究 学際的な意見交換が闊達に行われます.Web という新しい試みですが, 本学術集会自体が学術的に幅広い討論の場となるよう, 多くの方々にご活躍 / ご登壇頂く機会を増やして行きたいと考えております. 皆様の熱い討論を期待しております. 6

9 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 大会長挨拶 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会 開催のご挨拶 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来診療科長 大会長 秀島雅之 この度第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会を, 令和 2 年 11 月 21 日 ( 土 ),22 日 ( 日 ) の両日, 東京医科歯科大学 ( 東京都文京区湯島 ) ならびに, 隣接の東京ガーデンパレスにおいて開催する予定でしたが, 新型ウィルス COVID-19 の世界的蔓延は終息の見通しが立たず,Web 開催の運びとなりました. 今回のメインテーマは, 睡眠歯学ならびに医科 歯科連携診療の原点を再考する目的で 原点回眠 としました. 特別講演, シンポジウム, 各種セミナー, 一般口演等を公募, 企画しましたので, 睡眠歯学を関連分野のみならず, 一般社会にも広く周知を図る所存です. 近年, 歯科の閉塞性睡眠時無呼吸症 (ObstructiveSleepApnea;OSA) の口腔内装置 (Oral Appliance:OA) 療法は, 医科の CPAP 療法を継続できない症例に奏功する場合もあり,OA の有用性が医科からも評価されつつあります. そのため医療機関から一般歯科への OA 作製依頼も増え, 歯科医は睡眠学への理解を深め, 医科との連携を図ることが必須と言えます. 本学会でも一般歯科医の入会は増加しており, 今回の学術集会でも幅広く情報交換が行われ, 活発な議論が展開されると期待しております. OA 療法における最も重要な過程は, 下顎前方位の設定 調整 ( タイトレーション ) にありますが, 平成 30 年の歯科診療報酬改定に伴い, 従来のシート圧接型装置の口腔内装置 2 の咬合採得の保険算定は不可となり, 臨床医は困惑していることと存じます. 本学会では従来の咬合採得とは異なる視点で, 下顎前方位の計測, 最適位の選定を 歯科タイトレーション と命名し, 新規医療技術として保険収載を申請中です. 本学術集会では, 歯科タイトレーション OA 療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して のシンポジウムを企画しましたので, こうした最新の話題についても討論され, 情報共有できれば幸いです. 学術大会の各プログラムは開催当日よりライブ配信され, ライブ配信終了後も 12 月 12 日 ( 土 ) まで視聴可能です. 多数の皆様のご参加を, 心よりお待ち申し上げます. 7

10 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 開催地ならびに大会長 会期 開催地 会場 大会長 第 1 回 2003 年 10 月 25 日 東京都 東京歯科大学血脇記念ホール 菊池 哲 第 2 回 2004 年 6 月 30 日 東京都 赤坂区民センター 古畑 升 第 3 回 2004 年 10 月 23 日 東京都 日本歯科大学九段ホール 河野正己 第 4 回 2005 年 10 月 29 日 東京都 東京慈恵会医科大学南講堂 杉崎正志 第 5 回 2006 年 7 月 1 日 滋賀県 びわ湖大津館 江崎和久 第 6 回 2007 年 7 月 15 日 東京都 日本歯科大学九段ホール 池松武直 第 7 回 2008 年 10 月 19 日 東京都 フクダ電子株式会社 日暮尚樹 第 8 回 2009 年 10 月 27 日 東京都 フクダ電子株式会社 山田史郎 第 9 回 2010 年 10 月 3 日 東京都 フクダ電子株式会社 片平治人 第 10 回 2011 年 7 月 3 日 愛知県 大正製薬株式会社 宮尾悦子 第 11 回 2012 年 11 月 11 日 東京都 フクダ電子株式会社 横矢重俊 第 12 回 2013 年 9 月 8 日 大阪府 近畿大学 濱田 傑 第 13 回 2014 年 11 月 8 日 9 日 東京都 日本大学会館 對木 悟 第 14 回 2015 年 11 月 23 日 愛知県 藤田保健衛生大学 今村基尊 第 15 回 2016 年 11 月 13 日 東京都 日本大学会館 外木守雄 第 16 回 2017 年 11 月 3 日 4 日 山口県 岩国国際観光ホテル 佐々生康宏 第 17 回 2018 年 11 月 23 日 24 日 茨城県 つくば国際会議場 松尾 朗 第 18 回 2019 年 11 月 23 日 24 日新潟県 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 小林正治 第 19 回 2020 年 11 月 21 日 22 日 Web 開催秀島雅之 8

11 日程表 日本睡眠歯科学会総会 学術集会プログラム スケジュール ( 大会 HPおよびWeb 開催プログラムより視聴可 ) 11 月 20 日 ( 金 ) 11 月 21( 土 ) 時間 Room A Room B 11:00 12:00 13:00 睡眠歯科医学基礎講座 ( 臨床編 ) 睡眠歯科医学基礎講座 ( 研究編 ) 14:00 座長 : 後藤基宏 ( たろう歯科クリニック ) 座長 : 長谷川彰則 ( 京都鞍馬口医療センター歯科 口腔外科 ) 座長 : 中島隆敏 ( なかじま歯科クリニック ) 座長 : 夫馬吉啓 ( グリーンデンタル夫馬 ) 理事会 OSA の基礎知識と CPAP 療法 金子泰之 ( 池袋スリープケアクリニック ) 13:05 14:05 英論文の書き方 角谷寛 ( 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 ) 13:05 14:05 15:00 ( オンライン会議 ) 口腔内装置 (OA) 療法 古畑升 ( 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 ) 14:05 15:05 OA 治療において知っておきたい顎関節症状の基礎知識 川上哲司 ( 奈良県立医科大学口腔外科学講座 ) 15:05 16:05 EBM について, 読んだ論文で注意すべきこと 西山暁 ( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 ) 14:05 15:05 今後の睡眠歯科研究の方向性 古橋明文 ( 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 ) 15:05 16:05 16:00 評議員会 ( オンライン会議 ) 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科技工士編 ) 座長 : 後藤基宏 ( たろう歯科クリニック ), 長谷川彰則 ( 京都鞍馬口医療センター歯科 口腔外科 ) OA 製作法 鈴木達 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 ) 16:15 17:00 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科衛生士編 ) 座長 : 中島隆敏 ( なかじま歯科クリニック ), 夫馬吉啓 ( グリーンデンタル夫馬 ) 小児 OSA への MFT の応用 清水清恵 ( 清水歯科クリニック ) 16:15 17:00 17:00 認定医取得のためのセミナー講師 : 飯田知里 ( 日本睡眠歯科学会認定審査委員会委員長 ) 17:10 17:30 の講演は有料講座です. 9

12 日程表 11 月 22 日 ( 日 ) 時間 Room A Room B Room C 9:00 開会式秀島雅之大会長 9:15 日本睡眠歯科学会総会 学術集会プログラム スケジュール ( 大会 HP および Web 開催プログラムより視聴可 ) 10:00 シンポジウム1( カボデンタルシステムズ株式会社後援 ) 歯科タイトレーション OA 療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して 座長 : 外木守雄 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 座長 : 江崎和久 ( 睡眠科学研究所江崎歯科内科医院 ) 9:30 10:50 臨床セミナー 医歯連携 東京医科歯科大学快眠センター 快眠歯科の連携診療 座長 : 宮崎泰成 ( 東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科 ) 9:50 10:50 11:00 教育講演 舌, 呼吸と成長発育一臨床医の原点快眠 小野卓史 ( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野 ) 座長 : 外木守雄 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 11:00 11:50 臨床スキルアップセミナー ( 株式会社スマートプラクティスジャパン協賛 ) 上下分離型 OA 臨床の実際 入江道文 ( 医療法人道文会入江クリニック ) 座長 : 植野芳和 ( 松翁会歯科診療所 ) 11:00 11:50 12:00 総会 (Zoom の別アカウントで実施,ID, パスワードは学会事務局より通知の予定 ) 外木理事長 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 秀島大会長 ( 東京医科歯科大学快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 12:00 12:30 13:00 ランチョンセミナー (PRSS. JAPAN 株式会社協賛 ) 歯科におけるボツリヌス療法の有用性 筋電計による咬合力コントロールと OA 治療の離脱防止へ.120 症例からの展望 古畑梓 ( 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 ) 座長 : 飯田知里 ( 飯田歯科医院, 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 13:00 13:50 優秀口演発表賞ノミネート演題 13:00 13:40 一般口演, ポスター掲載 14:00 特別講演 睡眠呼吸障害の診断と治療の最前線 葛西隆敏 ( 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科 心血管睡眠呼吸医学講座 ) 座長 : 秀島雅之 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 14:00 14:50 新規保険収載セミナー 歯ぎしり診断のための睡眠時歯科筋電図検査の活用法 鈴木善貴 ( 徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野 ) 座長 : 槙原絵理 ( 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 ) 14:00 14:50 15:00 16:00 シンポジウム2 OSA 治療評価の新たなアウトカムを考える AHI 単独評価からの脱却! 座長 : 鱒見進一 ( 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 ) 座長 : 立石知也 ( 東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科 ) 15:00 16:20 国際講演 Role of orthodontic intervention in OSA: Functional and physiological approach of orofacial structure restoration Audrey Yoon (Department of Orthodontics, Pediatric Dentistry, Sleep Medicine University of Pacific, UCLA, Stanford University, USA) 座長 : 角谷寛 ( 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 ) 15:00 15:50 閉会式秀島雅之大会長 16:25 臨床セミナー 医歯連携 東京医科歯科大学快眠センター 快眠歯科の連携診療 1. 医学部附属病院快眠センター(SAS 外来 ) の取り組み 玉岡明洋 ( 東京医科歯科大学呼吸 睡眠制御学講座 ) 2. 医学部快眠センター 過眠症外来, 夜間異常行動外来の取り組み 高木俊輔 ( 東京医科歯科大学精神行動医科学分野 ) 3. 快眠センター 快眠歯科外来の連携診療の概要とOA 療法 中村周平 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) シンポジウム 1 歯科タイトレーション OA 療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して KaVo デンタルシステムズ社後援 1. 歯科タイトレーションとは 柳本惣市 ( 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 ) 2. 内視鏡所見を参考とした下顎位タイトレーション 佐々生康宏 ( ささお歯科クリニック口腔機能センター ) 3. これまでの上気道流体シミュレーションを用いた研究からみたタイトレーションについて 岩崎智憲 ( 鹿児島大学医歯学総合研究科小児歯科学分野 ) シンポジウム2 OSA 治療評価の新たなアウトカムを考える AHI 単独評価からの脱却! 1. OSA 治療アウトカムとしての眠気 古橋明文 ( 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 ) 2. OSA 治療アウトカムとしての血圧 奥野健太郎 ( 大阪歯科大学高齢者歯科学講座, 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター ) 3. OSA 治療アウトカムとしてのアスリートのパフォーマンスについて 鈴木浩司 ( 日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野 ) 10

13 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 参加者へのご案内 Ⅰ. 学術集会参加の皆様へ 1.COVID-19 感染拡大のため, 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会 (2020 年 11 月 21 日 ( 土 )~ 22 日 ( 日 )) は, 東京医科歯科大学 東京ガーデンパレスでの開催を中止し,Web 開催と致します. 会場での開催はなく, 参加者はご自身の PC, タブレット等で視聴頂きます. 2. 参加 ( 受講 ) 方法は, 以下の通りですのでご確認下さい. 1) 第 19 回大会ホームページより, 事前参加登録をお願い致します. 2) 事前参加登録, 事前参加登録費のお支払いが完了しますと, 大会事務局より個別に割り振られた ID,PW がメールにて送付されます. 3) 大会ホームページの Web 開催プログラム にアクセスし, ご希望のセッションをクリックし, ID,PW を入力すれば視聴できます. 4) 配信期間 大会当日の 2020 年 11 月 21 日 ( 土 )~ 12 月 12 日 ( 土 ) まで配信します. 大会当日はライブ配信し, 終了後はオンデマンド配信 ( ご希望のプログラムを視聴可 ) します. なお, ライブ配信で編集を要するプログラムは, 日を空けての視聴となりますので悪しからずご了承願います. 大会ホームページ よりご覧下さい. 3. 学術大会参加登録について 1) 事前参加登録, 登録費支払い完了頂いた方には, 学術集会プログラムを視聴するための ID, PW, 参加証 (pdf ファイル ), 領収書 (pdf ファイル ) をメールにて送付します. 初日の睡眠歯科医学基礎講座 2020,2 日目の学術集会を受講するには, それぞれに登録が必要となります. 事前登録は 10 月 30 日 ( 金 ) までですので, ご注意下さい. 一般口演, ポスターの筆頭発表者の事前参加登録は必須となります. 2) プログラム, 抄録集 会員には学会誌 睡眠口腔医学 7 巻抄録号 として, 事前に送付致します. 事前登録した非会員の方にも, 事前に送付致します. 大会ホームページに抄録集の PDF ファイルを掲載します. 4. 注意事項 1) 第 19 回学術集会は通常開催でなく,Web 開催となったため, 予定していた会場での開催はございません. 参加者は自宅もしくは勤務先等, ご都合の良い場所からインターネットを経由して視聴頂きます. 2) 配信中の動画の収録, 音声の録音, ビデオ 写真撮影は, 発表者の著作権保護のため, 固くお断り致します. 3) 会員懇親会, 企業展示等は中止とします. 11

14 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 参加者へのご案内 Ⅱ.Web 配信プログラム 初日 2 日目 大会中 セミナー名セッション実施概要 睡眠歯科医学基礎講座 2020 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会 臨床編 研究編歯科技工士編 歯科衛生士編 特別講演 教育講演 シンポジウム 1,2 臨床セミナー 発表スライド ( 音声収録入り ) を事前に録画し, Web 配信. 質疑応答はライブで配信. 抄録は学会誌に掲載. テキストは郵送せず,Web 配信. 事前参加登録者はダウンロード可. 発表スライド ( 音声収録入り ) を事前に録画し, Web 配信. 質疑応答は行わない. 抄録は学会誌に掲載. 臨床スキルアップセミナー 発表スライド ( 音声収録入り ) を事前に録画し, Web 配信. 新規保険収載セミナー 質疑応答は原則行わない. ランチョン ( スポンサード ) 抄録は学会誌に掲載. セミナー 国際講演 一般口演 ポスター 発表スライド ( 音声収録入り ) を事前に録画し, Web 配信. 質疑応答は原則行わない. 抄録は学会誌に掲載. eposter( 質疑応答は無し ). 抄録は学会誌に掲載. 総会 Zoom にて開催. 企業展示, 広告 懇親会 会場展示は無し. 学会誌の広告掲載,Web 上のバナー広告掲載を行う. 中止 * なお, 実施予定の特別講演 シンポジウム等, 今後講師が講演スライド配信を辞退された場合は 中止となるかもしれませんので, 悪しからずご了承願います. 12

15 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 参加者へのご案内 Ⅲ. 発表者の皆様へ 1. 一般演題 ( 口演発表 ) ならびにシンポジストの先生方へ 1)PowerPoint または Keynote にて作成したスライドにナレーション音声を含めていただく形式となります. 2) 音声付きの発表資料作成の上, 動画ファイルを作成するか, または Zoom 上でプレゼンテーションを行い, 録画を編集しての作成をお願いします. 3) 発表者はデータ作成後, 動画ファイル (mp4 または wmv) に変換していただいたデータ (1GB まで ) のご提出をお願い申し上げます. 4) 発表には COI( 利益相反 ) 状態の開示が必要となります.COI の有無に関わらず, スライドの 2 枚目に COI 開示のスライドを挿入してください. 利益相反(COI) に関する指針 が学会誌 ( 睡眠口腔医学 2020 年 6 巻 2 号,p14 ) に掲載されていますので, 指針に準じて記載してください. 5)Web 開催に伴い, データの 2 次利用防止の為, 全ての発表資料に学会ロゴデータの透かしをスライドデータにご利用ください. 6) フォントは OS に標準搭載されているものを使用してください. 日本語 :MS ゴシック,MSP ゴシック,MS 明朝,MSP 明朝英語 :Times,TimesNewRoman,Arial 2. 一般演題 ( ポスター発表, 報告発表 ) の先生方へ 1) ポスター会場で掲示するポスターをホームページ上で閲覧する形式 (eposter) となります. 実際にパネルに貼付する内容で作成ください. 報告発表もポスターで発表資料を作成してくだ さい. 2) 作成ソフトは何でも結構ですが,PDF( 容量は 1GB まで ) に変換して提出してください. 3) 例年 横 90cm 縦 210cm のポスターサイズですが, 今回は縦横同比率の 1/2 縮小サイズ : 横 45cm 縦 105cm で作成してください. 4) ポスターの上部に, 演題番号, 演題名, 氏名, 所属を記載して ください. 顔写真の掲載は不要です. 5) 発表には COI( 利益相反 ) 状態の開示が必要となります. ポス ターの最下段に COI 開示してください. 6)Web 開催に伴い, データの 2 次利用防止の為, 全ての発表資料 に学会ロゴデータの透かしをスライドデータにご利用ください. 7) フォントは OS に標準搭載されているものを使用してください. 日本語 :MS ゴシック,MSP ゴシック,MS 明朝,MSP 明朝 英語 :Times,TimesNewRoman,Arial 105cm 10cm 95cm 10cm 演題番号 45cm 35cm 演題名 氏名 所属 貼付場所 13

16 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 参加者へのご案内 Ⅳ. お問い合わせ先 学会発表, 学術集会に関するお問い合わせ 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会実行委員長 東京都文京区湯島 石山裕之 h.ishiyama.rpro@tmd.ac.jp TEL: 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会運営事務局 東京都文京区本郷 石渡ビル 6F 株式会社プランニングウィル jadsm2020@pw-co.jp TEL: FAX: 入会 学会に関するお問い合わせ 特定非営利活動法人日本睡眠歯科学会事務局一ツ橋印刷株式会社学会事務センター内 東京都江東区深川 TEL: FAX: jadsm@onebridge.co.jp 14

17 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会プログラム プログラム 2020 年 11 月 21 日 ( 土 ) 2020 年 11 月 22 日 ( 日 )

18 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム 2020 年 11 月 21 日 ( 土 ) WEB 会場 ROOM A 13:00 16:05 睡眠歯科医学基礎講座 ( 臨床編 ) 睡眠時無呼吸の基礎と臨床 有料講座 座長 : 後藤基宏 ( たろう歯科クリニック ) 長谷川彰則 ( 京都鞍馬口医療センター歯科 口腔外科 ) 1. OSA の基礎知識と CPAP 療法金子泰之 ( 池袋スリープケアクリニック ) 2. 口腔内装置 (OA) 療法古畑升 ( 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 ) 3. OA 治療において知っておきたい顎関節症状の基礎知識川上哲司 ( 奈良県立医科大学口腔外科学講座 ) 16:15 17:00 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科技工士編 ) 歯科技工士に必要な知識と技術 有料講座 座長 : 後藤基宏 ( たろう歯科クリニック ) 長谷川彰則 ( 京都鞍馬口医療センター歯科 口腔外科 ) OA 製作法鈴木達 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 ) 17:10 17:30 認定医取得のためのセミナー 日本睡眠歯科学会認定医制度について飯田知里 ( 日本睡眠歯科学会認定審査委員会委員長 ) WEB 会場 ROOM B 13:00 16:05 睡眠歯科医学基礎講座 ( 研究編 ) 睡眠歯科の研究を進めるには 有料講座 座長 : 中島隆敏 ( なかじま歯科クリニック ) 夫馬吉啓 ( グリーンデンタル夫馬 ) 1. 英論文の書き方角谷寛 ( 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 ) 2. EBM について, 読んだ論文で注意すべきこと西山暁 ( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 ) 3. 今後の睡眠歯科研究の方向性古橋明文 ( 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 ) 16:15 17:00 睡眠歯科医学基礎講座 ( 歯科衛生士編 ) 歯科衛生士の果たすべき役割 有料講座 座長 : 中島隆敏 ( なかじま歯科クリニック ) 夫馬吉啓 ( グリーンデンタル夫馬 ) 小児 OSA への MFT の応用清水清恵 ( 清水歯科クリニック ) 16

19 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム 2020 年 11 月 22 日 ( 日 ) WEB 会場 ROOM A 9:15~ 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会開会式 9:30~10:50 シンポジウム 1: 歯科タイトレーション OA 療法の最適下顎位の再考と保険収載を目指して カボデンタルシステムズ株式会社後援 座長 : 外木守雄 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 江崎和久 ( 睡眠科学研究所江崎歯科内科医院 ) 1. 歯科タイトレーションとは Titration of oral appliance therapy 柳本惣市 ( 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 ) Souichi Yanamoto ( Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences) 2. 内視鏡所見を参考とした下顎位タイトレーション Titration of mandibular advancement oral appliances using endoscopy for obstructive sleep apnea 佐々生康宏 ( ささお歯科クリニック口腔機能センター ) Yasuhiro Sasao (Center for Oral-Facial Disorders, Sasao Dental Clinic) 3. これまでの上気道流体シミュレーションを用いた研究からみたタイトレーションについて Consideration to the titration of oral appliance from previous CFD studies 岩崎智憲 ( 鹿児島大学医歯学総合研究科小児歯科学分野 ) Tomonori Iwasaki ( Kagoshima University, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Department of Pediatric Dentistry) 11:00 11:50 教育講演 座長 : 外木守雄 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 舌, 呼吸と成長発育一臨床医の原点快眠 Tongue, breathing, growth and development: Back to a clinician s square one in sleep 小野卓史 ( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野 ) Takashi Ono ( Orthodontic Science, Graduate School of Medical and Dental Sciences Tokyo Medical and Dental University) 12:00 12:30 総会 外木守雄理事長 ( 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 ) 秀島雅之大会長 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 17

20 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム 13:00 13:50 ランチョンセミナー PRSS. JAPAN 株式会社協賛 座長 : 飯田知里 ( 飯田歯科医院, 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 歯科におけるボツリヌス療法の有用性 筋電計による咬合力コントロールと OA 治療の離脱防止へ.120 症例からの展望 Benefit of Botulinum toxin therapy in dentistry Bite force control by EMG and prevention of dropout of oral appliance, Prospects from 120 case 古畑梓 ( 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 ) Azusa Furuhata ( Furuhata Sleep-Disordered Breathing Research Institute, Japan Medical corporation Azusakai Furuhata Dental Clinic, Japan) 14:00 14:50 特別講演 座長 : 秀島雅之 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) 睡眠呼吸障害の診断と治療の最前線 Front line of diagnosis and treatment of sleep-disordered breathing 葛西隆敏 ( 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科 心血管睡眠呼吸医学講座 ) Takatoshi Kasai ( Cardiovascular Respiratory Sleep Medicine, Department of Cardiovascular Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine) 15:00 16:20 シンポジウム 2:OSA 治療評価の新たなアウトカムを考える AHI 単独評価からの脱却! 座長 : 鱒見進一 ( 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 ) 立石知也 ( 東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科 ) 1. OSA 治療アウトカムとしての眠気 Sleepiness as a treatment outcome of obstructive sleep apnea 古橋明文 ( 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 ) Akifumi Furuhashi (Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Aichi Medical University) 2. OSA 治療アウトカムとしての血圧 Blood pressure as the treatment outcome for obstructive sleep apnea 奥野健太郎 ( 大阪歯科大学高齢者歯科学講座, 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター ) Kentaro Okuno (Department of Geriatric Dentistry, Osaka Dental University Center for Dental Sleep Medicine, Osaka Dental University Hospital) 3. OSA 治療アウトカムとしてのアスリートのパフォーマンスについて Performance of Sports Athletes as an OSA Treatment Outcome 鈴木浩司 ( 日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野 ) Hiroshi Suzuki ( Division of Oral Function and Rehabilitation, Department of Oral Health Science, Nihon University School of Dentistry at Matsudo) 16:25 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会閉会式 18

21 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム WEB 会場 ROOM B 9:50 10:50 臨床セミナー : 医歯連携 東京医科歯科大学快眠センター 快眠歯科の連携診療 座長 : 宮崎泰成 ( 東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科 ) 1. 医学部附属病院快眠センター (SAS 外来 ) の取り組み Efforts of TMDU Medical Hospital Center for Pleasant Sleep, Sleep apnea clinic 玉岡明洋 ( 東京医科歯科大学呼吸 睡眠制御学講座 ) Meiyo Tamaoka ( Respiratory Physiology and Sleep Medicine, Tokyo Medical and Dental University) 2. 医学部快眠センター 過眠症外来, 夜間異常行動外来の取り組み Clinical review of TMDU Medical Hospital Center for Pleasant Sleep, Hypersomnia and Parasomnia clinic 高木俊輔 ( 東京医科歯科大学精神行動医科学分野 ) Shunsuke Takagi (Psychiatry and Behavioral Sciences, Tokyo Medical and Dental University) 3. 快眠センター 快眠歯科外来の連携診療の概要と OA 療法 Outline of medical treatment by medical and dental cooperation of sleep medicine and oral appliance therapy 中村周平 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ) Shuhei Nakamura ( Dental Clinic for Sleep Disorders (Apnea and Snoring), Dental Hospital, Tokyo Medical and Dental University) 11:00 11:50 臨床スキルアップセミナー 株式会社スマートプラクティスジャパン協賛 座長 : 植野芳和 ( 松翁会歯科診療所 ) 上下分離型 OA 臨床の実際 Clinical practice to apply with vertically separated oral appliance in OSA 入江道文 ( 医療法人道文会入江クリニック ) Michinori Irie (Irie Clinic, Dou-Bun Kai Healthcare Corporation) 13:00 13:40 優秀口演発表賞ノミネート演題 14:00 14:50 新規保険収載セミナー 座長 : 槙原絵理 ( 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 ) 歯ぎしり診断のための睡眠時歯科筋電図検査の活用法 Practical use of dental sleep electoromyography for sleep bruxism diagnosis 鈴木善貴 ( 徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野 ) Yoshitaka Suzuki ( Department of Stomatognathic Function and Occlusal Reconstruction, Graduate School of Biomedical Sciences, Tokushima University) 15:00 15:50 国際講演 座長 : 角谷寛 ( 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 ) Role of orthodontic intervention in OSA: Functional and physiological approach of orofacial structure restoration Audrey Yoon ( Department of Orthodontics, Pediatric Dentistry, Sleep Medicine, University of Pacific, UCLA, Stanford University) 19

22 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム WEB 会場 ROOM C 一般口演 O-01 快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来の閉塞性睡眠時無呼吸における口腔内装置療法の臨床的有効性の検討 中村周平 1), 秀島雅之 1), 石山裕之 2), 飯田知里 1), 佐藤光生 1), 古畑升 1), 鈴木達 3), 松原恒 3), 玉岡明洋 4), 宮崎泰成 4) 1) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 2) 東京医科歯科大学歯学部附属病院顎関節治療部 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 4) 東京医科歯科大学医学部附属病院快眠センター O-02 米国における睡眠歯科医学の臨床現場と教育制度 宮地舞 1), 秀島雅之 1),R. Merrill 2),S. Arman 2) 1) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 2)UCLA School of Dentistry, Orofacial pain and Dental sleep medicine clinic O-03 中枢性無呼吸混在型 OSA 患者,lip incompetence( 口唇閉鎖不全 ) を伴う就寝中口呼吸患者の無随意呼吸の特徴 過換気呼吸と睡眠時無呼吸 口呼吸との関係 山本裕明 1,2), 秀島雅之 3) 1) 津田歯科医院 2) 日本歯科先端技術研究所 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 O-04 クラスター分析を用いた閉塞性睡眠時無呼吸患者の臨床像に関する検討 真砂彩子 1), 奥野健太郎 1,2), 姫嶋皓大 3), 松﨑悟士 4), 髙橋一也 1) 1) 大阪歯科大学高齢者歯科学講座 2) 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター 3) 大阪歯科大学口腔外科学第一講座 4) 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 O-05 閉塞性睡眠時無呼吸患者における睡眠薬の服薬状況に関する臨床的検討 松﨑悟士 1), 奥野健太郎 2,3), 真砂彩子 2), 姫嶋皓大 4), 田中順子 1), 髙橋一也 2) 1) 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 2) 大阪歯科大学高齢者歯科学講座 3) 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター 4) 大阪歯科大学口腔外科学第一講座 O-06 睡眠歯科外来における鼻腔通気検査の評価方法の検討 澤ありさ 1), 鈴木浩司 1,2), 岩田好弘 1,2), 新井恵太 2), 安田明弘 1,2), 竹内広樹 1,2), 中山敏行 1), 本吉美保 1), 勝谷七穂 1), 小見山道 1) 1) 日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野 2) 日本大学松戸歯学部付属病院いびき外来 O-07 口腔内装置治療後に残遺眠気を認めナルコレプシーの診断に至った 1 例 西尾佳朋, 古橋明文, 加藤三香子, 近藤崇之, 滝川友佳子, 伊藤邦弘, 風岡宜暁愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 O-08 閉塞性睡眠時無呼吸に対する半固定式と固定式口腔内装置の比較検討 : ランダム化クロスオーバー試験 中村則夫 1), 柳本惣市 1), 三好太郎 1), 坂本由紀 1,2), 梅田正博 1) 1) 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 2) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 O-09 保険適用 OA の効率的な下顎前方移動および固定法の提案 柳沢治之 1), 秀島雅之 2) 1) 柳沢歯科 2) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 20

23 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム O-10 PSG の判定基準によって OA の効果評価が異なった 1 症例 北村雄樹 1,2), 和田真有子 2), 名嘉真武輝 2), 葭澤秀一郎 2), 有吉秀郎 2), 河野茜 2), 河野正己 2) 1) キタムラ歯科医院 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター O-11 体位依存性閉塞性睡眠時無呼吸における口腔内装置による治療効果と顎顔面形態の関連性についての後ろ向き研究 三好太郎 1), 柳本惣市 1), 中村則夫 1), 坂本由紀 2), 梅田正博 1) 1) 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 2) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 O-12 上下分離型口腔内装置の適用と睡眠衛生指導治療介入により, 重症睡眠時無呼吸の顕著な改善がみられた症例 宇納弓恵 1,3), 高崎裕美 2), 北村京子 1), 鈴木千恵 1), 入江道文 1,2), 山田和人 2), 阪野勝久 3) 1) 入江クリニック 2) 福井赤十字病院歯科口腔外科 3) 阪野クリニック ポスター掲示 P-01 アンケートを用いた新潟県における睡眠歯科医療に関する実態調査 長谷部大地, 遠藤諭, 須田大亮, 齋藤大輔, 三上俊彦, 小林正治新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 P-02 閉塞性睡眠時無呼吸患者における顎下部筋群硬度の検討 大楠弘通, 槙原絵理, 渡辺崇文, 鱒見進一九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 P-03 閉塞性睡眠時無呼吸の治療結果 ( アウトカム ) に対する患者の価値観と意向 吉田佳史 1), 佐藤一道 2), 小松万純 1), 平賀智豊 3), 伊藤泰隆 3), 塚本裕介 4), 松浦信幸 1), 野村武史 3), 飯村慈朗 5), 中島庸也 5) 1) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 2) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科 3) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 4) 塚本歯科医院 5) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 P-04 上顎無歯顎者に口腔内装置による治療が奏功した閉塞性睡眠時無呼吸の一例 大元秀一 1,2), 小松万純 3), 平賀智豊 2), 伊藤泰隆 2), 吉田佳史 3), 松浦信幸 3), 野村武史 2), 飯村慈朗 4), 中島庸也 4) 1) 医療法人伊勢ファミリー歯科矯正歯科 2) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 3) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 4) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 P-05 顎矯正手術による顎骨移動と顎顔面形態が上気道抵抗に及ぼす影響について 阿崎宏昭 1), 篠塚啓二 1), 山縣加夏子 1), 草野明美 1), 荻澤翔平 1), 青木淳也 2), 座間学 3), 大谷紗織 3), 山田剛也 4), 西久保周一 1), 佐藤貴子 1), 磯野史朗 5), 外木守雄 1) 1) 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 2) 東海大学医学部付属八王寺病院歯科 口腔外科 3) 獨協医科大学病院口腔外科 4) 彦根市立病院歯科口腔外科 5) 千葉大学病院麻酔 疼痛 緩和医療科 P-06 小児の閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対する筋機能を活用した口腔内装置 渡邉崇, 西脇まなみ尾張矯正歯科 21

24 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム P-07 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 流行下における新しい睡眠歯科医学教育の取り組み 小松万純 1), 平賀智豊 2), 伊藤泰隆 2), 吉田佳史 1), 飯村慈朗 3), 中島庸也 3), 野村武史 2), 松浦信幸 1) 1) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 2) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 3) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 P-08 閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置による治療の中断症例の検討 平賀智豊 1), 小松万純 2), 伊藤泰隆 1), 吉田佳史 2), 飯村慈朗 3), 中島庸也 3), 松浦信幸 2), 野村武史 1) 1) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 2) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 3) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 P-09 閉塞性睡眠時無呼吸に対する上下顎前方移動術後の口腔容積に占める舌の比較検討 荻澤翔平, 西久保周一, 阿崎宏昭, 山縣加夏子, 植木皓介, 草野明美, 篠塚啓二, 佐藤貴子, 外木守雄日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 P-10 上顎劣成長が原因で OSA を発症した症例 石井友季子 1), 瀬戸一恵 1), 片平治人 1), 河野正己 2) 1) 医療法人社団康治会片平歯科クリニック 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター P-11 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対する口腔内装置治療を行う最も有効な前方移動量の検討 システマティックレビュー 坂本由紀 1), 古橋明文 2), 古森亜里 3), 石山裕之 4), 長谷部大地 5), 佐藤一道 6), 湯浅秀道 7) 1) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 2) 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 3) 大阪医科大学医学部感覚器機能形態医学講座口腔外科学教室 4) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 5) 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 6) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科 7) 独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター歯科口腔外科 P-12 当院にて OA 治療を行った高齢 OSA 患者の特徴について 伊藤邦弘, 加藤三香子, 瀧川友佳子, 近藤崇之, 西尾佳朋, 古橋明文, 風岡宜暁愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 P-13 閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置療法における, 装置の形態 ( 一体型または分離型 ) に関した系統的レビューおよびメタ解析 石山裕之 1), 長谷部大地 2), 佐藤一道 3), 坂本由紀 4), 古橋明文 5), 古森亜理 6), 湯浅秀道 7) 1) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 2) 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 3) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科 4) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 5) 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 6) 大阪医科大学医学部感覚器機能形態医学講座口腔外科学教室 7) 独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター歯科口腔外科 P-14 口腔内装置 (OA) を継続使用している患者に対するボツリヌス療法は呼吸障害指数 (RDI) にどのような影響を与えるか 古畑梓 1,2), 古畑升 1,2,3), 三ツ林裕己 2) 1) 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 2) 日本歯科大学生命歯学部内科学講座 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 22

25 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine プログラム 報告発表 CR-01 OSA 治療の代替となるタング ライト ポジショナー (TRP): 症例報告 アブデルマジッドベラター 1), フレデリックヴァンプル 2), サンドラクルソン 3), ヤンサンジュルジュショメ 4) 1) ローザレ病院フランスオーベルビリエ 2) 理学 運動療法 CETOF 学院長フランストゥール 3) クルソン研究所アメリカデンバー 4) タングラボラトリーフランスパリ CR-02 OA 装着後に簡易検査で数値が悪化した症例について 齋藤七海 1,2,3,5), 佐藤晴瑞 1), 佐藤哲大 1), 二宮健司 2), 齋藤滋子 3), 片平治人 4), 秀島雅之 5) 1) ノエルクリニック心臓血管外科歯科 2) 二宮歯科医院 3) サイトウ歯科 4) 片平歯科クリニック 5) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 CR-03 口腔内装置 (OA) 治療の長期使用に伴い歯列及び咬合変化を経験した 2 症例の報告 瀬戸一恵 1), 石井友季子 1), 片平治人 1), 河野正己 2) 1) 医療法人社団康治会片平歯科クリニック 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター 23

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27 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会抄録集 睡眠歯科医学基礎講座 2020 認定医取得のためのセミナー

28 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 睡眠歯科医学基礎講座 2020 臨床編 内科医金子泰之 ( 池袋スリープケアクリニック ) 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の診療を行っていく上での基礎知識, そして実際の診療, 第一選択治療として位 置づけられている CPAP 療法の効能や問題点, さらに医科歯科連携などについて概説する予定である. 歯科医古畑升 ( 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 ) 医療連携, 口腔内装置 (OA) の作用機序, 効果に差がある原因,OA 製作手順と下顎の位置設定 (Titration), OA 使用時の不快症状の原因と対処法, 長期使用による副作用と変化, これらに関して長年治療に携わってきた経験から解説します. 歯科医川上哲司 ( 奈良県立医科大学口腔外科学講座 ) OSA に対する OA 治療は, 有効な一治療法として施行されているが, 顎関節および咀嚼筋の違和感や疼痛などの有害事象を生じることもある. しかしながら, 顎関節症患者のための初期治療診療ガイドライン ( 日本顎関節学会 ) に遵守して行えば問題はない. 今回は,OA 治療の有効性を高めるために知っておきたい顎関節症状の基礎知識について解説します. 26

29 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 睡眠歯科医学基礎講座 2020 研究編 精神科医角谷寛 ( 滋賀医科大学睡眠行動医学講座 ) 和文論文を作成した経験のある方は, 次のステップとして英論文の作成を目指しましょう. 記載すべき内容は和文と同じですし, 睡眠口腔医学 も英論文を受け付けておりますので, ぜひチャレンジしてください. そのお役に立てるよう, 勘所について解説いたします. 歯科医西山暁 ( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 ) RCT 論文はすべてエビデンスレベルが高いと判断していいのだろうか. 対象としている患者群, アウトカム, 治療期間などが, 目の前の患者と同等だろうか. 本講演では, このような批判的吟味の概要を, 実際の論文を例にとって解説してゆく. 歯科医古橋明文 ( 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 ) 我々歯科医が知識や経験を生かし, 口腔 上気道に関連した睡眠呼吸障害の治療 予防に貢献できる睡眠歯科は, 奥深く, やりがいのある領域です. また, 病態が異なる小児から高齢者までを対象とする睡眠歯科研究は, テーマも多岐にわたり, 面白さに溢れています. 本講演では, 診療ガイドラインワーキンググループの活動を交えながら, 睡眠歯科研究の変遷, 今後に期待されることをお話ししたいと思います. 27

30 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 睡眠歯科医学基礎講座 2020 歯科衛生士編 歯科医清水清恵 ( 清水歯科クリニック ) 口腔筋機能療法 :MFT は非侵襲的で特殊な医療機器を使用しないため汎用性が高く, 小児 OSA の補完療法として関心を集めています. 文献的には一定の効果が期待できるとされていますが臨床応用に関しては十分な実績があるとは言えません. 本講演では小児 OSA への MFT 応用の可能性と留意点について解説したいと思います. 歯科技工士編 歯科技工士鈴木達 ( 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 ) 睡眠時無呼吸症装置の製作について, 使用する機材の比較, 材料の特徴など, 私の装置製作手順の紹介を交えながら, 装置製作に必要な基礎知識から臨床まで幅広く紹介したい. 28

31 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 認定医取得のためのセミナー 飯田知里飯田歯科医院, 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 日本睡眠歯科学会認定審査委員会委員長 日本睡眠歯科学会では, 睡眠呼吸障害治療の口腔内装置をはじめとした口腔と関連する睡眠障害の研究や臨床を推進し, 治療に直接かかわる歯科医師, 医師, およびコ デンタル, メディカルスタッフの教育研修を進め, 高度かつ専門的な睡眠医療の能力を持つ歯科医師, 医師, およびコ デンタル, メディカルスタッフを養成, 国民に高水準な睡眠歯科医療を提供するために認定医制度を確立し, 広く国民の増進と福祉に貢献することを目的とし, 認定医制度を 2015 年に発足いたしました. 現在, 学会指導医は 64 名, 認定医は 19 名となっております. 指導医 認定医は年に一度, 審査が行われ, 認定審査委員会によって認定が行われます. この審査は, 睡眠呼吸障害に関してだけではなく, 睡眠障害全般の知識が必要とされており, 日々の臨床において非常に役立つ知識となっております. 今回のセミナーでは, 認定医 指導医の申請についてのご説明とともに, 審査のために必要な知識や臨床に役立てる方法などお伝えしていきたいと思います. 29

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33 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会抄録集 特 別 講 演 教 育 講 演 国 際 講 演 シンポジウム 1 シンポジウム 2 臨 床 セ ミ ナ ー ランチョンセミナー 臨床スキルアップセミナー 新規保険収載セミナー

34 特別講演 睡眠呼吸障害の診断と治療の最前線 Front line of diagnosis and treatment of sleep-disordered breathing 葛西隆敏順天堂大学大学院医学研究科循環器内科 心血管睡眠呼吸医学講座 Takatoshi Kasai Cardiovascular Respiratory Sleep Medicine, Department of Cardiovascular Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine わが国の睡眠呼吸障害 (SDB) の診断 治療の普及は目覚ましいが, いまだに診断 治療に至らない潜在的症例も多い.SDB 診断ではまず重要なのは問診であり, 日中の眠気やいびきなどの症状を注意深く問診する必要はあるが, 循環器疾患などを有する患者においてはこういった症状が乏しいことに注意する必要がある.SDB の検査として, スクリーニングとしてのパルスオキシメーター, 自宅で検査が可能で一部の重症例では CPAP の導入も可能な簡易ポリグラフ検査, 脳波や筋電図なども使用し睡眠の深度や無呼吸の性状を詳しく見ることの出来るポリソムノグラフィが使用可能であるが, 無呼吸の結果として生じる心拍変動や血管の緊張度の変化などから SDB の存在の有無を評価するような検査方法もあり, わが国でも普及してきている. 治療に関しては,CPAP などの陽圧呼吸療法の普及は目覚しいが, アドヒアランスの問題もあり代替治療が話題となっており, マウスピースによる治療はその一つである. 本講演では,SDB の診断と治療の最前線に関して話題提供に加え, 今後の展望について述べる. 略歴 平成 10 年 3 月順天堂大学医学部卒業平成 10 年 4 月虎の門病院内科研修医平成 14 年 4 月順天堂大学大学院医学研究科循環器内科講座平成 18 年 4 月虎の門病院睡眠センター医員平成 21 年 3 月カナダトロント大学睡眠医学研究所研究員平成 24 年 4 月順天堂大学大学院医学研究科循環器内科 循環呼吸睡眠医学講座准教授平成 27 年 4 月同大学院医学研究科心血管睡眠呼吸医学講座准教授平成 31 年 4 月同医学部附属順天堂医院睡眠 呼吸障害センターセンター長 受賞臨床呼吸生理研究会奨励賞 ( 平成 18 年 ) 福田記念医療技術振興財団論文表彰 ( 平成 23 年度 ) 心不全陽圧治療研究会研究論文表彰 ( 平成 26 年度 ) 所属学会日本内科学会 ( 認定内科医 総合内科専門医 ), 日本循環器学会 ( 循環器専門医 ), 日本心臓病学会 ( 代議員 特別正会員 ), 日本心不全学会 ( 代議員 健保対策委員 ), 日本睡眠学会 ( 幹事 評議員 医療費適正化委員 ), 日本高血圧学会, American Heart Association, American College of Cardiology, American Thoracic Society, American Academy of Sleep Medicine, European Society of Cardiology 32

35 教育講演 舌, 呼吸と成長発育一臨床医の原点快眠 Tongue, breathing, growth and development: Back to a clinicianʼs square one in sleep 小野卓史東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野 TakashiOno,DDS,PhD OrthodonticScience,GraduateSchoolofMedicalandDentalSciences TokyoMedicalandDentalUniversity(TMDU) 古より, 歯亡舌存 ( 説苑 ) といわれているように, 失われるかもしれない歯と違い, 舌は, 生涯にわたり顎顔面口腔領域の形態および機能に影響を与える器官である. 演者は, 大学院時代から一貫して舌の生理的な機能ならびにその障害に関する研究に携わってきた結果, 舌は呼吸器官である と認識するに至った. すなわち舌は, 咀嚼 発音機能などに加えて呼吸機能に関与することで, その機能異常が呼吸機能異常を惹起し, 顎顔面口腔領域のみならず, 中枢神経系が司る高次機能を含む全身機能に影響を与える可能性をも有する重要な多機能器官である. その意味も込めて先人は畏怖していたのかもしれない. 本講演では, なぜ演者が, 舌は呼吸器官である という認識に至ったか初期の研究を紹介し, さらに, 軽度 ( 鼻閉 ) から重度 ( 間欠的低酸素状態 ) の呼吸機能異常の重症度に応じた顎顔面領域ならびに高次機能障害を, モデル動物ならびにヒトから得られた最新の知見を通じて明示し, ひいては舌と呼吸, その機能異常が成長発育に与える影響を改めて認識することにつなげ, 患者 QOL の向上を目指した臨床に供したい. 略歴 学歴 1981 東京医科歯科大学歯学部入学 1987 東京医科歯科大学歯学部卒業 1987 東京医科歯科大学大学院歯学研究科入学 1991 同上修了 職歴 日本学術振興会特別研究員 VisitingClinicalAssistantProfessor/Postdoc(UniversityofBritishColumbia) 文部省在外研究員 ( 短期 )(UniversityofCopenhagen) 2010 東京医科歯科大学大学院教授 2015 国際矯正歯科連盟 (WorldFederationofOrthodontists:WFO) 常務理事 2017 AdjunctProfessor(YonseiUniversityCollegeofDentistry,Seoul,Korea) 2017 客座教授 ( 西安交通大学, 西安, 中国 ) 2018 客座教授 ( 山東大学, 済南, 中国 ) 2019 客座教授 ( 吉林大学, 長春, 中国 ) 2019 日本学校歯科医会アドバイザー 2020 東京医科歯科大学歯学部附属病院病院長補佐 所属学会日本矯正歯科学会, 東京矯正歯科学会,InternationalAssociationforDentalResearch(IADR), AmericanAssociationofOrthodontists(AAO),WFO, 他 資格 受賞歴 2018 IADR/AADRWilliamsJ.GiesAward 33

36 国際講演 Role of orthodontic intervention in OSA: Functional and physiological approach of orofacial structure restoration Audrey Yoon Department of Orthodontics, Pediatric Dentistry, Sleep Medicine University of Pacific, UCLA, Stanford University, USA Abstracts Most current orthodontic treatments for obstructive sleep apnea have focused on changing the anatomy to increase the airway space. However, most of orthodontists do not understand the mechanism how anatomical changes affect the pathophysiology of obstructive sleep apnea. Dr Yoon will show her extensive researches for a better understanding the relationship between anatomical factor and physiology of OSA. Dr Yoon will discuss the early identification of the etiology and understanding the pathophysiology to prevent diseases. She will also discuss the orthodontic approach for modifying orofacial growth and development with newest technique to achieve ideal skeletal structures and to reprogram of orofacial muscle function. Guidelines and examples of orthodontic expansion protocol from 2 years old to adults will be introduced for sleep breathing disorder management. Learning Objectives Understand how specific orthodontic protocols can participate in the resolution of OSA Understand the relationship between anatomical factor and physiology of OSA Understand specific orthodontic treatment options that can be offered from infant to adult with persistent OSA Define why early diagnosis and treatment of sleep disordered breathing is imperative for childrenʼs growth and development Curriculum Vitae Doctor of Dental Surgery, Seoul National University, College of Dentistry, South Korea Doctor of Dental Surgery, University of California of Los Angeles, School of Dentistry Pediatric Dentistry Residency, University of California of Los Angeles, School of Dentistry Orthodontic Residency, University of California of Los Angeles, School of Dentistry 2014 Present Visiting Researcher, Stanford Sleep Surgery, Stanford University School of Medicine 2018 Present Honorary Assistant Professor, The University of Hong Kong, Faculty of Dentistry Orthodontics 2020 Present Clinical Associate Faculty, Tufts University, School of Dental Medicine Department of Dental Sleep Medicine 2020 Present Adjunct Assistant Professor, University of Pacific Arthur A. Dugoni School of Dentistry 2020 Present Adjunct Assistant Professor, Stanford University, Stanford Sleep Medicine Center, Department of Psychiatry 34

37 シンポジウム 1-1 歯科タイトレーションとは Titration of oral appliance therapy 柳本惣市長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 SouichiYanamoto DepartmentofOralandMaxillofacialSurgery,NagasakiUniversityGraduateSchoolofBiomedicalSciences 閉塞性睡眠時無呼吸 (obstructivesleepapnea;osa) に対する口腔内装置 (oralappliance;oa) 治療において, 装置の効果を高めるために適切な下顎位を決定することは重要である.OSA が適切にコントロールされると考えられる終点に到達するために行う, 下顎位の前方への連続的かつ段階的な調節を下顎位の titration; タイトレーション といい,OA 使用のアドヒアランスの観点からも適切に行われる必要がある. 通常, タイトレーションの効果は量依存的であり, タイトレーションを確実に行うほど終点に到達しやすい. 具体的な終点とは, 口腔内や顎関節に副作用が生じない範囲かつ OSA に対し効果を発揮する位置ということになる. 本シンポジウムでは, タイトレーションの実際として, 下顎位の初期設定, 下顎位タイトレーションの手順およびタイトレーションの効果を確認する方法などについて述べる. 内容については, 本学会学術誌 睡眠口腔医学 に掲載された総説 閉塞性睡眠時無呼吸と口腔内装置タイトレーション ( 對木悟ら, 睡眠口腔医学 5(1): 1 11, 2018) およびシステマティックレビュー The Most Effective Amount of Forward Movement for Oral AppliancesforObstructiveSleepApnea:ASystematicReview (SakamotoY,etal.IntJEnvironResPublic Health16:3248,2019) を是非参照いただきたい. 略歴 1996 年 3 月長崎大学歯学部卒業 1996 年 6 月長崎大学歯学部附属病院第一口腔外科 研修医 1998 年 4 月長崎大学歯学部附属病院第一口腔外科 医員 1999 年 4 月長崎大学歯学部第一口腔外科 助手 2006 年 4 月長崎大学病院 講師現在に至る 資格日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医 指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 ( 歯科口腔外科 ) 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医 日本口腔腫瘍学会認定 口腔がん専門医 指導医 日本睡眠歯科学会認定 認定医 指導医 受賞第 51 回日本癌治療学会学術集会優秀演題賞日本口腔腫瘍学会学会賞 35

38 シンポジウム 1-2 内視鏡所見を参考とした下顎位タイトレーション Titration of mandibular advancement oral appliances using endoscopy for obstructive sleep apnea 佐々生康宏ささお歯科クリニック口腔機能センター YasuhiroSasao CenterforOral-FacialDisorders,SasaoDentalClinic 最小限の下顎前方移動量で最大限の効果が得られ, かつ副作用のない OralAppliance( 以下 OA) を作製するためには, 月日をかけて下顎位を前方へ連続的かつ段階的に調節していく行為すなわち下顎位タイトレーションが必須である. 効率よくタイトレーションを行うためには, 下顎位の初期設定位置が, タイトレーション後の最終的な下顎位にできるだけ近い位置であれば, タイトレーションの回数も少なく患者の来院回数の軽減などにつなげることができるのではないかと考えられる. 一方,OA は気道確保を目的とした治療にもかかわらず, 実際には気道を見ることなく問診を頼りにタイトレーションを行っている現状がある. 効果的な気道確保を行うためには, 下顎前方移動に伴う気道の変化を何らかの手法により把握する必要がある. 演者は, 日常臨床で経鼻内視鏡を使用しており, 睡眠時無呼吸の閉塞要因の探索や OA の治療効果予測, 効率的なタイトレーションなどに役立てている. 内視鏡の利点は, 気道の動的変化を直接的にリアルタイムに見ることができることである. 内視鏡で得られた情報はタイトレーションの際に応用することが可能であり, 例えば, 気道の開大しやすいタイプでは最大前方移動量の 5 ~ 7 割程度, 気道の開大しにくいタイプではできるだけ多くの前方移動量 (7 割以上 ) をとることを念頭において初期設定することにより, 短距離で OA 完成というゴールにまで導けているのではないかと感じている. 本発表が, タイトレーションを行う際の参考になれば幸いである. タイトレーションという用語は, 厳密な定義では拡大スクリューやプランジャ機構など下顎位を連続的に微細に調整できる機構が組み込まれている必要があるが, 本発表では上下を毎回切り離しながら再固定して調節する上下一体型 OA についてもタイトレーションと呼び, その概念を用いることとする. 略歴 2000 年 3 月大阪大学歯学部卒業 2004 年 3 月大阪大学博士 ( 歯学 ) 取得 大阪大学大学院歯学研究科卒業 2004 年 4 月大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部 医員 2008 年 4 月重症心身障害児者施設四天王寺和らぎ苑 歯科科長 2010 年 4 月大阪大学歯学部臨床講師兼務 2011 年 5 月ささお歯科クリニック口腔機能センター 院長 2012 年 4 月大阪大学歯学部招聘教員兼務 2013 年 6 月光風園病院非常勤医兼務 2016 年 11 月山口大学医学部臨床教授兼務 専門分野摂食嚥下障害, 睡眠時無呼吸, 音声言語障害, ドライマウスなどの口腔機能障害 資格大阪大学博士 ( 歯学 ), 日本睡眠学会歯科専門医, 日本睡眠歯科学会指導医, 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士, 歯科医師臨床研修指導医 所属学会日本睡眠歯科学会, 日本睡眠学会, 日本臨床睡眠医学会, 日本摂食嚥下リハビリテーション学会, 日本口腔外科学会, 日本口腔科学会, 日本障害者歯科学会, 日本老年歯科医学会,AmericanAcademyofDentalSleepMedicine 受賞 ClinicalResearchAward(AmericanAcademyofDentalSleepMedicine2010) 36

39 シンポジウム 1-3 これまでの上気道流体シミュレーションを用いた研究からみたタイトレーションについて Consideration to the titration of oral appliance from previous CFD studies 岩崎智憲鹿児島大学医歯学総合研究科小児歯科学分野 TomonoriIwasaki KagoshimaUniversity,GraduateSchoolofMedicalandDentalSciences, DepartmentofPediatricDentistry 口腔内装置 (OA) は下顎を前方に移動させて咽頭気道を拡大することで, 筋の弛緩する睡眠中に生じる吸気時の陰圧による咽頭気道の収縮が生じた場合でも通気が確保されることで,OSA 症状が軽減する. そのため, 咽頭気道の拡大量に関わる OA 使用時のタイトレーションはその治療効果に密接に関連する. 演者はこれまで CT データを用いて上気道 3 次元モデルを構築し, 実際の呼吸時の空気の流れを流体解析を用いて再現することで, 形状の複雑な上気道の通気状態を評価する上気道流体シミュレーションを用いた研究を行ってきた. そこで今回, これまで行った吸気時の咽頭気道陰圧に関する研究を紹介し,OA のタイトレーションの参考になればと考える. 研究 1 OA 装着時の上気道通気状態を評価したところ, 吸気時に生じる咽頭気道陰圧が無呼吸低呼吸指数と密接に関連することが示された. これは陰圧が強い場合, 筋が弛緩する睡眠中では強い陰圧のため咽頭気道が大きく収縮し, 閉塞することを示すためと考えられた. 研究 2 下顎後退術を行った症例の吸気時の咽頭気道陰圧を調べた研究では, 咽頭気道の前後径と同部に生じる陰圧は反比例に近い関係を示したことから, 下顎後退に伴う咽頭気道の前後径の変化量が同じ場合でも, 初めの咽頭気道の前後径により, 陰圧の変化量は大きく異なること, 咽頭気道の前後径が 7 mm 以下になると陰圧が急激に強くなることが示された. この結果はタイトレーション時の下顎前方移動量が同じ場合でも, 移動前の咽頭気道の前後径により, 吸気時に生じる陰圧の軽減量が大きく異なり, 装着前の咽頭気道の前後径が小さい症例では吸気時陰圧の軽減効果は大きく, 反対に咽頭気道の前後径が大きい場合は軽減効果は小さく,OA の効果は咽頭気道の前後径に大きく影響することが示された. 以上のことから,OA のタイトレーションについて, 咽頭気道前後径に影響する下顎前方移動量に加え, 装着前の咽頭気道前後径を考慮する必要性があると考える. 略歴 1990 年 3 月 鹿児島大学歯学部卒業 1994 年 4 月 鹿児島大学歯学部小児歯科助手 2010 年 8 月 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野講師 2014 年 5 月 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野准教授 2014 年 7 月 ~ 2015 年 2 月 StanfordUniversitySchoolofMedicine(Visitingassociateprofessor) 所属学会日本小児歯科学会 ( 専門医 指導医 ) 日本睡眠歯科学会 ( 理事 ) 受賞 2008 年 5 月第 46 回 日本小児歯科学会大会 優秀発表賞 2008 年 9 月第 67 回 日本矯正歯科学会大会 優秀発表賞 2010 年 9 月第 69 回 日本矯正歯科学会大会 優秀発表賞 2012 年 6 月第 37 回 日本睡眠学会大会 ベストプレゼンテーション賞 2015 年 5 月平成 26 年度 日本小児歯科学会 学術賞 LIONAWARD 2015 年 8 月平成 27 年度 鹿児島大学ベストリサーチャー賞 2016 年 12 月平成 28 年度 日本小児歯科学会 町田賞 優秀論文賞 2018 年 10 月平成 29 年度鹿児島大学ベストリサーチャー賞 2019 年 6 月第 57 回 日本小児歯科学会大会 町田賞 優秀発表賞 2019 年 9 月日本歯科医学会 第 35 回 歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い 優秀発表賞 2019 年 11 月令和元年度 鹿児島大学歯学部同窓会 奨励賞 2019 年 12 月令和元年度 日本小児歯科学会 町田賞 研究奨励賞 37

40 シンポジウム 2-1 OSA 治療アウトカムとしての眠気 Sleepiness as a treatment outcome of obstructive sleep apnea 古橋明文愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 AkifumiFuruhashi DepartmentofOralandMaxillofacialSurgery,AichiMedicalUniversity 閉塞性睡眠時無呼吸 (Obstructivesleepapnea:OSA) は, 睡眠中 1 時間あたりの無呼吸 低呼吸指数 (Apneahypopneaindex:AHI) が 5 以上かつ, 日中傾眠, 中途覚醒, いびき, 倦怠感などの症状を伴った状態とされている. 睡眠検査によって算出される AHI は睡眠に関する客観的評価であり,OSA 治療において臨床医は AHI を改善することを重要視する. このことは,AHI による重症度が心血管イベントの発生や生存率と関連することが示されていることから当然であり, 口腔内装置治療 (Oralappliance:OA) においても AHI の改善を目指すことは重要である. 一方で, 睡眠医療機関を受診する患者の主訴が眠気であることは多く, これらの例では, 治療により AHI が改善しても残遺眠気がある場合には患者の主訴が改善されず,AHI の改善を目指した評価が全てとは言い難い. 眠気は, 自己の睡眠に対する主観的な評価であり比較しにくいものであるが, エプワース眠気尺度 (Epworthsleepinessscale:ESS) が日中の主観的眠気を評価する指標として一般的に広く使用されている.8 項目の質問に回答する簡単な評価方法であり容易に導入できることが特徴であるが,AHI によって判定される治療効果と ESS の点数は相関しないとの報告も散見され,OSA 治療において ESS 点数の変化をどの程度重要視すべきか検討が必要と考える. 本講演では,AHI 単独評価から脱却し,OSA 治療アウトカムとしての眠気を評価することの意義について当院における OSA 治療結果と文献的考察から考える. 略歴 2007 年愛知学院大学歯学部歯学科卒業 2013 年愛知医科大学大学院医学研究科博士課程口腔外科学専攻修了 ( 医学博士 ) 職歴 2007 年愛知医科大学病院歯科口腔外科臨床研修医 2009 年愛知医科大学病院歯科口腔外科助教 ( 専修医 ) 2012 年愛知医科大学病院歯科口腔外科助教 ( 医員助教 ) 2013 年愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学助教 2017 年愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学講師現在に至る 所属学会日本睡眠歯科学会 ( 認定医 指導医 ) 日本睡眠学会 ( 歯科専門医 ) 日本口腔外科学会 ( 専門医 認定医 ) 日本口腔科学会 ( 認定医 ) など 38

41 シンポジウム 2-2 OSA 治療アウトカムとしての血圧 Blood pressure as the treatment outcome for obstructive sleep apnea 奥野健太郎大阪歯科大学高齢者歯科学講座 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター KentaroOkuno DepartmentofGeriatricDentistry,OsakaDentalUniversity CenterforDentalSleepMedicine,OsakaDentalUniversityHospital 近年, 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) と循環器疾患との関連性が次々に明らかになってきた. 睡眠呼吸障害の約 50% に高血圧を, 治療抵抗性高血圧患者の 83% に OSA を認めると報告されている. また,OSA は夜間発症の心臓突然死や脳血管疾患の重大な危険因子とされている. これらの報告からも,OSA の病態評価として, 血圧評価の重要性が示唆される. 特に,OSA による睡眠中に繰り返される低酸素血症が引き金となり生じる急峻で甚大な血圧サージ ( スリープサージ ) は, 脳心血管イベントの発生に関わると言われており, 循環器イベントリスクの新たな指標として注目を集めている.OSA の循環器に与える影響を考える際に, 高血圧のコントロールという観点からは診療室 家庭血圧の評価が有用であることは言うまでもないが,OSA の致死性疾患へ関与という観点からは, 夜間睡眠中のスリープサージの評価が重要である. OSA に伴う血圧評価に関しては, 家庭血圧計を用いた研究では, 夕方に比べて起床時の血圧が高いことが報告されている. また,24 時間血圧測定による研究では, 通常低下する夜間睡眠中の血圧 (Dipper) が,OSA 患者では低下しないタイプ (Non-dipper), 上昇するタイプ (Riser) が多いことが報告されている. しかしながら, スリープサージは一過性の血圧上昇であるため, 家庭血圧測定や 24 時間血圧測定など従来の方法では捉えることできなかった. 今回, 我々の研究グループでは, 心電図と脈派から心拍毎に算出が可能である PTT(PulseTransitTime) 血圧測定法という新たな技術を用いて,OA 治療前後の評価を行なった結果, スリープサージの改善を認めた症例を経験したので報告する. 本講演では,OSA 治療のアウトカムとしての血圧評価の重要性について, 皆様と共に議論を深めていきたい. 略歴 2003 年大阪大学歯学部卒業 2007 年大阪大学大学院学位取得修了大阪大学博士 ( 歯学 ) 2007 年大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部医員 2014 年ブリティッシュコロンビア大学歯学部招聘講師 2016 年大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部医員 2017 年大阪歯科大学高齢者歯科学講座助教 2019 年大阪歯科大学高齢者歯科学講座講師 資格日本睡眠学会歯科専門医日本睡眠歯科学会認定医 指導医日本摂食 嚥下リハビリテーション学会認定士日本老年歯科医学会認定医 専門医日本口腔科学会認定医 著書歯科医師の歯科医師による歯科医師のための睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置治療 ( 医歯薬出版 ) 39

42 シンポジウム 2-3 OSA 治療アウトカムとしてのアスリートのパフォーマンスについて Performance of Sports Athletes as an OSA Treatment Outcome 鈴木浩司日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野 HiroshiSuzuki DivisionofOralFunctionandRehabilitation,DepartmentofOralHealthScience, NihonUniversitySchoolofDentistryatMatsudo より速く (Citius), より高く (Altius), より強く (Fortius) というオリンピックのモットーは, オリンピック ムーブメントに所属するすべての者への IOC からのメッセージであり, オリンピック精神に基づいて研鑽することを呼びかけたものである. プロ アマ問わず誰もが目標とするところであろう. アスリートが研鑽を積む過程の中で, 睡眠歯科はどのように貢献できるであろうか? 演者らは日本人ラグビー選手 42 名に対し簡易睡眠検査を実施した結果, 約 60% に OSA が認められた. また, この中の約 93% が軽症や中等症であるため, 睡眠歯科医による OA 治療の対象となる. さらに, この中の 6 名に OA を製作した結果, いびき音の消失をはじめ,REI や最低 SpO 2 の改善を認めた. ここで,6 名に対し OA 装着前後で起床時の Reactiontime の変化を見たところ, 全員が有意に改善していた. これは, 睡眠歯科が競技力改善に貢献できる可能性を秘めた結果と考えられる. 起床時の Reactiontime はアスリートにおける OSA 治療のアウトカムの一つとして有効ではないか. 一方, アスリートには明らかに OSA ありと思われる体格の選手もいれば, そうでない選手にも OSA あるいはいびきが見られる. これらのアスリートに散見されるのが鼻閉である. 日本人トップサッカー選手 53 名にいびきと鼻閉の簡易検査を実施したところ, 約 30% の者が現在いびきの指摘を受けていて, 約 50% の者に鼻閉の自覚症状があった. トップアスリートに鼻閉が多いというのは非常に興味深い結果と言える. 演者らは現在鼻閉と口呼吸の観点から多くのアスリートに協力を得て, 調査を継続しているが, 口呼吸の改善に MFT, ヨガ,Nasal stent 等を駆使し, 睡眠の質改善からの競技力向上を期待している. 鼻閉による口呼吸の程度もアスリートにおける OSA 治療のアウトカムとして有効になるのではないかと考えている. 本シンポジウムでは, これまで得られた結果や最近経験した症例を含め, アスリートの OSA を AHI とは異なった視点から考察してみたい. 略歴 1993 年日本大学松戸歯学部卒業 1997 年日本大学大学院松戸歯学研究科修了博士 ( 歯学 ) 2006 年日本大学松戸歯学部 口腔機能学講座専任講師 2007 年サンパウロ州立大学歯学部客員研究員 2012 年日本大学松戸歯学部付属病院いびき外来長 2012 年 Sydney 大学健康科学部客員研究員 (~ 2013) 2016 年日本大学松戸歯学部付属病院スポーツ健康歯科科長 2019 年日本大学松戸歯学部 口腔健康科学講座 顎口腔機能治療学分野准教授現在に至る 所属学会 NPO 法人日本睡眠歯科学会 ( 理事, 指導医, 認定医 ) ( 一社 ) 日本補綴歯科学会 ( 代議員, 指導医, 専門医 ) ( 一社 ) 日本スポーツ歯科医学会 ( 代議員, 認定医 ) 嘱託等 ( 公財 ) 日本オリンピック委員会強化委員 ( 医 科学スタッフ ) ( 公財 ) 日本アンチ ドーピング機構 SeniorDCP ( 公財 ) 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト ( 公財 ) 全日本空手道連盟強化委員 医科学委員 受賞 NPO 法人日本睡眠歯科学会 菊池賞 (2017,2019) 40

43 臨床セミナー 1 医学部附属病院快眠センター (SAS 外来 ) の取り組み Efforts of TMDU Medical Hospital Center for Pleasant Sleep, Sleep apnea clinic 玉岡明洋東京医科歯科大学呼吸 睡眠制御学講座 MeiyoTamaoka RespiratoryPhysiologyandSleepMedicine,TokyoMedicalandDentalUniversity 閉塞型睡眠時無呼吸症 (OSA) 患者の治療には, 持続気道陽圧療法 (CPAP), 口腔内装置 (OA), 外科的治療などがあるが, 実際には主に CPAP または OA が用いられているのが現状である.CPAP か OA かの選択にあたっては終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) の結果に基づいて, 無呼吸低呼吸指数 (AHI) 20 では CPAP 導入, < 20 では OA を処方するという方策をとっている. これは医学的な選択であると同時に我が国の保険適用による縛りでもある. CPAP が特に重症の OSA 患者の治療において最も有効な方法であることは間違いないが, 一方で重症 OSA においても OA が有効であるケースの報告も増えて来ている. どちらも十分な治療効果と生命予後の改善を期待するためには継続してデバイスを使用できるかが重要であるが, アドヒアランスの面では OA が有意とのデータもある.CPAP を導入した患者でも空気圧やマスクの接触による不快感等で継続が困難となるケースもしばしば経験する. このようなケースでは患者が徐々に外来に来なくなり OSA に対する治療がそのまま中断してしまうこともある. 同じ AHI でも年齢, 肥満の程度, 無呼吸 / 低呼吸の比率, 体位依存性など違いがあり, 特に体位依存性の大きい患者では OA がより有効との報告もある. 患者の状況に応じて重症例であっても積極的に OA の適応の有無を見極めて行くことは重要と考えられる.OA の処方の決定権は現在の医療制度のもとでは医科のみにあり, しばしば OA 治療は医科から歯科への一方通行となりがちである. 歯科から医科への密なフィードバック, 双方の連携が今後の OSA 治療に重要と考えられる. 東京医科歯科大学医学部附属病院快眠センターでは歯学部附属病院快眠歯科と密に連携し OSA 治療のテーラーメイド治療を目指している. 略歴 1995 年東京医科歯科大学医学部医学科卒業 同年東京医科歯科大学医学部附属病院第 2 内科研修医 1996 年取手協同病院内科研修医 1997 年北信総合病院呼吸器内科 1999 年横須賀共済病院呼吸器内科医 2001 年東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科医員 2003 年 カナダ, マギル大学ミーキンスクリスティー研究所留学 ( 動物モデルを用いた気管支喘息気道リモデリングの研究 ) 2006 年東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科医員 2007 年東京医科歯科大学大学院博士課程修了 ( 医学博士 ) 同年東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科助教 2011 年東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科講師 2012 年東京医科歯科大学睡眠制御学講座 (2018 年に呼吸 睡眠制御学講座に改称 ) 准教授, 東京医科歯科大学快眠センター副センター長, 現在に至る 所属学会日本内科学会 ( 総合内科専門医 ) 日本呼吸器学会 ( 呼吸器専門医 ) 日本アレルギー学会 ( アレルギー専門医 ) 日本睡眠学会日本肺癌学会 41

44 臨床セミナー 2 医学部快眠センター 過眠症外来, 夜間異常行動外来の取り組み Clinical review of TMDU Medical Hospital Center for Pleasant Sleep, Hypersomnia and Parasomnia clinic 高木俊輔東京医科歯科大学精神行動医科学分野 ShunsukeTakagi PsychiatryandBehavioralSciences,TokyoMedicalandDentalUniversity 睡眠の臨床には様々な分野がある. 特に不眠は患者数も多く, 様々な精神科臨床において治療が取り組まれている. しかし, 過眠, 夜間異常行動については診断, 治療共に診療に取り組む施設は少なく, 診断の困難さもあって依然として十分な治療に繋がっていない症例が存在する. 過眠症にはナルコレプシー, 特発性過眠症などの疾患があるが, 診断には反復睡眠潜時検査 (MSLT) により測定される平均睡眠潜時が診断基準にとも取り入れられており, 近年治療薬であるモダフィニルの処方には MSLT による検査が必須となった.MSLT の施行には検査日の前に一定期間十分な睡眠時間を確保するなど丁寧な指導が求められ, 検査結果の解釈には閉塞性無呼吸症候群との合併 鑑別の判断も含めて十分な知識が必要である. 東京医科歯科大学精神科では過眠症の診断確定施設として MSLT 検査を行い, 治療に結びつけるべく努力している. また, 夜間の異常行動はさらに診療に取り組む施設が少ない. 夜間の異常行動は REM 睡眠行動障害, 睡眠時遊行症などのパラソムニアと呼ばれる疾患があるが, これらの診断は容易ではなく, 検査の安全面を含めて様々な問題がある.REM 睡眠行動障害はある程度診断法が確立されているが依然として未解決な問題もある. さらに REM 睡眠行動障害では症状出現から数年後にパーキンソン病などの進行性神経変性疾患である シヌクレイノパチー疾患を発症する例が多いことが近年明らかとなっている. シヌクレイノパチー疾患は現在予防が不可能であり, この告知についてどのように行うかは悩ましい. さらに周期性四肢運動症候群や睡眠時ブラキシズム ( 歯ぎしり ) に代表される夜間異常運動も重要な疾患領域であり, てんかんとの鑑別も含めて高度な知識や検査の解釈が求められる. 東京医科歯科大学精神科では専用の PSG 検査室を備え, 歯学部快眠歯科と連携してこれらの診断 治療に取り組んでいる. 略歴 平成 16 年 3 月東京医科歯科大学医学部医学科卒業平成 16 年 4 月東京医科歯科大学医学部付属病院臨床研修制度研修医平成 18 年 4 月東京都立広尾病院神経科平成 21 年 4 月国立精神神経センター武蔵病院 ( 現国立精神神経医療研究センター病院 ) シニアレジデント平成 24 年 9 月 McLeanHospital(Harvardunivaffiliate)ResearchFellow 平成 27 年 4 月東京医科歯科大学医学部医学科精神科医員平成 28 年 9 月嬉野が丘サマリヤ人病院平成 29 年 4 月九州大学大学院医学研究院 精神病態医学 共同研究員 ( 現在 ) 平成 31 年 4 月東京医科歯科大学医学部医学科精神科助教 ( 現在 ) 資格医学博士, 精神保健指定医, 精神科専門医, 指導医, 日本てんかん学会専門医, 日本睡眠学会専門医, 日本総合病院精神学会専門医, 日本臨床生理学会専門医 ( 脳波部門 ), 日本医師会認定産業医 所属学会 日本てんかん学会, 日本睡眠学会, 日本臨床神経生理学会, 日本スポーツ精神医学会, 日本認知症学会, 日本老年精神医学会,society forneuroscience 委員等総合病院精神医学誌 編集委員, スポーツ精神医学誌 編集委員, スポーツ精神医学会 理事 賞罰 TheJapanEpilepsySocietySponsoredAward(UCB & Otsukaaward)2011, 湯島精神医学賞 島崎記念賞

45 臨床セミナー 3 快眠センター 快眠歯科外来の連携診療の概要と OA 療法 Outline of medical treatment by medical and dental cooperation of sleep medicine and oral appliance therapy 中村周平東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 ShuheiNakamura DentalClinicforSleepDisorders(ApneaandSnoring),DentalHospital, TokyoMedicalandDentalUniversity 平成 24 年 10 月東京医科歯科大学快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来が発足し, 医学部附属病院快眠センターと連携して閉塞性睡眠時無呼吸 (obstructivesleepapnea:osa) 患者に対して, 口腔内装置 (oralappliance: OA) による治療を行っている. 当科は外来発足時から年間約 2,000 人の OSA 患者が受診している. 今回は豊富な臨床数から様々な症例を交えながら診療の一連の流れを紹介する. また, 平成 16 年の保険診療の適用から現在では多くの医療機関で OA 治療が行われるようになった.OA 治療は下顎や舌を前方に牽引し, 舌根沈下を伴う気道閉塞を防ぐ.OSA の治療において OA は簡便性, コスト, 携帯性に優れ, 多くの OSA 患者に適用されており, 軽症 ~ 中等症, 一部の重症例において医学的に有効であることが多くの研究で示されている. 一方で, 現在国内で使用されている OA の形態には一体型, 分離型などさまざまな種類が使用されており, 調整の方法や治療の評価の有無など治療方法はさまざまである. また, 治療対象としている患者層や, 治療成績についても明らかになっていない. そこで当科における OA 治療の現状を調査したので報告する. 略歴 2005 年鶴見大学歯学部卒業 2009 年東京医科歯科大学大学院修了歯学博士 2009 年東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科総合診療部医員 2013 年東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき無呼吸 ) 外来医員 2018 年東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき無呼吸 ) 外来特任助教 2020 年東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき無呼吸 ) 外来非常勤講師 資格日本睡眠学会 歯科専門医日本睡眠歯科学会 認定医 指導医臨床研修指導歯科医 著書いびき!? 眠気!? 睡眠時無呼吸症を疑ったら 周辺疾患を含めた, 検査, 診断から治療法までの診療の実践 ( 羊土社 ) 43

46 ランチョンセミナー 歯科におけるボツリヌス療法の有用性 ~ 筋電計による咬合力コントロールと OA 治療の離脱防止へ.120 症例からの展望 ~ Benefit of Botulinum toxin therapy in dentistry ~ Bite force control by EMG and prevention of dropout of oral appliance, Prospects from 120 case ~ 古畑梓医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 日本歯科大学生命歯学部内科学講座 Azusa Furuhata Nippon Dental University, Department of Internal Medicine, Japan Furuhata Sleep-Disordered Breathing Research Institute, Japan Medical corporation Azusakai Furuhata Dental Clinic, Japan ボツリヌストキシン (BoNT-A) は危険なイメージが先行しがちだが, 医学分野においては 1980 年に米国で斜視への臨床応用を幕開けとして,40 年に渡る平和的な医学利用の歴史を持ち, 患者の QOL の向上に寄与している製剤である 年現在, 日本国内では保険適応疾患として, 眼瞼痙攣, 片側顔面痙攣, 痙性斜頸, 上肢痙縮, 下肢痙縮, 小児脳性麻痺における下肢痙縮に伴う尖足, 原発性腋窩多汗症, 斜視, 痙攣性発声障害などが挙げられ, 多くの診療科でボツリヌス療法は取り入れられている. 特に, リハビリテーション科では脳卒中や脳梗塞の後遺症として代表的な痙縮の治療に用いられ, 投与部位の局所的な筋肉の過緊張を緩和することにより, リハビリの効果を飛躍的に向上させることが知られている. 日常生活への回帰と社会復帰に導くボツリヌス療法は患者に大きな希望を与えると言えるだろう. 歯科においてはブラキシズムや咬筋肥大に起因する様々な症状の改善を目的として, 咬筋へのアプローチが挙げられ, 国内外の専門書には指南が明確化されている. 近年,OA 治療が保険適応になり, より多くの SAS 患者が OA を装着するようになった. これに伴い,OA 破損, 顎の疼痛や疲労感, 咬合変位などを訴える患者も散見され, これらの改善は急務であると実感している. そこで BoNT-A の局所的な筋肉の弛緩作用を根拠とし, 有害事象の発症 悪化を緩和する目的で咬筋に投与, 改善効果の検証と客観的指標として筋電計による筋電位測定を行った. この研究から有意性が得られた結果とともに,OA 治療の更なる発展の一助としてボツリヌス療法の有用性をご一考していただけたら幸いである. 略歴 慶応義塾大学文学部中退日本歯科大学生命歯学部卒業医療法人社団梓会古畑歯科医院いびき睡眠呼吸障害研究所日本歯科大学生命歯学部内科学講座臨床講師 所属学会 AADSM( アメリカ睡眠歯科学会 ) 日本睡眠学会日本睡眠歯科学会日本ボツリヌス治療学会 44

47 臨床スキルアップセミナー 上下分離型 OA 臨床の実際 Clinical practice to apply with vertically separated oral appliance in OSA 入江道文医療法人道文会入江クリニック MichinoriIrie IrieClinic,Dou-BunKaiHealthcareCorporation 睡眠呼吸障害の中の閉塞性無呼吸 (OSA-ObstructiveSleepApnea) に対するデバイス治療として,CPAP や口腔内装置 (OA-OralAppliance) の適用が一般的であることに異論はないでしょう. かつては歯科においても,CPAP の処方に保険適用が可能であった様で, 両者それぞれの適応を考慮した上で, 同格の デバイス治療 という概念は間違っていないと考えます. 同格の意味するところは,CPAP と同様の管理や指導が必要, つまりリスク管理も同格ということです. OA は, その形態によりおおまかに,1 上下一体型,2 上下分離型,3 顎位そのものではなく舌位を誘導するタイプに大別されます. それぞれに, 利点欠点があり, 日本睡眠歯科学会が 2020 年にリリースした 閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関するガイドライン では, 上下分離型 に対して 上下一体型 が outcome として弱い優位性を持っているとされています. このことを踏まえた上で, 上下分離型口腔内装置を用いた閉塞性睡眠時無呼吸治療例を交えながらお話しをさせて頂き, 歯科領域での OSA 治療について皆様と一緒に考えていきたいと思います. 1) 睡眠障害の中の睡眠時無呼吸 2) 閉塞性睡眠時無呼吸の診断と除外診断 3) 睡眠時無呼吸の歯科的治療 4) 分離型 OA 製作の実際 5)OA の調整 6)OA の評価 効果判定 7) 他科との連携の在り方 8) 症例供覧 略歴 1985 岐阜歯科大学卒業 1989 朝日大学大学院歯学研究科博士課程修了 ( 歯学博士 歯科矯正学専攻 ) 学位論文 構成咬合採得時における顎の機能的特徴について 1991 南カリフォルニア大学卒後研修課程修了 (HarryL.Daugherty 教授 EdgeWiseAppliance) 職歴 1985 ~ 2003 朝日大学附属病院矯正歯科医員 1989 ~ 現在 福井赤十字病院歯科口腔外科臨床研修指導医 ( 兼任 ) 1989 ~ 1991 朝日大学歯学部歯科矯正学講座助手 ( 非常勤 ) 1991 ~ 2003 朝日大学歯学部歯科矯正学講座講師 ( 非常勤 ) 1994 ~ 1997 大垣女子短期大学歯科衛生科助教授全国歯科衛生士教育協議会理事 1997 ~ 2017 矯正歯科入江クリニック 2017 ~ 医療法人道文会入江クリニック 所属学会日本矯正歯科学会認定医日本抗加齢医学会専門医日本睡眠学会歯科専門医日本睡眠歯科学会認定医 指導医 評議員日本矯正歯科協会正会員 AmericanAssociationofOrthodontists 国際会員 WorldFederationofOrthodontists 正会員日本睡眠歯科学会 口腔内装置ガイドライン委員 ( 第 1 期 ) 著書矯正歯科 矯正歯科にかかる前に読む本 ( 日本医事出版 ) 45

48 新規保険収載セミナー 歯ぎしり診断のための睡眠時歯科筋電図検査の活用法 Practical use of dental sleep electoromyography for sleep bruxism diagnosis 鈴木善貴徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野 Yoshitaka Suzuki Department of Stomatognathic Function and Occlusal Reconstruction, Graduate School of Biomedical Sciences, Tokushima University 睡眠時ブラキシズム, いわゆる夜間の歯ぎしりに関して, ビデオ付きポリソムノグラフィ (PSG) による診断は, 睡眠中の咀嚼筋活動を確実に判定できるため, ゴールドスタンダードとされている. しかし, 歯科において PSG を有する医療機関は少なく, 日常臨床で行うことは現実的ではない. それに対し,American Academy of Sleep Medicine(AASM) では臨床徴候 ( 歯ぎしり音, 異常な咬耗, 起床時の顎筋 関節の症状 ) による診断も提唱されており, 感度 特異度共に高いことが証明されている. ただし, この診断法は AASM では Probable な診断であると位置付けられている. 一方, 睡眠時ブラキシズムを簡易的に測定するために携帯型筋電計の開発は多く行われてきた. データを測定するにあたりアンプやメモリ, バッテリーなどの搭載のため, 小型化が困難であったが, 近年小型 軽量のウェアラブル筋電計が開発された. そして, 当該装置は医療機器として認証され, 本邦では 2020 年度の歯科診療報酬改定で睡眠時歯科筋電図検査が保険収載された. これにより睡眠時ブラキシズムを定量的に評価し, また治療効果や経過観察を行うことが可能となった. この検査法は患者自身で測定することが可能であり, 解析も専用のソフトウェアで容易に行うことができるため, 一般の開業医の先生方も臨床に取り入れやすいと考えられる. ただし, 筋電図をより正しく測定し, 得られた値をどのように評価するべきかを知っておくことは必要不可欠である. 本講演では, 睡眠時歯科筋電図検査を施行するに当たり, その測定 解析方法や, 筋電図の理解を深めるための基礎知識に関して解説したい. また, 実際の症例を供覧し, 非常に簡便に検査を行えることを知って頂き, 睡眠歯科医療に携わる先生方が明日からでも臨床に取り入れることができるようお話しさせて頂く. 本講演を通じて, 参加者の方々が日常臨床で睡眠時歯科筋電検査を行うきっかけになれば幸いである. 略歴 2007 年 3 月徳島大学歯学部歯学科卒業 2008 年 3 月徳島大学病院歯科医師臨床研修修了 2012 年 3 月徳島大学大学院口腔科学教育部口腔科学科博士課程修了 2012 年 4 月徳島大学病院医員 ( 歯科 ) 2014 年 4 月徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部顎機能咬合再建学分野助教 2015 年 4 月モントリオール大学歯学部ポストドクトラルフェローモントリオールサクリカ病院睡眠医療先進研究センター客員教授 2017 年 4 月徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野助教 2018 年 2 月徳島大学病院歯科 ( かみあわせ補綴科 ) 講師 ( 現職 ) 受賞令和元年度公益社団法人日本補綴歯科学会学会論文賞 (2020), 公益社団法人日本補綴歯科学会第 126 回学術大会優秀ポスター賞 デンツプライ シロナ賞 (2017),The American Academy of Dental Sleep Medicine 25th Anniversary Meeting, Graduate Student Research Award & Research Excellence Award (2016), 日本顎口腔機能学会第 53 回学術大会学術大会優秀賞 (2014), 日本補綴歯科学会第 122 回学術大会優秀ポスター賞 デンツプライ賞 (2013) 著書徹底解説! ナイトガード エビデンスに基づいた睡眠時ブラキシズムの診断 治療 46

49 第 19 回日本睡眠歯科学会総会 学術集会抄録集 一般演題

50 一般口演 O-01 中村周平 1), 秀島雅之 1), 石山裕之 2), 飯田知里 1), 佐藤光生 1), 古畑升 1), 鈴木達 3), 松原恒 3), 玉岡明洋 4) 4), 宮崎泰成 1) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 2) 東京医科歯科大学歯学部附属病院顎関節治療部 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科技工部 4) 東京医科歯科大学医学部附属病院快眠センター 背景 平成 16 年に閉塞性睡眠時無呼吸 (obstructivesleepapnea:osa) に対する口腔内装置 (oralappliance: OA) が保険適用となり, 多くの医療機関で OA 治療が行われるようになった. 一方で, 現在国内で使用されている OA の形態には一体型, 分離型などさまざまな種類が使用されており, 調整の方法や治療の評価の有無など治療方法はさまざまである. また, 治療対象としている患者層や, 治療成績についても明らかになっていない. そこで本学における OA 治療の現状を調査した. 症例 平成 28 年から令和元年に快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来を受診した全ての患者を対象に治療前後で睡眠検査を行い, 睡眠中の呼吸状態を比較した. 考察 治療成功の判定は OA 治療後の睡眠中の 1 時間あたりの無呼吸低呼吸の回数 (apneahypopnea index:ahi) が 5 未満あるいは治療前の AHI から 50% 未満と定義した. その結果,OA の装着により AHI は有意に減少し,OA の臨床的有効性は示された. 48

51 一般口演 O-02 宮地舞 1), 秀島雅之 1),R.Merrill 2),S.Arman 2) 1) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 2)UCLASchoolofDentistry,OrofacialpainandDentalsleepmedicineclinic 背景 近年, 米国で睡眠医学が注目されている理由は, 睡眠障害, とくに未診断の潜在的な睡眠呼吸障害が及ぼす健康面, 社会面, 経済面の影響が明らかになってきたからである.OSA の有病率は米国の成人人口の 12%( 約 2,940 万人 ), そのうち未診断の OSA 患者は 80%(2,350 万人 ) と推定されている. 潜在性 OSA の経済的損失は約 1,496 億ドル ( 日本円で約 16 兆円 ) となり, 大きな問題となっている 年 AASM が睡眠呼吸障害に対する OA 治療の有効性を発表して以降, 歯科医師が OA 治療に携わる機会が増加し,2015 年には AASM と AADSM が共同で OA 治療のガイドラインを作成した. 一方で米国の各大学はより深く睡眠医療に携わるための体系化された歯科治療法を確立しようと力を注いできた. 内容 UCLA( カリフォルニア大学ロサンゼルス校 ) 睡眠歯科医学分野に所属し,2 年間臨床現場で睡眠患者を治療する上で得た知識, 教育体制を紹介する. また実際の治療の流れ, 使用 OA の種類, 副作用への対処法なども紹介する. 考察 米国の大学では, 睡眠歯科学分野が顎関節 顎顔面疼痛分野と併設されていることが多く,OA 製作前の術前診査ではそれらの項目を含めた検査が行われることが多い. また,OA は条件を満たすと保険適応され, 上下分離型が主に使用されている. 咬合変化や筋筋膜痛, 顎関節症などの副作用に関しては,OA 適応となる患者をよく見極め, ストレッチなどの運動を取り入れることにより回避することができる. 49

52 一般口演 O-03 山本裕明 1,2), 秀島雅之 3) 1) 津田歯科医院 2) 日本歯科先端技術研究所 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 目的 近年口呼吸の弊害, 鼻呼吸の意義が歯科医療関係者のみならず, 他の医療関係者, 一般国民にも周知されるようになってきた. また睡眠時無呼吸症患者の増加に伴い, いびきや無呼吸と呼ばれる異常な呼吸状態への関心が高まりつつある. 今回このような患者の無随意呼吸状態を呼吸生理学的視点から調査し, 興味ある知見が得られたので報告する. 方法 当院に来院した患者 50 名 ( 男性 17 名, 年齢 9 ~ 80 歳 ; 平均 37 歳,OSA 患者 7 名,lipincompetence 患者 7 名を含む ) を対象とし, 小型センサーでメインストリーム方式の呼吸モニター ; カプノメーター ( 日本光電 ) を使用し, 終末呼気二酸化炭素分圧 (ETCO 2 ) 経皮的酸素飽和度(SpO 2 ) を測定して, 動脈血ガス分析の代用を図り, 呼吸状態を調査した.ETCO 2 と動脈血二酸化炭素分圧 (PaCO 2 ) との乖離の原因となりうる病的シャントや, 死腔の増大につながる疾病が既往歴, 現病歴に認められた場合は, 調査の対象外とした. また調査は食後 2 時間以上経過後に行い, 可及的に無随意呼吸状態を調べられるよう工夫を図った. なお調査を行った場所は海抜 20m 程で, 高度による気圧低下の SpO 2 への影響はないと判断した. 結果 被験者全 50 名の ETCO 2 は最少 28mmHg, 最大 45mmHg, 平均 35mmHg となり,SpO 2 は95~ 100, 平均 98 であった.OSA 患者の平均 ETCO 2 は 34mmHg, 就寝中口呼吸を自覚している重篤な lip incompetence 患者の平均は 30mmHg となり, 強い過換気傾向を示した. 考察 カプノメーターの計測では,ETCO 2 が PaCO 2 より平均 2 ~ 3 mmhg, 稀に最大 5 mmhg 程低くなるとの報告もあるが, それを加味しても今回調査対象者の約半数が過換気傾向にあった. 特に口呼吸が習慣化すると, 口を閉じた状態においても過換気呼吸が常態化する可能性が示唆された. また中枢性無呼吸が混在する OSA 患者 3 名の平均は 31.3mmHg と過換気が強く, 特に強い過換気を示した患者 2 名の側貌 X 線写真では, 顕著な気道狭窄等の問題は認められず, 過換気呼吸が睡眠時無呼吸の誘発因子の一つである可能性が示唆された. 50

53 一般口演 O-04 真砂彩子 1), 奥野健太郎 1,2), 姫嶋皓大 3), 松﨑悟士 4), 髙橋一也 1) 1) 大阪歯科大学高齢者歯科学講座 2) 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター 3) 大阪歯科大学口腔外科学第一講座 4) 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (obstructivesleepapnea:osa) の重症度は無呼吸低呼吸指数 (AHI) によって評価される傾向があるが,ICSD-3 における OSA の診断基準の中には,AHI 以外にも, 眠気などの主観的症状や高血圧症などの合併症の有無の項目も存在する. また, 近年では低酸素の程度が生命予後に影響するとも言われている. 臨床上, AHI は高いが眠気は感じていない などといった症例を経験することも多いことから,OSA を AHI の値のみで評価するのではなく, 多面的に評価する必要があると考えた. そこで,OSA 患者の臨床像を明らかにするため, クラスター分析を試みた. 方法 2017 年 6 月から 2020 年 6 月の間に当院睡眠歯科センターを受診した患者 381 名を対象に, 診療録より, 年齢,BMI, 高血圧症の有無,AHI, 経皮的動脈血酸素飽和度の最低値 (LowestSpO 2 ), 眠気の自覚的評価 (ESS) の測定値を抽出した. 欠落データを除外した,274 名に対して SPSS を用いて Ward 法によるクラスター分析を行った. 結果 4 つのクラスターに分類された. クラスター 1 は AHI が中等度であるものの, 眠気はなかった ( 眠気なし型,n = 64). クラスター 2 は肥満体型であり, 高血圧症の合併を認めた ( 高血圧合併型,n = 86). クラスター 3 は比較的若年層であり, 眠気をやや強く感じていた ( 若年眠気あり型,n = 99). クラスター 4 は肥満体型であり,AHI は著しく重度かつ LowestSpO 2 が低く, 眠気を強く感じていた ( 典型重症例型,n = 25). 考察 本研究により, クラスター 4 のような典型的な重症例の臨床像だけではなく, クラスター 1,2,3 に示されるような様々な OSA の臨床像が存在することが明らかとなった.AHI の値のみではない多面的な評価の必要性が示唆された. 51

54 一般口演 O-05 松﨑悟士 1), 奥野健太郎 2,3), 真砂彩子 2), 姫嶋皓大 4), 田中順子 1) 2), 髙橋一也 1) 大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座 2) 大阪歯科大学高齢者歯科学講座 3) 大阪歯科大学附属病院睡眠歯科センター 4) 大阪歯科大学口腔外科学第一講座 目的 睡眠歯科領域において, 患者は閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) 以外の睡眠関連疾患を抱えている場合が多くある.OSA 患者は不眠症の合併率が高いという報告があり, その治療として薬物療法が一般的である. しかしこれらの薬物の中には筋弛緩作用が強いものがあり,OSA を悪化させる可能性があるため, 睡眠薬の服用状況を把握することは重要である. そこで本調査の目的は大阪歯科大学病院睡眠歯科センターの OSA 初診患者の睡眠薬の服用状況を明らかにすることとする. 方法 2017 年 5 月から 2020 年 7 月における, 当院の OSA 初診患者を対象に, カルテ記録を後ろ向きに調査した. 初診時の年齢, 性別,BMI, 全身既往歴, 睡眠薬,AHI もしくは REI,ESS を抽出した. 睡眠薬はベンゾジアゼピン系受容体作動薬 (BZ 系 ), 非 BZ 系受容体作動薬 ( 非 BZ 系 ), メラトニン受容体作動薬, オレキシン受容体拮抗薬の 4 つに分類し,BZ 系はさらに筋弛緩作用の強さを, 極弱, 弱, 中, 強の 4 段階に分類した. 結果 総患者数は 361 人で, 服用薬を聴取できた患者は 331 人であった. 睡眠薬服用患者は 29 人で服用薬の内訳は,BZ 系 :21 人 (72.4%), 非 BZ 系 :11 人 (37.9%), メラトニン受容体作動薬 :0 人 (0%), オレキシン受容体拮抗薬 :3 人 (10.3%) であった. また, 中等度以上の筋弛緩作用を認める睡眠薬 : 12 人 (41.4%),BZ 系および非 BZ 系の多剤服用患者 :5 人 (17.2%) であった. 考察 日本睡眠学会のガイドラインでは, 重症 OSA 患者の BZ 系睡眠薬服用によって睡眠中の呼吸状態の悪化の危険性が示唆されている. 本調査において, 中等度以上の筋弛緩作用を認める睡眠薬服用者の中でも重症 OSA 患者は 3 人おり, 多剤服用患者の中でも 1 人が重症 OSA 患者であった. 本調査によって, 睡眠薬の筋弛緩作用の影響を受ける OSA 患者が一定数存在する可能性が示唆された. 52

55 一般口演 O-06 澤ありさ 1), 鈴木浩司 1,2), 岩田好弘 1,2), 新井恵太 2), 安田明弘 1,2), 竹内広樹 1,2), 中山敏行 1), 本吉美保 1), 勝谷七穂 1) 1), 小見山道 1) 日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野 2) 日本大学松戸歯学部付属病院いびき外来 目的 OSA 治療の効果は周知の事実だが, 一方で OA 使用が困難なケースも認め, この原因として鼻閉があげられる. 従って,OA 治療の順応性を判断するには, 鼻腔通気の客観的な評価が必要である. 現在, 鼻腔通気の確認は耳鼻科に依頼し, 鼻腔通気度計を用いて測定しているが, 患者の通院や診療費の負担につながり, 最小限に留めたい. そこで新たに当外来に導入した簡便な鼻腔通気検査において, 患者の睡眠呼吸状態との関係について検討した. 方法 被検者は, 本学付属病院いびき外来に 2019 年 7 月から 6 ヶ月間,OA による治療を目的に来院した初診 OSA 患者 97 名及び健常者 ( 対照者 )105 名とした. 鼻腔通気検査は主観的評価として質問票 (NasalObstructionSymptomEvaluation:NOSE), 及び客観的評価として最大鼻吸気流量 (Peak NasalInspiratoryFlow:PNIF) を初診時に実施した. 最初に,OSA 患者 97 名の診療録から初診時の診査項目である年齢, 性別,BMI,AHI,LowestSpO 2,Mallampati 分類,ESS,NOSE,PNIF の相関関係を検討した. また,OSA 患者と対照者における NOSE と PNIF を比較した. 統計解析は,OSA 患者の情報と NOSE と PNIF の関係については Pearson の相関係数を用いた.OSA 患者と対照者の PNIF 平均値を independentt-test によって検討した. いずれも有意水準は 5% とした. 本研究は, 日本大学松戸歯学部倫理審査委員会の承認を得た (EC 号 ). 結果 OSA 患者の PNIF は対象者と比較し有意に低かった(p < 0.01).NOSE と Mallampati 分類の間に有意な正の相関 (r = 0.19,p < 0.05) を認めた.AHI と LowestSpO 2 の間に有意な負の相関 (r =-0.44, p < 0.01) を認めた.AHI と BMI の間には有意な正の相関 (r = 0.33,p < 0.01) を認めた. 考察 本結果から OSA 患者は, 鼻腔通気性が低いことが示唆され, 鼻腔通気度計を用いたこれまでの報告と同様の傾向であった. また,NOSE と Mallampati 分類との間に認めた相関も,OSA 患者の身体的特徴に関する報告同様の傾向であり, 本検査が鼻閉状態を簡便に評価するツールとしての有用性が示唆された. 現在 OA 装着前後における鼻閉の状態を調査している. 53

56 一般口演 O-07 西尾佳朋, 古橋明文, 加藤三香子, 近藤崇之, 滝川友佳子, 伊藤邦弘, 風岡宜暁 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 背景 日中の過度な眠気を引き起こす要因は, 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA), 過眠症などの睡眠障害や社会的背景など多岐にわたる. 今回我々は,OSA 患者に対し口腔内装置 (OA) 治療後, エプワース眠気尺度 (ESS) に改善を認めず残遺眠気を訴えたため睡眠潜時反復検査 (MSLT) が施行され, ナルコレプシーの診断に至った 1 例を経験したため報告する. 症例 患者は 48 歳男性, 昼間の眠気, 無呼吸, いびきを主訴に当院睡眠科睡眠医療センターを受診. 初診時の問診にて ESS:15 点, 情動脱力発作, 入眠時幻覚, 睡眠麻痺は認められず, 睡眠ポリグラフ検査 (PSG) にて無呼吸低呼吸指数 (AHI):10.5/h であり軽症 OSA の診断, 当科で OA 作製となった. OA によりいびきの改善は認めたが, 昼間の眠気は改善せず,ESS:14 点であったため,PSG による OA 評価および MSLT が施行された.OA 装着下 PSG にて AHI:3.6/h,MSLT にて平均入眠潜時 :4 分 6 秒, 入眠時レム期を 5 回中 2 回認めたためナルコレプシータイプ 2 と診断され, モダフィニル内服開始となった. 内服開始後, 昼間の眠気は改善され,ESS:4 点に改善された. ナルコレプシー診断 1 年後に施行された OA 装着下 PSG にて AHI:3.5/h, 覚醒維持検査にて 40 分法 4 回すべてにおいて入眠せず覚醒が維持され, コントロール良好である. 考察 本症例は, 軽症 OSA とナルコレプシーを合併していた.ESS は日中の自覚的眠気尺度であるが, AHI との関連を否定する報告がある. そのため,ESS は OSA 以外の疾患を考慮する手段として有効であり,OA 治療後に残遺眠気を訴える症例においては,OSA に他の睡眠障害を合併している可能性があるため, 積極的に医科歯科連携を行う必要がある. 54

57 一般口演 O-08 中村則夫 1), 柳本惣市 1), 三好太郎 1), 坂本由紀 1,2), 梅田正博 1) 1) 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 2) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対する有効な治療法として下顎前方整位型口腔内装置 (OA) が挙げられるが, 上下顎装置を固定式あるいは半固定式にするべきか議論の余地がある. 当科では, 上下顎装置を NK コネクターで連結することで可動性をもたせた半固定式 OA を採用しているが, 固定式 OA との詳細な比較検討は行われていない. 本研究では, 半固定式 OA と固定式 OA の有効性, 副作用および患者の好みについて比較検討した. 方法 2019 年 10 月から 2020 年 4 月に OA 治療目的に当科を紹介された軽度から中程度の OSA 患者 15 例を対象にランダム化クロスオーバー試験を行った. 対象を半固定式 OA 先行群あるいは固定式 OA 先行群にランダムに割り当て, 最初の OA を 4 週間使用後,WatchPAT を使用した睡眠評価と副作用としての顎関節痛の検査を行った.2 週間のウォッシュアウト期間後, 最初の期間で未使用の OA を 4 週間使用し, 同様の評価と最終的な患者の好みについての質問を行った. 結果 最終的に半固定式 OA 先行群 5 例, 固定式 OA 先行群 7 例, 合計 12 例が解析され, 半固定式 OA および固定式 OA ともに治療前と比較し有意に AHI をはじめとした睡眠パラメーターにおいて改善を認めたが, 半固定式 OA と固定式 OA の間で有意差は認められなかった. しかしながら, 半固定式 OA は固定式 OA より有意に顎関節痛は少なく, 患者の好みも良好であった. 考察 半固定式 OA は固定式 OA よりも使用後の苦痛および使用感において優れており, 適応しやすいと考えられる. 55

58 一般口演 O-09 柳沢治之 1), 秀島雅之 2) 1) 柳沢歯科 2) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 背景 平成 16 年より OA( 口腔内装置 ) が保険適応となり,OA 治療が OSA 治療のひとつの手段として認識されるようになった. しかし数百万人とも言われる OSA 潜在患者数を考えると, かかりつけ歯科医院のどこでも OA 治療を受けられることが望ましいが, まだそのような広がりのないのが現状である. 歯科保険治療では時間的およびコスト的制約が大きいので, 持続可能な OA 治療のためには, より簡便で効率的な手法を用いることが必要となる. 演者らは医科の協力の下, 効率的な OA 治療方法を考案し, 成果を上げてきたので供覧したい. 方法 演者らの臨床術式の概要を以下に記載する. 基本的には, 中川らが製作してきた OA( いわゆるスリープ スプリント ) が原型となっている. セファロを撮影しない ゲージやコネクタを使用しない 技工は院内で歯科医が行い, 咬合器は原則使用しない 下顎の前方移動量は全ての症例で平均値を用いる 顎位の記録は模型上で行い, 咬頭嵌合位を基準として水平成分 (A) と垂直成分 (V) のベクトルで表示する 上下 OA の固定は左右 2 ~ 3 箇所に, 赤色ファイバーを混ぜた即時重合レジンで行う. 装着後 PSG 検査または簡易検査を全例行う ( 医科に依頼 ) 検査を行う前に顎位の変更は行わないこのような簡略した手法を用いることで, 保険治療でより多くの症例の治療, 経過観察が可能となった. 結果と考察 演者らは 15 年以上の OA 治療で,900 例近くを経験済みである. ゲージを用いない記録方法であるが, 初回症例では咬頭嵌合位を基準とし, 前方移動量 (Anteriorsift:A) を 5 mm に設定している. OA の装着のため咬合高径は挙上し, 咬合挙上量 (Verticalsift:V) は症例によって異なるものの, 概ね 5 ~ 6 mm となった. 咬合挙上時の下顎の後下方への動きを考慮すると, 成人の平均値で 50%~ 70% の前方移動量に相当すると考えられた. 初回は全ての症例で,A:5 mm を指標とするワンパターンの前方位決定法だが, 大半の症例で十分な効果を確認した. また OA 装着後の医科での検査の結果, 前方移動の効果が低いと判断され診療情報提供書が出された場合は,A:7 mm 程度に前方移動量を増大した OA を再製作している. そのため前方位の異なる 2 種類の OA ができるので, 状況に合わせて患者が使い分けることも可能である. 平成 30 年より口腔内装置 2( シート圧接型 ) では, 咬合採得の保険算定も不可となり, より簡便で効率的な本法は, 保険診療に即した術式として推奨する次第である. 56

59 一般口演 O-10 北村雄樹 1,2), 和田真有子 2), 名嘉真武輝 2), 葭澤秀一郎 2), 有吉秀郎 2), 河野茜 2) 2), 河野正己 1) キタムラ歯科医院 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター 背景 ポリソムノグラフィー (PSG) による低呼吸の基準は 1999 年の AASM シカゴクライテリアで拡大され, その後の AASMの 2007 年の改訂では, ほぼシカゴクライテリアを踏襲する基準 ( 臨床用基準 ) とシカゴクライテリア以前のクライテリアに近い基準 ( 研究用基準 ) と二つの異なる基準が採用されている. 当院は 2010 年から AASM2007 年のクライテリアに準拠し, さらに臨床用ないし研究用基準をともにスコアリングしている. それぞれの基準により算定される AHI の値が異なることは知られているが, 今回は, 診断時と OA 効果判定時の AHI を比較検討することによって, 適用基準によって効果判定が異なるか検討した. 症例 64 歳 男性. いびき, 無呼吸が気になることを主訴に来院. 当院での診断 PSG では AHI( 臨床用 ) 24.1 / 時, 同 ( 研究用 )17.6 / 時であったので CPAP の適応があると判断し医科病院に紹介して同院の内科にて CPAP を導入した. その後,OA を併用導入し,OA の自覚的な効果と耐性を確認できたので効果判定 PSG を行った. その結果は,AHI( 臨床用 )12.6 / 時, 同 ( 研究用 )3.8 / 時と改善を認めた. 内科的合併症もなく日中眠気もないことより,CPAP 離脱し OA に完全移行した. 病態診断 PSG:( 臨床用 )AHI24.1,REM-AHI30.6,Supine-AHI29.8 ( 研究用 )AHI17.6,REM-AHI27.5,Supine-AHI23.8 効果判定 PSG:( 臨床用 )AHI12.6,REM-AHI9.9,Supine-AHI12.6 ( 研究用 )AHI3.8,REM-AHI4.9,Supine-AHI3.8 病因診断セファログラム :Fx84.8 PP-H71.0mm,MP-H16.4mm,PAS16.6mmLPT(-),Caudal traction(+) 効果判定セファログラム :Fx84.4 PP-H68.3mm,MP-H15.2mm,PAS14.9mmLPT(-),Caudal traction(+) 考察 OA による減少率 (( 術前値 術後値 )/ 術前値 ) は, 臨床用基準で AHI47.7%,REM-AHI67.6%, Supine-AHI57.7% の減少を認め, 研究用基準では AHI78.4%,REM-AHI82.2%,Supine-AHI84.0% の減少と異なる結果を認めた.OA の効果判定には適用した判定基準の影響を考慮しなければならない. 57

60 一般口演 O-11 三好太郎 1), 柳本惣市 1), 中村則夫 1), 坂本由紀 2), 梅田正博 1) 1) 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野 2) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 目的 近年, 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の口腔内装置 (OA) による治療効果と体位依存性 OSA との関連性が報告されつつある. 本研究では, 当施設における体位依存性 OSA 患者の顎顔面形態を含めた特徴と OA の治療効果についての関連性を明らかにすることを目的とした. 方法 2016 年 4 月から 2019 年 3 月までの間に当科を受診し,OSA の診断で OA を用いた治療を行った患者のうち,OA 装着下に PSG 検査による評価を行うことのできた 73 名を対象とした. そのうち PSG 検査において仰臥位以外での AHI が仰臥位 AHI の 50% 以下であった 47 名を体位依存性 OSA 群, 50% 以上であった 26 名を非体位依存性 OSA 群とし, 側方セファロ分析結果を含む特徴を評価し,OA による治療効果との関連性を後ろ向きに検討した. 結果 体位依存性 OSA 群は非体位依存性 OSA 群に比較し, 有意に高齢かつ BMI 低値であった. 両群で仰臥位 AHI については有意差を認めなかったが, 側臥位 AHI は体位依存性 OSA 群で有意に低かった. 側方セファロ分析結果では SNA については体位依存性 OSA 群で有意に小さかったが, その他の項目では両群で有意差を認めなかった.OA の治療効果については, 全 AHI, 仰臥位 AHI, 側臥位 AHI, REM 期 AHI,non-REM 期 AHI のいずれにおいても両群とも有意に減少しており, 多変量解析において年齢と体位依存性 OSA が治療効果予測因子として関与していた. 考察 体位依存性 OSA 群は非体位依存性 OSA 群と比較して, 有意に高齢, 非肥満型であり, 側臥位 AHI と REM 期 AHI が低い. また, 側方セファロ分析では体位依存性 OSA 群において上顎が後方に位置する傾向にあった.OA による治療効果は両群ともに認められたが, 体位依存性 OSA 群においてより効果が高かった. 58

61 一般口演 O-12 宇納弓恵 1,3), 高崎裕美 2), 北村京子 1), 鈴木千恵 1), 入江道文 1,2), 山田和人 2) 3), 阪野勝久 1) 入江クリニック 2) 福井赤十字病院歯科口腔外科 3) 阪野クリニック 背景 睡眠医療において睡眠時無呼吸が疑われる場合, 通常検査施設外睡眠検査 (OCST) を最初に実施し, その結果として疑いが残る場合は FullPSG 検査を実施することが通例であるが, 検査結果が REI 40/hr. の場合, 迅速な治療介入が望まれることからも PSG 検査の実施を待たずに CPAP を適用し, CPAP タイトレーション時に PSG 検査を実施することをしばしば経験する. 今回演者らは OCST により REI:86.8/hr. と CPAP 適用が妥当とも考えられる睡眠時無呼吸と臨床診断, 患者の海外長期赴任が予定されたため CPAP 管理が困難と判断し, 上下分離型口腔内装置の適用. 体重管理を含む睡眠衛生指導を歯科医師 歯科衛生士が担当し治療介入を行う. 歯科的介入により AHI:9.7/hr. と重症度が著しく低下. 眠気も改善し, 患者 QOL 向上に寄与したと考えられる症例を経験したので報告する. 症例 40 歳男性. いびきを主訴として受診,OCST において REI:86.8/hr. と重度の睡眠時無呼吸と臨床診断. 循環器科内科初診から 1 か月後に口腔内装置治療介入開始. 毎月の受診の際に, 歯科医師と共に歯科衛生士が口腔内装置治療に対するモチベーションを維持するべく面接を行う. この際に, 体重コントロールの重要性についても意識できるように留意. 好ましい体重の減少がみられ, 初診時体重 77kg, 身長 174cm,BMI:25.4 と肥満 1 度 ( 日本肥満学会 ) から,5 か月後の OAPSG 検査時には体重 70kg,BMI:23.1 と標準体重へ. 無呼吸指数は,REI:86.8/hr. から AHI:9.7/hr. と大幅な改善が確認できた. 考察 口腔内装置による治療介入は, 下顎移動量を注視しがちであるが,OSA 治療として基本的な減量指導などの体重管理も歯科が担当科として留意すること. 歯科医師のみならず歯科衛生士も積極的に介入した睡眠衛生指導の重要性が示唆された. 59

62 ポスター P-01 長谷部大地, 遠藤諭, 須田大亮, 齋藤大輔, 三上俊彦, 小林正治 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 方法 新潟県内の開業歯科医院 1,108 施設と, 病院歯科ならびに歯科診療所 67 施設の計 1,175 施設に対して, 睡眠歯科医療に関するアンケートを郵送し, その回答に不備がなかったものを対象とした. また, 医科側の現状も把握するために, 睡眠検査を実施している医療機関 47 施設に対してもアンケート調査を行った. アンケート回収率は開業歯科医院 18.8%(208 施設 ), 病院歯科ならびに診療所 44.8%(30 施設 ) であり, そのうち 7 施設に不備を認めたため, 除外した. 医科施設の回収率は 55.3%(26 施設 ) で, そのうち不備のある 2 施設を除外した. なお, 本研究は新潟大学人を対象とする研究等倫理委員会の承認を受けており, 開示すべき COI はない. 結果 新潟県内で睡眠歯科医療を行っている開業歯科医院 42 施設 (20.2%), 病院歯科および歯科診療所 13 施設 (43.3%) であり, 県内では限られた施設で睡眠歯科医療が行われていた. 治療に使用している口腔内装置に関しては, ほとんどの施設で下顎を前方に牽引する一体型のものが使用されており ( 開業歯科医院 :89.7%, 病院歯科 :91.7%), 年間に製作する口腔内装置の数は開業歯科医院, 病院歯科ともに 10 装置未満で, 多くの施設で月平均 1 装置程度しか製作していないことが判明した. 睡眠医療を行っている医科施設に対して,OSA に対する歯科治療の存在の認識を確認したところ, ほとんどの施設で治療内容が認知されており, 歯科治療が必要な場合は同施設に歯科がある場合は自院の歯科に紹介し, 歯科がない, もしくは治療ができない場合は開業歯科医院や治療のできる病院歯科へ紹介する傾向を認めた. 考察 新潟県における睡眠歯科医療における認識は歯科と医科に差を認めたことから, 県内における睡眠歯科医療ならびに医科歯科連携体制の構築はまだ不十分であったことが判明した. 60

63 ポスター P-02 大楠弘通, 槙原絵理, 渡辺崇文, 鱒見進一 九州歯科大学口腔機能学講座顎口腔欠損再構築学分野 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (obstructivesleepapnea:osa) は舌や咽頭周囲筋群などの影響による上気道の閉塞に起因する疾患である. 今回,OSA に関連が深いと考えられる顎下部領域の筋の特性について把握するために顎下部筋群の硬度について検討することとした. 方法 対象は顎口腔機能に異常を認めない有歯顎者で, 医療機関における終夜 PSG 検査により OSA と診断された 16 名 ( 平均年齢 ± 歳, 男性 8 名, 女性 8 名 ) とした. 習慣性閉口位 (habitual occlusalposition:hop), 下顎最前方位 (maximummandibularprotrusiveposition:mpp), 舌前突位 (tongueprotrusiveposition:tpp) の 3 顎位における顎下部硬度を押し込み型筋硬度計 (TDM- NA1, 佐藤商事, 川崎 ) を用いて測定し, メーカーが指定したN= 測定値 の式に基づき, 単位をニュートン (N) に換算し表示した. なお,3 顎位の測定順はランダムとした. 3 顎位における顎下部硬度の比較検討には, 一元配置分散分析後,posthoctest として Bonferroni 法を用い, 有意水準は p < 0.05 とした. 本研究は, 九州歯科大学研究倫理委員会の承認を得て行った ( 承認番号 :18-28). 結果 全対象者において HOP と MPP および HOP と TPP 間に有意差が認められた (p < 0.001). 男性対象者において HOP と TPP 間に有意差が認められた (p < 0.05). 女性対象者において HOP と MPP および HOP と TPP 間に有意差が認められた (p < 0.05). 考察 HOP では, いずれの筋も最小限の緊張状態を保っていると思われるが,MPP では顎二腹筋前腹, 顎舌骨筋, オトガイ舌骨筋が緊張した状態,TPP では加えて舌の前方挙上筋であるオトガイ舌筋が活動している状態と考えられる. 今回の結果より男性 OSA 患者は女性 OSA 患者より MPP において顎下部筋群の活動性が低いことがわかった. 61

64 ポスター P-03 吉田佳史 1), 佐藤一道 2), 小松万純 1), 平賀智豊 3), 伊藤泰隆 3), 塚本裕介 4), 松浦信幸 1), 野村武史 3), 飯村慈朗 5) 5), 中島庸也 1) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 2) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科 3) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 4) 塚本歯科医院 5) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 背景 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対する口腔内装置 (OA) の治療評価は無呼吸低呼吸指数 (AHI) の値で行われているが,AHI の改善は乏しくとも症状改善から継続使用を希望する症例も多い. このような治療結果 ( アウトカム ) に対する認識はあっても拠り所となる指針や根拠がないのが現状である. われわれは,OA 治療が適応と判断された患者に対して, アウトカムに関するアンケート調査を行うことで, 患者の OSA 治療に対する価値観や意向について検討を行った. 方法 2018 年 10 月より 2019 年 9 月末日までに,OA 治療が適応と判断された患者 61 症例を対象に,OA 作製開始前に 11 項目の 治療結果 ( アウトカム ) に関するアンケート 調査 (1 健康長寿,2 心臓病の発症や増悪予防,3 高血圧症の発症や増悪予防,4 糖尿病の発症や増悪予防,5 無呼吸 低呼吸の改善,6 日中の眠気の改善,7 夜間の覚醒の改善,8いびきの改善,9 目覚めの爽快感,10 夜間や起床時の口の渇きの改善, 同じ部屋で寝る人の睡眠の改善 ) を本人の重要度でスコア化して評価した. アンケート調査の各スコアと, 後方視的に得られる患者情報や現病歴, 既往歴,PSG やその他検査結果との関連性について統計学的検討を行った. 結果 アウトカム 1 から 11 において, 平均スコアが高値なのは5 無呼吸 低呼吸や8いびきについてであり, 低値は疾患に関する項目であった. 疾患に関する項目は女性が有意に重要視しており, 自身の各既往は重要視している結果であった. 睡眠効率が悪い症例は同じ部屋で寝る人の睡眠について, 最低 SPO 2 が低い症例は 4 糖尿病,7 夜間の覚醒を重要視している結果であった. 考察 OA 治療の患者は中等症, 軽症例が中心であり, 生命予後や疾患よりもいびき等の主観に重点を置いたアウトカムを重要視していることが確認された. 62

65 ポスター P-04 大元秀一 1,2), 小松万純 3), 平賀智豊 2), 伊藤泰隆 2), 吉田佳史 3), 松浦信幸 3), 野村武史 2), 飯村慈朗 4) 4), 中島庸也 1) 医療法人伊勢ファミリー歯科矯正歯科 2) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 3) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 4) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 背景 近年の高齢化により, 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の治療も高齢者への適応が求められる. 口腔内装置 (OA) は歯を固定源とするため以前は困難とされていた多数歯欠損症例への適応も増加することが予想される. 今回, 上顎無歯顎に対し OA 作製を行い奏功した症例を経験したので報告する. 症例 74 歳, 女性. いびきを主訴に近医から当院耳鼻咽喉科へ紹介受診となった. 既往に鼻中隔彎曲症, 心室中隔欠損があり,BMI は 22.8kg/m 2 であった. 睡眠ポリグラフ検査 (PSG) にて無呼吸低呼吸指数 (AHI)16.0 回 / 時であり, 中等症 OSA の診断下に OA 治療の方針となった. 当科初診時, 上顎は無歯顎, 下顎は 5 本の残存歯があり齲蝕や動揺は認めなかった. 欠損歯が多いため, 下顎の位置決定には上下顎とも咬合床を作製した. 咬合床は咬合高径を義歯より 5 mm 下げて作製し, 下顎前方位は最大前方移動量の 70% でソフトタイプ OA を作製した.OA 使用安定後に行った PSG にて AHI は 16.0 から 6.8 回, 最低 SpO 2 は 83 から 90%, 全無呼吸数 49 から 0 回, 全低呼吸数は 43 から 34 回と改善を認めた.OA 装着前後のセファロ画像にて, 顔面軸 (Fx) は 85 から 88 へ増加, 下顎下縁平面 舌骨距離 (MP-H) は 0.85 から 0.55mm とわずかに縮小した.OA 治療開始より 9 か月経過し, 偶発症もなく良好に治療を継続している. 考察 本症例では上顎無歯顎に対し OA 治療により症状の改善と, 良好な PSG による効果判定の結果を得た. 上顎は無歯顎であるがソフトタイプ OA を選択することにより, 吸着によって装置の安定が得られた. また,OSA の改善に関しては下顎の前方移動に伴う上気道の開大の他, 開口が制限されたことによる効果も推察された.OA 治療後に咬合偏位や残存歯の動揺など偶発症が出現する可能性もあるため, 今後も定期的な検診が必要と考える. 63

66 ポスター P-05 阿崎宏昭 1), 篠塚啓二 1), 山縣加夏子 1), 草野明美 1), 荻澤翔平 1), 青木淳也 2), 座間学 3), 大谷紗織 3), 山田剛也 4), 西久保周一 1), 佐藤貴子 1), 磯野史朗 5) 1), 外木守雄 1) 日本大学歯学部口腔外科学第 Ⅰ 講座 2) 東海大学医学部付属八王寺病院歯科 口腔外科 3) 獨協医科大学病院口腔外科 4) 彦根市立病院歯科口腔外科 5) 千葉大学病院麻酔 疼痛 緩和医療科 目的 我々は, 現在まで顎矯正手術を行った患者の術前後での気道形態の変化を検索し,1 顎変形の程度による検討,2 顎骨移動による上気道変化の検討,3 流体力学的手法を用いて気道拡大による, 手術の効果, 有用性, 移動距離の相関などを検討し, 報告してきた. 本研究は, 気道の抵抗性に着目し, 全身麻酔の気道チューブの抜管のための気道評価に用いられるカフリークテストを応用したカフリーク圧 (Cuffleakpressure;CLP) を用いて, 顎顔面骨格形態及び顎矯正手術による顎骨移動と気道抵抗性の変化を解析し, その関連性を生理学的に検討した. 方法 対象は顎矯正手術 (LeFort Ⅰ 型骨切り術, 下顎枝矢状分割術, オトガイ形成術 ) を施行する患者のうち, 奇形や先天性の骨格異常を認めるものを除外した症例とした. 全身麻酔時の挿管直後 ( 術前 ) 術中及び抜管前 ( 術後 ) に患者へ純酸素を投与し, その流量を 6L とし換気を手動換気にきりかえ, APL(AdjustablePressureLimiting) 弁を完全に閉める. 気道内圧が 10cmH 2 O になる直前で, 気管チューブのカフの空気をゆっくり完全に抜き, しばらく待って気道内圧が一定の停止状態に達した時の圧を CLP とし, 測定した. 骨格形態の分析は, 手術前に撮影した側面頭部 X 線規格写真を用いて, Sassouni 弧状分析法により分類した. 測定したデータを収集し, 骨格形態分類の各群間及び顎骨移動に伴う変化と CLP の比較 変化の評価を行った. 結果と考察 顎顔面骨格形態において,Sassouni6 で CLP が最も高く,Sassouni9 で最も低値を示した. この結果は, 以前に報告した上気道部の SPAS(SuperiorPosteriorAirwaySpace) の幅径と一致しており, SPAS との関連が示唆された. 顎矯正手術術前後の CLP は, 下顎を後方に移動した症例においては, CLP が増加する傾向にあった. また, 上下顎を前方移動及びオトガイ 舌筋 / 舌骨筋群前方牽引術 (GA) を行った症例は減少する傾向にあった. 以上より, 骨格形態及び顎骨移動は気道抵抗と関連しており,CLP を測定することで, 生理学的評価が可能であることが示唆された. 64

67 ポスター P-06 渡邉崇, 西脇まなみ 尾張矯正歯科 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の治療に用いる口腔内装置は多様な形態を持っている. 従来では下顎を前方位に移動させるタイプでモノブロック型のものが最も普及している. しかしながら, 長期の使用の場合には咬合の変化が散見されている. 副作用として起床時の過敏症, 咬筋部も圧痛, 咬合の違和感や, 唾液過多, 口渇感, 装着時嚥下困難が認められ, 特に小児においては使用が限られてきた. 今回, 我々は柔軟性のある素材の, 医療用シリコンを使って, 装着時により咬ませる事で口腔周囲筋を賦活させ, あわせて正常な舌位の獲得をさせる狙いで, 装置を考案した. 手間がかかるが, 技工操作による口唇および頬粘膜シールド部や舌の誘導面をワックスアップにて形成し舌位や筋機能を活かし, 術後の舌根沈下の防止や口腔周囲筋の賦活可能なデザインとした. 方法 口腔周囲筋の賦活させるために, 睡眠時以外での装着時に噛み込ませる事で, より弾性の高いシリコン (Dreve 社 :Odontosil) を用いた. 強化シートを咬合面間に挟んで埋入し, 舌位を誘導する曲面を形成した. 製作手順は上下顎模型とバイトと舌の型を採得し, 咬合器に装着し, 印象採得を行い作業用模型を作成し, ポジショナーのワックスアップを行う. その際, 舌の模型を参考にし, 誘導面を形成. その後, フラスコを用いて埋没, 流ロウ後, シリコンを填入して加圧重合を行い研磨する. 結果 装着後に起床時の過敏症, 咬筋部も圧痛, 咬合の違和感や, 唾液過多, 口渇感, 装着時嚥下困難が認められなかった. 当院の患者で検証したところ舌位の改善傾向が認められた. 歯牙負担でないため, 歯数の少ない幼児期や, 乳歯動揺歯のある交換期にも適応できた. 考察 小児の治療効果を期待するには個々の形態にカスタマイズさせ, 快適性が重要と思われた. 今後は症例数を増やし, 臨床報告したい. 65

68 ポスター P-07 小松万純 1), 平賀智豊 2), 伊藤泰隆 2), 吉田佳史 1), 飯村慈朗 3), 中島庸也 3), 野村武史 2) 1), 松浦信幸 1) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 2) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 3) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 目的 近年, 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に関する歯科医師国家試験の出題が増え, 本学でも総合病院である当院において OSA 診断から治療に関する臨床実習教育を行ってきた. しかし, 本年は COVID-19 の流行に伴い, 歯学部学生の対面での臨床実習実施が困難となったため, オンラインでの双方向臨床実習を行ったので, その実習内容と実習効果について報告する. 方法 対象は googleclassroom/meets を用いたオンライン実習に参加した本学第 5 学年 135 人とした. 睡眠の概論,OSA の診断や治療の流れを概説後, 実際の診療手技, 口腔内装置 (OA) の種類や原理, 下顎位置決定の方法, 鼻咽腔内視鏡のデモンストレーションをリアルタイムで映像配信しながらの実習とした. 実習終了後に OSA に関する過去の国家試験 4 問を出題し, 理解度を検討した.4 問の内容は, 問 1と4は OA の目的, 問 2と3は下顎の位置決定を問う問題であった. 結果 全体の正答率は 67.3% であり, 各試験問題の正答率は,1 97.8%,2 43.0%,3 36.3%,4 91.9% であった. 考察 各試験問題の正答率はばらつきがあり, 単純な知識を問う問題は正答率が高かったが, 図を用いて他分野と関連させた問題の正答率は低かった. オンラインでの実習の欠点として実際の診察や装置に触れることができないこと, 時間的制約が強いことが考えられる. そのため, 学生は OSA 治療に関するイメージがしづらく, 派生した内容について理解することができず, 複雑な問題では正答率が低かったと考える. オンライン上のチャットを利用することで, 実習中に教員に対していつでも質問ができたことは利点であったと考える. 今回, コロナ禍での新しい臨床実習形態の取り組みであったが, 今後もこのようなオンラインを利用した教育が続く可能性があり, より高い教育効果を得るためにさらなる検討が必要と考える. 66

69 ポスター P-08 平賀智豊 1), 小松万純 2), 伊藤泰隆 1), 吉田佳史 2), 飯村慈朗 3), 中島庸也 3), 松浦信幸 2) 1), 野村武史 1) 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 2) 東京歯科大学オーラルメディシン 病院歯科学講座 3) 東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科 目的 東京歯科大学市川総合病院では歯科 口腔外科と耳鼻咽喉科が連携し閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の治療を行っている. 口腔内装置 (OA) の合併症として流涎, 顎関節症状などがあり, その程度が強い場合, 治療が中断することがある. 今回, 当院で OA 治療を開始したが治療中断となった症例について検討を行い, その症例の特徴について調査した. 方法 対象は 2015 年 6 月から 2019 年 6 月までに当院耳鼻咽喉科で睡眠ポリグラフ検査 (PSG) にて OSA と診断され, 歯科 口腔外科で OA を作製した 147 例のうち, 何らかの原因により治療中断となった症例で, その原因が不明なものは除外した全 28 例を対象とした. 各中断理由を抽出し, 診療録から得られる年齢, 性別, 無呼吸低呼吸指数 (ApneaHypopneaIndex:AHI) 等の臨床項目との関連性について検討した. 結果 OA 治療中断した 28 例の平均年齢は 54 ± 14 歳で, 男性 24 例, 女性 4 例であった. 平均 AHI は 23.2 ± 14.4/h であった. 治療中断理由は強い違和感 9 例 (32.1%), 治療効果が得られない 9 例 (32.1%), 顎関節症状による疼痛 5 例 (17.9%), 流涎による不快感 1 例 (3.6%), 鼻閉による不快感 1 例 (3.6%), その他 3 例 (10.7%) であった. 考察 偶発症等の様々な理由により OA 治療が中断となる症例が治療側の認識より高頻度で存在することか明らかとなった.OA 単独では十分な効果が得られない症例は, 受診中断となる前の早期に他の治療方針について耳鼻咽喉科と連携し検討すべきと考える. 今後,OA 治療効果や偶発症発現リスク等を装置作製前に予測する方法の構築が望まれる. また, 自己判断で受診が中断となる症例も多く認め,OA 治療による合併症発現や再評価前であれば無効な OA 使用を継続している可能性もあるため, 定期受診を促す必要性を再認識した. 67

70 ポスター P-09 荻澤翔平, 西久保周一, 阿崎宏昭, 山縣加夏子, 植木皓介, 草野明美, 篠塚啓二, 佐藤貴子, 外木守雄 日本大学歯学部口腔外科学第 I 講座 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対して Maxilla-MandibleAdvancement(MMA) と Genioglossus advancement(ga) は有用とされている. また口腔容積と口腔に占める舌の均衡が OSA に影響しているという報告がある. そこで今回われわれは MMA および GA を行った患者の術前後の口腔容積と舌の割合を比較検討したのでその概要を報告する. 方法 患者は 2012 年から 2019 年の間に顎変形症,OSA の診断下に MMA と GA を施行した 18 名とした. 術前後の AHI を比較し手術の効果を確認した. 気道を術前後で十分に含む仮想点を LBP(Lower backpoint), オトガイ棘を Sp(Spine) と定義した. 術前, 術直後, 術後 1 年後に撮影された側方頭部エックス線規格写真を用いて口腔容積 (Cd,A,LBP,Sp) および口腔容積に占める舌の割合について Friedman の直接確率検定および Steel.Dwass 法で比較検討した. 結果 術後 AHI の改善を認めた. 術前と術直後および術前と術後 1 年時で有意差を認め, 口腔容積が増加していた. 口腔容積と舌の割合は術前と術後 1 年時に有意差を認め, 口腔内に舌が占める割合が増加した. 考察 術後 1 年時においても MMA と GA の効果があることがわかった. 新しい口腔容積に舌が機能的に順応し, 口腔内に舌が収まるようになったと推察された. 68

71 ポスター P-10 石井友季子 1), 瀬戸一恵 1), 片平治人 1), 河野正己 2) 1) 医療法人社団康治会片平歯科クリニック 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター 背景 OSA の原因として主に下顎劣成長があり, セファログラムでは骨格系因子である顔面軸角 (Facial Axis;Fx.) が OSA のリスクファクターであるといった報告 1) もあり, 周知されている. 今回我々は,Fx が正常で上顎劣成長が原因で発症した症例を経験したので報告する. 1)Yukiko.K,Hideki.Netal;FacialAxisAngleasaRiskFactorforObstructiveSleepApnea; InternalMedicine.2005Volume44Issue8Pages 症例 症例 1:39 歳男性. 診断 PSG にて中等度 OSA の診断 (AHI:17.2/h) となり当院にて OA を導入. BMI は 21.6 で初診時セファログラムでは,Fx91,SNA71,SNB82,MPH20mm, 軟口蓋長 39mm, 咽頭深度 24mm, 低位舌を認めた. 口腔内所見 : 上顎は高口蓋でやや狭窄歯列を呈していた. 効果判定の PSG にて AHI: と奏効に乏しかった. 症例 2:41 歳男性. 診断 PSG にて軽度 OSA の診断 (AHI:13.9/h) となり OA を導入.BMI は 21.7 で初診時セファログラムでは Fx85,SNA81.5,SNB79,MPH14mm, 軟口蓋長 38mm, 咽頭深度 26mm, 低位舌を認めた. 既往に, 唇顎口蓋裂があり, 口腔内所見として上顎は狭窄歯列がおよび高口蓋を認めた. 症例 3:26 歳男性. 診断 PSG にて軽度 OSA の診断 (AHI:13.7/h) となり OA を導入.BMI は 24.8 で初診時のセファログラムでは,Fx83.5,SNA75,SNB76,MPH13mm, 軟口蓋長 41mm, 咽頭深度 27mm, 低位舌を認めた. 既往に鼻炎がある. 口腔内所見として, 上下顎ともに著明な狭窄歯列を認めた. 考察 今回, どの症例においても Fx は正常値であったが,OSA の診断に至った症例であった. 共通因子として上顎劣成長があり, それが今回の OSA の原因になったのではないかと考えられた. また全症例において低位舌が認められたが, 上顎劣成長に伴う高口蓋や鼻腔の狭窄によって低位舌に至った可能性も考えられた. また, 効果判定を行ったのは 1 例のみであったが, 効果は乏しい傾向にあった. 上顎劣成長による下顎への前方移動量の制限によって奏効に乏しかったのではないかと考えられたが, 効果判定の症例数が少ないため今後の課題としたいと思う. 顎顔面の形態異常の場合,OA 以外にも MMA といった外科治療を考慮する必要があり,OA が奏功しない場合には患者と相談し, 大学病院への紹介を検討することも重要である. 69

72 ポスター P-11 坂本由紀 1), 古橋明文 2), 古森亜里 3), 石山裕之 4), 長谷部大地 5), 佐藤一道 6) 7), 湯浅秀道 1) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 2) 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 3) 大阪医科大学医学部感覚器機能形態医学講座口腔外科学教室 4) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 5) 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 6) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科学 7) 独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター歯科口腔外科 目的 このシステマティックレビューは, 口腔内装置 (OA) の最も有効な下顎前方移動量を検討することを目的とする. なお本発表は既に論文化されている (SakamotoY,etal.2019.IntJEnvironRes PublicHealth). 方法 この研究は Grade アプローチに従って行った. 統計データはReviewManager5/GRADEproを用いて解析した. 文献検索はキーワードを挙げ, 医中誌,Pubmed,CochranCentralRegisterofControlled Trials から 2 段階で行った. 主要アウトカムは死亡率, 心血管イベント, 副次アウトカムは AHI,Non- REMStage3,ESS,SnoringIndex, 副作用とした. 結果 文献検索の結果,3 つの論文が抽出された. 全体的なエビデンスの確実性は低.AHI は, 軽症から中等度の OSA を対象とすると,50% の前方移動量の方が 75% 前方移動量に比べて改善を認めた. しかし, 重症患者では 75% 前方移動量の方が有効であった.SnoringIndex には有意差は見られ, そのほかは Non-REMStage3,ESS, 副作用では有意差はないものの 75% のほうが有効である.(AHI:0.38, 95% CI:-0.89 to 1.65,p = 0.56;ESS:1.07,95% CI:-0.09 to 2.24,p = 0.07;snoring index: 0.09,95%CI: ,p < 0.05; 副作用 :RR:1.89,95%CI: ,p = 0.45).AHI は重症度や観察期間の相違のため, サブグループ解析を行い, 重症例では 75% 前方移動が, 軽症から中等症では 50% 移動量の OA が有効であった. 考察 重度 OSA の対象患者は BMI が高値で肥満傾向にあり, 軽症 ~ 中等度患者よりも下顎を十分に前方牽引しなければ,OSA の改善が困難である. 70

73 ポスター P-12 伊藤邦弘, 加藤三香子, 瀧川友佳子, 近藤崇之, 西尾佳朋, 古橋明文, 風岡宜暁 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 目的 我が国では超高齢社会において, 加齢による疾患の増加や体力の低下などが危惧されている. 睡眠医療においても, 高齢 OSA 患者の増加が予測されていることから, 今回当科にて OA を作製した患者を対象に, 高齢 OSA 患者の特徴について解析した. 方法 2013 年 1 月 ~ 2019 年 12 月に PSG にて OSA と診断され OA を作製し,PSG にて OSA の再評価を行った 107 例を対象とした.65 歳以上を高齢者と定義し, 若年 OSA と高齢 OSA の 2 群に分類した. AHI,AI,HI, 最低酸素飽和度, 睡眠ステージ,BMI, 腹囲, 頸囲,ESS,PSQI,AHI 改善率,ESS 改善率を比較した. 結果 65 歳未満 :70 例,65 歳以上 :37 例, 全対象症例の平均値は年齢 :57.9 ± 15.6 歳,AHI:25.0 ± 17.8/h, 最低酸素飽和度 :83.5 ± 6.8 %,BMI:24.4 ± 4.0kg/m 2, 腹囲 :88.8 ± 10.1cm, 頸囲 :36.6 ± 3.2cm, ESS:8.3 ± 5.2 点,PSQI:7.3 ± 3.8 点,AHI 改善率 :46.6 ± 29.4%,ESS 改善率 :18.2 ± 26.6% であった.2 群比較では, 高齢 OSA 患者は若年 OSA 患者と比較して無呼吸指数が高く (14.5 ± 19.0/hvs7.4 ± 9.7/h), レム睡眠期の減少 (13.3 ± 6.4 %vs16.6 ± 6.4 %),BMI が低値 (23.1 ± 2.9kg/m 2 vs25.1 ± 4.2kg/m 2 ),ESS が低値 (6.9 ± 4.8 点 vs9.0 ± 5.3 点 ) であった. 考察 高齢 OSA 患者は BMI が低値であるが,AHI に有意差を認めなかった. 高齢者は生理的な変化など様々な要因が影響し, 今回の結果になったと考えられる. 高齢者は眠気が少ない場合でも OSA を発症している可能性があり,OA 治療効果は若年者と同等であるため, 積極的に OA 治療を介入する必要があると考える. 71

74 ポスター P-13 石山裕之 1), 長谷部大地 2), 佐藤一道 3), 坂本由紀 4), 古橋明文 5), 古森亜理 6) 7), 湯浅秀道 1) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯科麻酔 口腔顔面痛制御学分野 2) 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織再建口腔外科学分野 3) 国際医療福祉大学医学部歯科 口腔外科 4) 関西医科大学総合医療センター歯科口腔外科 5) 愛知医科大学大学院医学研究科口腔外科学 6) 大阪医科大学医学部感覚器機能形態医学講座口腔外科学教室 7) 独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター歯科口腔外科 目的 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) の治療で用いられる口腔内装置 (OA) には多くの形態があるが, 大きく上下一体型と分離型に分かれる. これまで多数の研究がなされているが, どの形態が最も効果的であるかどうか未だ結論には至っていない. 本研究は OSA 患者の OA 療法における装置の形態ごとの有効性を明らかにするため, 関連する研究の系統的レビューおよびメタ解析を行った. なお本発表は既に論文化されている (IshiyamaH,etal.2019.IntJEnvironResPublicHealth). 方法 MEDLINE,theCochraneCentralRegisterofControlledTrials, 医中誌を用いて系統的に文献検索し, 出版された年, 言語に制限を設けず調査した.OA の形態に関する RCT だけを対象とし, 主要アウトカムは死亡率, 心血管イベント, 副次アウトカムは OSA の治療効果, アドヒアランス,QOL, 血圧, 副作用, 患者満足度とした. なお OA の形態は一体型, 分離型のみに分け, 下顎位のタイトレーションがなされた研究を対象とした. データは RevMan5.3 で固定効果モデルを用いて統合し, 平均値差 (MD), リスク比 (RR) とその 95% 信頼区間 (95% CI) で示した. また Cochraneの riskofbiastool で個々の RCT の質を評価し,GRADE システムを用いて統合されたエビデンスの質の評価も行った. 結果 最終的に 2 つの研究 ( 参加者計 40 名 ) が組み入れ基準を満たした. 採択された研究の中で, 死亡率と心血管イベント発症率のアウトカムはなく, 全体的なエビデンスの確実性は低かった. メタ解析の結果, 分離型 OA に対し一体型 OA は AHI を有意に軽減させ (MD:2.92,95% CI:1.26,4.58;p = ), 装置に対する患者満足度も有意に高かった (RR:2.06;95% CI:1.44,2.06,p < ). その他の項目において,2 グループ間で有意差はなかった. 考察 OSA 患者において OA 療法を行う際, 下顎位のタイトレーションがなされた後の装置の形態は, 分離型よりも一体型の方が有効な事が示唆された. しかし採択された研究は短期的なものが多く, より長期的な影響を評価する必要がある. 72

75 ポスター P-14 古畑梓 1,2), 古畑升 1,2,3), 三ツ林裕己 2) 1) 医療法人社団梓会古畑歯科医院 古畑いびき睡眠呼吸障害研究所 2) 日本歯科大学生命歯学部内科学講座 3) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 目的 口腔内装置 (OralAppliance:OA) の継続使用による顎の疼痛や OA 破損などの有害事象を発症または悪化した 120 名にボツリヌス療法を施行し, 有害事象の改善に有意性が認められた結果を当学会 (2018,2019 年度 ) にて発表した. ボツリヌス療法の多角的な側面から, ボツリヌストキシ (BoNT-A) の筋緊張を緩和する作用が, 閉塞性睡眠時無呼吸 (ObstructiveSleepApnea:OSA) における呼吸障害指数 (Respiratorydisturbanceindex:RDI) に影響を与えるか,BoNT-A 投与前後で簡易無呼吸検査 ( スマートウォッチPMP-300EX) を行った 46 名の結果を後方視点に検討した. 方法 対象は終夜ポリグラフ検査で OSA と診断され,OA 治療中に有害事象 ( 顎疲労, 顎関節症,OA 破損, 下顎の前方移動を含む咬合変化の有無 ) を発症または悪化し,BoNT-A を咬筋に両側計 50 単位施注した 46 名 ( 男性 22 名, 女性 24 名 ) とする. 患者への施注時を起点とし, 前後一年以内に簡易無呼吸検査を行い RDI の変化を比較する. 結果 BoNT-A を施注した 46 名において RDI の有意な減少 (p < 0.05) が認められた. 考察 BoNT-A の筋緊張緩和作用は用量, プロトコールを順守すれば,OA 使用者の RDI にネガティブな影響を与えないと考えられる.RDI の有意な減少が得られた要因として, ボツリヌス療法による有害事象の改善により, ストレスなく安定した OA の継続使用が可能になったためと推察される. 73

76 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 報告発表 CR-01 アブデルマジッドベラター 1), フレデリックヴァンプル 2), サンドラクルソン 3), ヤンサンジュルジュショメ 4) 1) ローザレ病院フランスオーベルビリエ 2) 理学 運動療法 CETOF 学院長フランストゥール 3) クルソン研究所アメリカデンバー 4) タングラボラトリーフランスパリ 背景 前回の発表において我々は, 口腔舌咽頭を再教育する感覚運動装置 TRP が,17 名の中等症から重症の OSA(ObstructiveSleepApnea) 患者に対する約 6 か月のコホート研究の結果, 無呼吸低呼吸指数 (AHI) を 66.7% 減少させることを示した. 今回下顎前進装置 (MAD) を使用禁止されている中等症の OSA 患者に対し良好な経過を得ているので報告する. 症例 71 歳男性. いびきのため来診. 初期の測定値は AHI28.7,SpO 2 平均値 89,FlowLimitation 指数 112.5/h であった. 既往歴は, 睡眠時ブラキシズム, 高血圧, 高コレステロール血症, 脳卒中がある. 複数のインプラント埋入と補綴が認められMAD 使用は禁忌と診断された. そこで, 今回 TRP の装着を試みた. その結果,TRP 装着前の PNIF(peaknasalinspiratoryflow) 数値 90L/min は TRP 装着直後 120L/min を示し,30 日後は 200L/min と増加した. いびき指標は6/10から 1/10 に減少. スピーゲルテストは,16/30から 24/30 となった. さらに夜中の排尿が止み, 運動量が増加し体重が減った. 8 か月後の簡易ポリグラフ検査では, ベンゾジアゼピン服用下で実施したにも拘わらず,SpO 2 が平均値 95.5,FlowLimitation 指数は 64.3/h と大幅な改善を示した. また, 自律神経活性は 89 から 34/h となった. 考察 前回のコホート研究の患者同様, この患者も容易に TRP に適応し, 心血管系, 睡眠, いびき, 及び鼻腔通気量に対して有益な効果をもたらした. 今後, 症状改善を確認するためのベンゾジアゼピン服用無しでの PSG 検査の実施が予定されている.TRP は既存治療に対し, 禁忌または拒否する患者の代替案になると考えられる. 74

77 睡眠口腔医学 Journal of Oral and Sleep Medicine 報告発表 CR-02 齋藤七海 1,2,3,5), 佐藤晴瑞 1), 佐藤哲大 1), 二宮健司 2), 齋藤滋子 3), 片平治人 4) 5), 秀島雅之 1) ノエルクリニック心臓血管外科歯科 2) 二宮歯科医院 3) サイトウ歯科 4) 片平歯科クリニック 5) 東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 ( いびき 無呼吸 ) 外来 背景 私が所属しているノエルクリニック心臓血管外科歯科 ( 愛媛県松山市 ) は, 循環器内科と連携して閉塞性睡眠時無呼吸 ( 以下 OSA) の診療に取り組んでいる. 実施されている睡眠検査は設備等の関係上, 簡易検査のみで, 現在当院歯科では, 軽度 ~ 中等度の OSA と診断された患者に対し OA を導入している. 導入後の効果判定で多くの症例で改善を認めるものの, 変化が殆どみられなかった症例や悪化してしまう症例も散見される. 患者が前向きに治療に取り組んでいた場合であっても, 検査数値の改善が乏しいと結果が出れば, その後の患者の OA 治療に対してのモチベーション低下や不信感に繋がりかねない. そこで今回我々は当院で簡易検査を OA 装着前後に行い検査結果が悪化した症例について検討した. 症例 69 歳男性 ( 職業 : タクシー運転手 ).2019 年 3 月 12 日簡易検査施行 REI19.3 最低 SpO 2 82% 初回 ESS 年 7 月 20 日に OA セットし, 効果判定として 2020 年 1 月 24 日簡易検査を行ったところ REI52.6 最低 SpO 2 81% と悪化し, その後は医科での CPAP 治療に移行した. 考察 OA 装着後のセファロ像から舌骨位置等の改善がみられ, 体重や日中の眠気等にも大きな変化はなかったことから, 初回検査時と再検査時で患者の体調や前日迄の睡眠状態, 睡眠時間, 体位, 装着状態等に差があったと考えられる. また, 簡易検査は自宅で患者自らが装置を装着 管理する為, ブレが生じることも充分考えられる. このように本来 CPAP 適応症例であっても, 簡易検査のみでは見逃しが起こり易いことがわかった. 重度の OSA を見逃してしまう危険性があり, 交通事故などの社会的問題や患者の生命予後悪化にも繋がり兼ねない. 簡易検査で OSA が疑われた場合は PSG 検査が診断には必要である. 簡易検査の結果だけに捉われず, 積極的に PSG 検査を勧めることが大切である. 我々歯科医師も睡眠医療に携わる身として, 流動的に OA を製作するだけではなく, 責任感と専門的な知識を持ち, 積極的に医科連携を行っていくことが大切だと考えた. 75

78 報告発表 CR-03 瀬戸一恵 1), 石井友季子 1), 片平治人 1), 河野正己 2) 1) 医療法人社団康治会片平歯科クリニック 2) 日本歯科大学新潟病院睡眠歯科センター 背景 当院では 2001 年 7 月より OA による睡眠時無呼吸症の治療を行ってきた.OA の効果に関しては多数の報告がなされているが, 歯列及び咬合変化に関する副作用については報告が少ない. 長期経過症例の中で歯列及び咬合変化を生じた症例を経験したので報告する. 症例 症例 1: 初診時年齢 65 歳女性,AHI:20.7,OA 使用期間約 5 年 下顎頭位の変化及び上下顎前歯部の歯軸傾斜により臼歯の咬合接触が減少し, 咀嚼障害を訴えた症例. 症例 2: 初診時年齢 38 歳女性,AHI:20.0,OA 使用期間約 10 年下顎頭位の変化及び下顎前歯部の傾斜により反対咬合を呈した症例. 考察 OA による咬合変化を術前後の側方セファログラム画像の重ね合わせにより観察したところ, 咬合変化の原因は上下顎前歯部の歯軸の傾斜によるもの, 下顎頭位の変化によるもの, 両者の合併によるものがあることが分かった. 副作用のうち歯列変化は緩徐に進行し, 患者の自覚症状を伴わないことも多いが, 進行すると審美障害のみならず, 咀嚼機能障害を訴える症例も経験した. 以上より副作用を最小限に抑えるためには, 定期的な口腔内写真撮影やセファログラムによる歯列及び顎関節の偏位並びに上下顎の咬合診査などにより咬合変化を早期に発見し, 必要に応じ CPAP 療法への移行や, CPAP 療法との併用療法を検討するなどの対応を行うことが大切だと考えられた. 76

79 睡眠口腔医学第 7 巻総会特別号 2020 年 11 月 6 日発行発行者外木守雄事務局一ツ橋印刷株式会社学会事務センター内 東京都江東区深川 TEL: FAX: jadsm@onebridge.co.jp 印刷一ツ橋印刷株式会社

80 W210 H148mm 患者さんの健康 それが私たちのテーマです 色を見る 形を整える 自然な美しさを再現するため 仕上がりに心を砕く 適合を調整する 確実に機能を回復するため 歯科医院 株式会社杏友会は ケースデザイン 相談 日常の診療を支えるインレー クラウンから 審美的治療のオールセラミックス さらに高齢化社会に向けてのより機能的なデンチャー 歯科技工 ラボラトリー そして 最新設備のCAD CAMを導入して 本 社 技工物納品 東京都杉並区宮前 ZOOM I N ZOOM OUT EYEZOOM EYE ZOOM 3段階倍率可変式拡大鏡 3X 約 4X 約 5X 約 視野径 １０ｃｍ 視野径 ８ｃｍ 視野径 ６ｃｍ 焦点深度 １０ｃｍ 焦点深度 ８ｃｍ 焦点深度 ６ｃｍ 重量 約９７ｇ フレーム含む 材質 マグネシウム 矯正無し 矯正有り 430,000 税別 450,000 税別 一般的名称 双眼ルーペ 販売名 アイズーム 製造販売届出番号 27B1X クラス分類 一般医療機器 No Magnification 3x 4x TEL 神奈川県相模原市南区上鶴間本町 TEL ADJUSTABLE MAGNIFICATION LOUPE 発注 杏友会 補綴物の機能と調和を守る総合デンタルラボラトリーです 神奈川支社 的確な アドバイス 5x 販売元 製品色調は印刷の都合上実物と多少異なる事があります 製品の仕様および外観は予告なく変更する事があります ご使用の際は添付文書等をよく読んでご使用ください 株式会社 日本歯科工業社 東京都台東区上野 TEL FAX 杏友会

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83 TRP タング ライト ポジショナー 世界初 就寝時に舌や口腔周辺筋の活性を高め身体のパフォーマンスを向上させる感覚運動装置で 舌の反射機能を活用し 筋肉のバランスを整え 舌機能不全の回復を目指す新しい発想のシステムです TRP が舌反射を刺激し舌が口蓋に向かって挙上します そして固有受容感覚が刺激され 上顎に対して平らな状態に矯正します 新しい舌位置と機能により吸引動作は妨げられ 嚥下運動がより効率的に標準化しやすくなり 仰向けの状態になった時に起こる舌後退を防ぎます 舌は 鼻の下にあり 気道と食道の交差点にあるため 舌が機能不全ですと咽頭閉塞の大きな要因となりますが 舌の生理的機能が回復すると鼻呼吸が促進されます 感覚運動装置 TRP とエクササイズによる持続可能なヘルスケア システムとして 身体の自然を尊重し 潜在的な可能性が発揮されるようサポートします TRP の特徴 TRP 導入のためのオンライン研修は随時申込受付中 マイペースで学習可能 個別サポートによる丁寧な指導 研修費用及び TRP フルアーチセット特別価格も実施中 上顎だけに装着し 目立たない 咬合面を覆わない 歯に負担をかけない 話したり飲む事ができる 必要な歯の数が少なくても装着可能 子どもから大人まで幅広く使用できる 調整 5 分 舌機能観察 & エクササイズ 15 分 治療期間 (6 か月 ~9 か月 ±3 か月 ) 副作用は一過性で軽度 ( よだれが出るなど ) 3 つの特許所有 舌を中心とした症例 治療研修プログラム 株式会社タングラボ ジャパン * お気軽にお問合せ下さい 京都市下京区中堂寺粟田町 93 KRP Bldg#4-3F KRP BIZ NEXT 担当 : 岡本 mobile : tmokamoto@tonguelab.com

84 Thinking ahead. Focused on life.

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86 Dentsply Sirona Imaging Solutions X Axeos. Debut! Experience the difference Digital Dentistry CT D New! SICAT OSA D

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